2587160 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

いなかの猫の天邪鬼部屋

第5話

OnAir~シーズン2・第5話~


#仕事部屋

(ヨンウン電話中)

ヨンウン : じゃあダメなんですね?....誰か紹介してくださる方はいませんか?はい..はい..(ため息) ..どうしようもないですね。はい..それでは失礼します。 (電話を切って憂わしい表情)

ミジュ : 先生、お茶はいかがですか?

ヨンウン : うん?ああ...私はコーヒー...

ミジュ : (コーヒーカップを持って来る) 先生、玄関のパスワードを変えた方がいいです。

ヨンウン : え?どうして?

ミジュ : 番号が露出したようです。誰かが入って来た跡がありました。

ヨンウン : 誰が入って来たの?

ミジュ : それは分からないですけど。ここの番号は先生と私しか知らないのに。 (ヨンウン、ドキッとする。) 昨日の昼、しばらく留守にしたんです。そうしたら、何かが変わっているんです。

ヨンウン : (疑わしそうに) 何が変わっていたの?

ミジュ : 浴室のスリッパの方向が変わっていました。 (ヨンウン、ギョンミンが浴室に入って行く場面を頭の中に思い浮かべる。) ベッドのシーツもちょっと崩れているみたいでした。(ずっとヨンウンの頭の中にギョンミンの行動が描かれている。)

ヨンウン : ...スリッパはどんなふうに変わっていたの?

ミジュ : 私は、スリッパは履きやすいように内側に向けて置くんです。それが反対になっている事なんてありますか?

ヨンウン : (気乗りしない様子で) あなたが勘違いしたんじゃないの?

ミジュ : いいえ。私は常にスリッパをそのように置く癖があるんです。絶対に錯覚ではないです。

ヨンウン : (関心無さそうにパソコンモニターに視線をやって) それで?何か消えた物でもあるの?

ミジュ : いいえ。(思い出したように) あ!冷蔵庫の生水がコップ一杯分位なくなっていました。(ヨンウン、呆れてミジュを眺める。ヨンウンの頭の中にギョンミンが水を飲む場面。) 先生の椅子も少し動いてたみたいだし。(ギョンミンがパソコンをする場面。)

ヨンウン : (開いた口が塞がらない) あなた、よくそんな事が分かるわね。超能力でもあるの?

ミジュ : これくらいの事は超能力じゃなくても気付きます。確かに...私は記憶力がちょっといいですけど。

ヨンウン : (呆れて首を横に振る ) まったく...

ミジュ : 番号を変えましょうか?

ヨンウ ン: 必要ないわ。ここに来る人がいるの。

ミジュ : え?

ヨンウン : ここに来るのは私たちだけじゃないの。もう一人いるのよ。

ミジュ : (目障りだと言うように) 誰なんですか?

ヨンウン : 私ととても親しい友達。たまに来て休んだり。

ミジュ : 最近は休む場所と言えば蒸し部屋ですけど...

ヨンウン : (呆れてミジュを見る) 蒸し部屋で休みたければ蒸し部屋に行くし、ここで休みたければここに来る。問題ある?

ミジュ : いいえ...それでは...あらかじめおっしゃってください..

ヨンウン : 私がそんな事まであなたにあらかじめ言わなけりゃならないの?

ミジュ : そうじゃないでしょうか。私は...よく知らない人と同じ空間を共有する事にちょっと...抵抗を感じる性格ですから。

ヨンウン : (そんな事があるのだろうかと思って) は?

ミジュ : ですから、あらかじめおっしゃって..

ヨンウン: あらかじめ言えって?補助作家をしたくないの?

ミジュ : いえ...(脹れている) とにかく...

ヨンウン : (癇癪が起きそう) とにかく..?

ミジュ : もう少しよく考えてください。

ヨンウン : !!!!


#放送局休憩室

(ヨンウンとギョンミン、テーブルに対座している)

ヨンウン : 本当に開いた口が塞がらなくて...

ギョンミン : (ニヤリと笑って) まだ悔しい?

ヨンウン : そうよ。最近の子は本当に概念がないわ、概念が。(ギョンミン面白がる。)タジョンはそれでも何年も一緒にいたから、向こう見ずなところにも慣れていたけど。あの子は本当に大人の難しさを知らないんだもの。瞬きもせず、口のきき方も知らないのよ。

ギョンミン : (笑って) ソ・ヨンウンが思いどおりにならない手ごわい相手に出会ったんだな。

ヨンウン : (ねだるように) んー?そんな他人みたいな言い方するの?

ギョンミン : それで、どうするつもりなんだ?辞めさせるのか?

ヨンウン : うーん。本当に、荷物をまとめて出て行け!と言いたいわ。でも..そんな事が言える?うちに来てからまだ一週間しか経ってないのに..

ギョンミン : そうか。意外だな。

ヨンウン : 私、そんなに情のない人間じゃないわ。一度採用したからには..しばらく置いてみなくちゃ。ちょっと荒唐無稽だけど、いいところもある子だから...

ギョンミン : 君はそんなに寛大な性分だったのか?

ヨンウン : そうよ。 私、言葉はちょっとキツいけど、情は深いでしょ?

