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カテゴリ:旅行
昨年8月20日シリアで銃撃戦に巻き込まれて死亡した山梨県都留市出身の戦場ジャーナリスト山本美香さんの縁の地を見たいと高知県からはるばる山梨県まで来た男がいる。それは私が医学部に入る前に在籍していた静岡大学の魁寮に入っていた時1学年下のN君だった。昨日そこへ行く途中で私の病院にちょっと寄ってくれた。 30年以上逢ったことがなかったが、当時の面影そのままだった。彼も私のことを髪は薄くなったがそれを除けば全く昔のままだなと懐かしんでくれた。彼は教員をしていたが今は植木屋をしているとのことで、今年の夏は一際暑かったが幾つかの注文を受けて炎天下で剪定などの仕事を仕上げてからきたとのことだった。 なぜ山本さんにそれほど惹かれたのか聞いてみた。「命の大切さ、はかなさかな」と言っていた。山本さんが書いた本(『中継されなかったバクダッド』)の一節に「私たちジャーナリストは死ぬために戦場を目指してはいない。誰かがそこへ行って目撃しなければならないし証拠を残していかなければならない。記録して外の世界に出さなければならない。だから私は戦場に向かう」がある。死ぬために戦場を目指していないが、それを覚悟の上での活動には間違いない。彼女は戦争の残虐さと悲惨さを報道する使命感に燃えていたのだと思う。その彼女が銃弾に倒れて死んでしまったので悲痛な思いと命のはかなさを思い、はるばる都留市まで来る決意をしたのだと思う。 彼は子供の頃はカエルを八つ裂きにしたり投げ飛ばしたり平気で残酷なことをしていたが今はすごく反省しているとのことだった。虫や蟻や蜂が部屋の中に紛れ込んできても殺さないで部屋の外に出してやるとのことで、道端に毛虫が這っていても轢かれたり、踏みつけられないように草むらに移してやっているとのことだった。大きさや形態にかかわらずあらゆる命は尊く護ってやらなければならないと思っているとのことだった。 それなのに戦争では人と人が殺し合いをしている。それを止めさせたいと体を張って活動していた山本さんに熱く共鳴していたN君、昨日は私と別れた後、山本さんの生家などを見に行くと言っていた。 命を見つめる旅が実り多いものであるよう祈る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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