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いなかの猫の天邪鬼部屋

第15話

OnAir~シーズン2・第15話~


# 火曜日、放送局休憩室

(ギョンミンとジウン(合同演出)、 座っている。)

ジウン : 今日のリーディングには何人参加?

ギョンミン : 3話までの出演人物が主だから10人くらい?ユン作家が見て、まずキャラクターを修正しないとならないところだけを指摘してもらわないと。

ジウン : 撮影スケジュールは?

ギョンミン : まだシナリオが確定してないから、これから一週間は大変だろうな。(にっこりと笑って)企画を始めた時は余裕があると思ったんだけど、もう10月なんだな。

ジウン : まだ Bチームを投入する程ではないだろう?今は手伝う事はないんじゃ?

ギョンミン : ああ、今はまだ...。16部作だから多分最後には四手が必要になりそうだよ。

ジウン : 私も、休んで、またしようとしたら勘が掴めなくて ...最近は食欲もないよ。

ギョンミン : (ジウンを見て)それでも復職したのだから...よくやってるじゃないか..

ジウン : (やや苦そうに)思ったとおりに生きて行く事は、誰もがしている事ではなかった...。家族がいるのに自分の考えだけに固執することは出来ないと...

ギョンミン : (考え込む)......

(オソク、近付く。)

オソク : 監督、全員集まりました。

ギョンミン : (頭を上げる) ああ...。(ジウンに) 一緒に行くか?

ジウン : いや。野外撮影があるんから。お疲れ様。

ギョンミン : ああ...お疲れ様。


#ドラマ局会議室

(前の方にギョンミンとセアが座り、俳優たちが円になって座っている。)

ギョンミン : 今この瞬間から記憶は始まるのです。最初のリーディングがどれだけ重要か、皆さん御存知でしょう?最善を尽くしてください。それでは始めます。(オソクに目配せする)

オソク : それでは最初のシーンから読みます...

(リーディングが始まる。)

#ヨンウンの仕事部屋

(作業するヨンウンの姿。時々頭をあげて窓の外を眺める。)


#ドラマ局会議室

オソク : それでは、昼食を食べたら1時までにまた集まってください。

(俳優たち、立ち上がって出て行き、慌ただしい会議室。)

ギョンミン : (セアに) 食事に行きましょうか。

セア : はい、お腹がすきました。行きましょう。

(立ち上がって出る二人。会議室の外。)

サンウ : お疲れさまです、監督。

ギョンミン : あれ?いついらしたんですか?中に入れば良かったのに。

サンウ : 今来たところなんです。食事に行かれるんですか?

ギョンミン : ええ。まだだったら一緒に行きませんか?

サンウ : そうですね。じゃあ外に出ましょう。私が払いますよ。

ギョンミン : いいえ、そんな時間はありません。局内の食堂で食べましょう。

サンウ : 仕方ないですね。あ、(セアを見て) ユン・セア作家ですか?挨拶が遅れました。チン・サンウと言います。

セア : こんにちわ。(ギョンミンを見る)

ギョンミン : SWのチン・サンウ代表です。このドラマに出るチ・スンウの所属社です。

セア : あ、そうなんですか?(微笑む)お会い出来て嬉しいです。

サンウ : うちの俳優を預けて置きながら、挨拶がすっかり遅れてしまいましたね。今は忙しいですから、次の機会に食事を御馳走します。

セア : (こっくりと頷いて) はい、ありがとうございます。

ギョンミン : 行きましょう。(歩いて行こうとする)

サンウ : 監督、それでは私はまた次回に。

ギョンミン : どうしたんですか?一緒に行きましょう。

サンウ : 今日は忙しいようですから、今度一杯飲みながら。私はこれから別の用事もありますし。

ギョンミン : (サンウ見る) 分かりました。お疲れ様です。


#放送局食堂

(ギョンミン、セア、オソク、座って食事する。)

ギョンミン : どうでしたか?リーディングは。

セア : 特別引っ掛かる事はないんですが、それはそれで退屈ですね。

ギョンミン : ...台詞...シナリオはそのままにする事を望みますか?

セア : どうしたんですか?気に入らないところがありましたか?

ギョンミン : いえ、そうじゃなくて...撮影に入ると、現場でちょっと修正される事があるんですよ。今日のリーディングは、おそらく俳優たちによるキャラクター分析が不十分なまま終わると思うんです。退屈でしょう?

セア : はい...

ギョンミン : まだ配役に色が十分に加えられていないんです。午後のリーディングの時に注文してみます。見て、気付いた事があったらおっしゃってください。

セア : (ため息をつく)そうですね。

ギョンミン :(セアを見て箸を上げ、オソクに) 次のリーディングの日程は?

オソク : 一週間後に取りました。

ギョンミン : (オソクを見て) もっと早めるんだ。 余裕ぶってる時間はない!

オソク : (頭を下げる) はい...。スケジュールを確認して取り直してみます。

セア : (そんな二人の姿を見てぎこちない)...


#午後、ドラマ局会議室

オソク : (皆に大きい声で) 次のリーディングの日程はまたご連絡致します。今週の内にするつもりですから、必ず確認してください。

(俳優たち、立ち上がって出て行く。ギョンミン、シナリオを揃える。セア、椅子にもたれて座っている。)

ギョンミン : お疲れでしょう?