ギョンミン : ちょっとどころか凄ーくキツい事もあるけどね。

ヨンウン : (ギョンミンを睨んで) むやみやたらにキツいわけじゃないのよ。そうすべき状況だからそうなるのよ。

ギョンミン : 人は誰もが皆、自分の感情、自分の行動を状況に合わせているんだと思うよ。

ヨンウン : (色をなして) 私は本当にそうすべき状況だからそうしているの!私と争うつもり?

ギョンミン : いや。(笑って) ソ・ヨンウンとは争わないよ。俺が疲れる。ここには君を突き落とす水もないし..(笑う)

ヨンウン : (ニヤリと笑う) 水があればまたバトルになるわね。

ギョンミン : (笑う) ところで..どうして水泳を習わないの?

ヨンウン : 習う時間がある?

ギョンミン : スポーツダンスを習う時間はあるのに?

ヨンウン : え!どうして知ってるの?

ギョンミン : この業界は狭いんだよ。

ヨンウン : (ギョンミンの顔色をうかがうように)あれはこの業界の中での事じゃないのに..。それに、いつの話?もう 1年以上も前なのに...

ギョンミン : 君が水泳を習う時間がないと言うからだよ。

ヨンウン : 習う時間があると言うの?

ギョンミン : どうして?ドラマがない時は、ちょっとは時間があるじゃないか。習っておけば?

ヨンウン : 私は水が怖いの。それに、イ監督がいるから...(肩をぐっと)

ギョンミン : 俺がいない時はどうするんだ?

ヨンウン : その時は...近くの他の男を探すわ...(可愛く舌突き出す)

ギョングミン :(呆れたように) まったくもう...

ヨンウン : さてと。私、今日は忙しいの。ノ監督と会って、その後しなくちゃならない事があって...

ギョンミン : 何?

ヨンウン : 今まで家の事をしてくれていたおばさんが今月から来られないのよ。娘さんが出産をして、その産後を見なくちゃならないから...。その次には孫を見なくちゃならないし...。仕事が始まったらチュニの世話をするのは難しいから、その前に適当な人を探してみなくちゃ。

ギョンミン : 一緒に連れて行ったらダメなのか?チュニももう結構大きいんだから、自分の身の回りの事は出来るし、手が掛かる事も別にないじゃないか。

ヨンウン : 確かにそうだけど、私は仕事に沒頭すると二日も三日も寝ないから、神経が凄く逆立って...それはチュニにとってもいい事じゃないと思うの。

ギョンミン : そうやって寝ずに書かないとならないのか?

ヨンウン : そうしようと思ってそうしてるんじゃないのよ。そうなっちゃうの...

ギョンミン : そうやって..寝もしなけりゃ食べもしないんだろ?

ヨンウン : 私がいつそんな事を?

ギョンミン : タジョンさんから全部聞いてるんだよ。書き始めると食事もしないって。

ヨンウン : それは...仕事をしていると、たまに食べ忘れもするから..

ギョグミン :...約束して。

ヨンウン : 何を?

ギョンミン : これからは、食事は必ずちゃんとする。コーヒーだけで済まさない。

ヨンウン : ...分かったわ。食べるから。

ギョンミン : これから忙しくなったら覗いて見ることも出来ないだろう?お互いにする作品も違うから..

ヨンウン : ...(やり過ごしたように)ユン作家の仕事部屋はどこにあるの?

ギョンミン :...知らないけど?

ヨンウン : 部分シノプシスは一緒に作業するんですって?じゃあまだ一緒に会議してないの?

ギョンミン : ...会議はしたけど...そんなふうに一日中一緒にいる必要はなさそうだから。

ヨンウン : (嬉しそうに) そう?

ギョンミン : ああ。時間的な余裕がちょっとあるから。...チケット・トゥ・ザ・ムーンは...あまり余裕がなかっただろ?

ヨンウン : 良かったわ...(ホッとする)

ギョンミン : (フッと笑う) 誰もイ・ギョンミンに関心がないから、心配なんだろ?

ヨンウン : もう。そうやって自分を卑下するところを、魅力だと言うべきかしら?切ないと言うべきかしら?

ギョンミン : さあ、立って。働かないとね。

ヨンウン : はい...。(温かくギョンミンを見る)


#ギョンミン家

(ギョンミン食卓に座っている、オキシム汁椀を置いて座る。)

オキシム : 久しぶりに家で食事するんだから。

ギョンミン : ...俺、今朝食べないで行ったっけ?

オキシム : 夕食の話よ。朝は一口分食べるか食べないかで出て行くんだから、こんなふうに話をする時間もないし..

ギョンミン : (オキシム見て) 一人で食事したくないだろ?

オキシム : どうして?一人の時は、適当に食べたり食べなかったり。

ギョンミン : そんなふうにしないで。食事をちゃんとしてこそ元気でいられるんだから。他の事はしなくてもいいから、食事だけは..

オキシム : 分かったわよ。(おかずの器押して) 早く食べて。

ギョンミン : (ご飯を食べながら ) ママ。

オキシム : 何?

ギョンミン : (ためらう)...いいえ...食事して。

オキシム : 何だって言うの?

ギョンミン : いや、何でもない。ちょっと勘違いしたんだ。

オキシム: 何を?

ギョンミン : 何でもないって言ってるだろ。(言いかえる) これおいしい~。ママも食べて。

オキシム : おいしい?...味が薄いけど...。(ギョンミン見て不審そう)





(原作出処:sonkhj1116さんのブログ



© Rakuten Group, Inc.