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香港と1本の川を隔てて隣接する中国の経済開発特別区シンセン。
近年では香港ツアーの中にシンセンでのショッピングが組み込まれていたりして、訪れる観光客も多くなっています。 (ニセモノブランドでも有名ですね) 開発特区の周囲はどこを見回しても、工場ばかり。。。 アパレル系、電子部品、精密機械系、日本をはじめ多くの外資系企業の工場も軒をつらねています。 このシンセンという街。私は約3年住んだわけですが、 最初から最後まで、全く馴染むことができませんでした。 好きになれませんでした。。。 私にとってはこの街、とても無機質で恐ろしい街にしか見えませんでした。 一見、高層ビルが立ち並び、どこかにありそうな近未来都市ですが、そこはとてつもない金銭への欲の渦巻く街でした。 街を見回すと、不思議なことに気づきます。 他の中国の都市と決定的に違うこと。 それは、老人がほとんどいないことです。 お金を稼ぐ為に田舎から上京してきた10代~20代の若者が大半です。 そこには、中国の大家族がテーブルを囲んでにぎやかに食事をするような、そんな幸せな光景は見られません。 私のかつて勤めていた工場も2千数百人の工員を有していましたが、90%は女子の工員でした。 小学校にあがることができず、文字を読めない子もいました。 一体、どれくらいの割合の人が身分証明書をごまかしていたかは不明です。 多くの人が年齢、名前を偽って上京してきます。 なぜ分かるかというと、毎年旧正月休みに田舎に帰り、次に戻ってくると、多くの人が名前や年齢が変っているのです。 戸籍の無い子も多いだろうと察します。 初めて工場の中の様子を見たときは驚きました。 昔あった古い映画の”ああ、野麦峠”を連想していただければ、それにとても近いと思います。 1班15人ごとに振り分けられ、目標に向かって競わせます(1時間ごとにノルマあり)。 壁には「~~~をしたら、罰金・・元。~~~をしたら、、、」と多くの罰則の規程が細かく張り出されています。 遅刻がいけないとかそういった内容ではなく、 工場内で痰を吐いたら罰金1500円。 作業場でお茶の水を捨てたら罰金~~円。 トイレは1回5分以内、班長に名札を渡して、午前と午後各1回以内。。。 そんな内容なんです。 違反すると減点され、お給料から天引きになります。 ほとんど毎日残業があります。 残業代は1時間15円~です。 お給料は月5000円~。 みんな必死です。 チャイムがなり、仕事が終わると、みんな一瞬であどけない少女の顔にもどります。。。 残業の無い日、休みの日(月に1~3回)はおしゃれをして、街に出て、ウィンドーショッピングをしたりして楽しみます。 彼女達が心の底から嬉しそうに幸せそうに笑うのを見るのは、1年に1回だけ。旧正月に故郷に帰るバスに乗るときだけです。 一生懸命ためたお金で持ち切れないほどのお土産を持って、 胸をわくわくさせて帰途につくのです。。。 バスで3泊4日かけて、両親兄弟の待つ故郷に凱旋帰国するのです。 私はシンセンでの3年間、本当にいろいろなことを考えさせられました。 中国の問題に外国人の私が口を出す事はできませんが、 日本とのあまりのギャップに、閉口してしまう日々でした。 田舎から無理やり上京させられ、働く事に疲れてしまい、自殺してしまう子もいました。。。 今もシンセンの工場で必死に働く少年少女のことを思うと、胸が痛くなります。 私達の国、日本で近年非常に安くて良い商品が多く流通していますが、それらのほとんどは彼らが必死に働いて作ったものなんですね~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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