セア : (笑う) はい...

ギョンミン : 早く帰って休んでください。会議は明日します。今日は御苦労様でした。

セア : (名残惜しい) 疲れている時はよく眠れないものですけど...

ギョンミン : ?

セア : 夕食はどうされます?

オソク : (二人の様子をうかがう) あの、監督。

ギョンミン : 何だ?

オソク : 局長が夕食の時間をちょっと空けておけと言ってたんですが。

ギョンミン : 局長が?どうして?

オソク : 詳しい事は分かりません。8時までに来いと..

ギョンミン : そうか。分かった。

セア : (立ち上がる) お疲れ様でした。明日お会いしましょう。

ギョンミン : はい、お疲れ様でした。

(セア、出て行く。)

オソク : ユン作家、さようなら。

(会議室のドアが閉まる。ギョンミン、電話を取り出す。)

ギョンミン : 局長、イ・ギョンミンですが...

オソク: (驚いてギョンミンから電話を奪う) 監督、ちょっと待ってください。

ギョンミン : (荒唐な) 何だ?

オソク : (困った表情。局長に) 局長、何でもありません。監督が間違って掛けたので。(電話を切る)

ギョンミン : 何するんだ!

オソク : (罪を犯した表情) 違うんです。(電話を下ろして)

ギョンミン : (目細く開いて)違う?

オソク : (頭を下げる) 局長は何も言っていません...

ギョンミン : 何?嘘なのか?何でだ?

オソク : ...

ギョンミン : 何なんだ?

オソク : (決心したように) 監督を守れと言うんです。タジョンさんが..

ギョンミン : 俺を守る?どういう事だ?

オソク : その...監督の周りにいる女性たちに用心しろと...ソ作家以外の誰も接近させるなと..

ギョンミン : (荒唐な。笑いを堪えて) 何か?それは俺に仕事をするなという事か?

オソク : そうじゃなくて、二人きりになる事は何が何でも阻止しろという事で...

ギョンミン : (頭を下げて笑う) まったくもう...。この師匠にしてこの弟子だな...


#ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウンの机にコーヒーカップ)

ヨンウン : (コーヒーカップを手に取るが、空なので) 私にコーヒー!

(コーヒーカップに何かが満たされる。ヨンウン、思わず飲んでから、面喰って頭を上げる。)

ヨンウン : (神経質的に) コーヒーが入ってる?..(目の前にギョンミンが立っている)...あ..(呆然とする)

ギョンミン : (怒ったように) 食事はした?

ヨンウン : (あわてて) あ...うん...食べたかしら?

ギョンミン : 着替えろよ。

ヨンウン : え?

ギョンミン : 食事しに行くから着替えろ。

ヨンウン : (困って) そんな時間ないわ。今は仕事をしなくちゃ。

ギョンミン : (ヨンウンを見てため息をつく) じゃあ、ちょっとだけ休め。

ヨンウン : (つんとする)...今書かなくちゃならないの。

ギョンミン : どの位掛かるんだ?

ヨンウン : 分からないけど...3時間くらい...?

ギョンミン : (頭を下げてヨンウンの胸を揺り動かし、ヨンウンの頭を持ち上げて) 俺を心配させて面白いか?

ヨンウン : だから...なんで仕事中に来るのよ。見なけりゃいいのよ。

ギョンミン : (ヨンウンを睨んで) 俺が本当に怒る前に食事しろ。

ヨンウン : (いじけて)分かったわよ。(つんとした顔) どこに行くつもり?

ギョンミン : どこにも行かないよ。ここで食べよう。

ヨンウン : (口を突き出して) もう...。ミジュ~! 食事にしましょう!

ギョンミン : ミジュさんは帰ったよ。

ヨンウン : え?いつ?

ギョンミン : (食卓の方へ行く) 俺が帰した。ついさっき。

ヨンウン : じゃあ、ご飯を炊かなくちゃ。

ギョンミン : ご飯は炊いておいたし、おかずも揃ってるし。座れよ。

ヨンウン: (食卓を見て) あら?いつの間に?ミジュがやっておいたのかしら?

ギョンミン : (茶碗にご飯をよそい) ご飯は俺が炊いた。おかずと吸物はお母さんからもらって来たし。

ヨンウン : お母さん?誰のお母さん?

ギョンミン : チャンモ様【妻の母の事】だよ。座って。

ヨンウン : (食卓に座る)これ、監督が調えたですって?本当に?

ギョンミン : 既に出来ている物を並べただけだ。何か難しい事があるか?

ヨンウン : (ギョンミンを見てクスクス笑う) ありがとう。

ギョンミン : さあ、食べて。(スプーンと箸を渡して) さあ。

ヨンウン : (スプーンと箸を持ってギョンミンだけ見る)...

ギョンミン : どうした?

ヨンウン : 会いたかった...

ギョンミン : (一方の口角を上げて)会いたかったって...俺が来た事も分からなかったくせに...

ヨンウン : (舌を出して) それでも会いたかったんだもん。

ギョンミン : (笑う) 分かってるよ。だから来たじゃないか。

(ヨンウン、幸せな笑い。二人幸せな夕食時間..)






(原作出処:sonkhj1116さんのブログ



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