第21話OnAir~シーズン2・第21話~#安眠島撮影現場、夕方 (食事時間。ギョンミン、ヨンウン、タジョン、セア、座って食事する。) タジョン : (スタッフの面倒を見るオソクに) オソクさ~ん、早く来て食事しましょう。(顔をしかめてヨンウンに) 現場に来てみると、オソクさんが一番忙しそうなんですよ。(ギョンミンを横目で見て) 正直言って腹が立ちます。 ヨンウン : (困り果てた笑い)... ギョンミン : (タジョンに申し訳ないという笑い) そもそも助監督は一番忙しいんです。オソクは本当によく働いています。(オソクに) オソク!早く来て食事しろ!奥様が心配するぞ。 オソク: (頭を掻きながら来て、きまり悪そうに) はい... ヨンウン : (笑いながら見ていたが、オソクに) 御苦労様。 オソク : いいえ...監督に比べれば、どうって事ないですよ。監督は今日は一睡もしないで働いているのに...(しまった!) ギョンミン : (オソクを横目で見る) ... (ヨンウン、腰を伸ばして知らんぷり。タジョン、ヨンウンをじろじろ見る。セアは反応せず。) #夜、安眠島、ヨンウンの車の前 ギョンミン : 気を付けて帰れよ。 ヨンウン : (ギョンミンを見て) うん...(名残惜しそうに) 私、間違ったみたい。 ギョンミン : 何を? ヨンウン : 明日来れば良かった。早く来過ぎちゃった...。(ギョンミンを見て) ジョーカーを早くに使ってしまったゲームみたいだわ... ギョンミン : (笑う) ... まだドラマは始まってもいないのに。俺たちの姿...傍から見たら笑えると思わないか? ヨンウン : (ギョンミンを睨む) ん?...(笑う) 笑える....? ギョンミン : (ヨンウンの頭を傾かせて深呼吸する。) 運転気を付けて...(名残惜しい目つき) ヨンウン : (頷く) 分かった。(ギョンミンの目を見て) 行くわ。 (ヨンウン、車に乗る。ギョンミン、車のドアを閉めてやる。タジョン、既に助手席に乗っている。) タジョン: お二人とも...何ですか、牽牛織女ですか?哀切で見ていられないですよ、ホントに。 ヨンウン : (タジョンを睨む) ちょっと! タジョン : あらまあ。 あの目を見て!監督にもあんな目で睨む事はあるのかしら? ギョンミン : (笑う) タジョンさん、俺も...あの目は知ってます。最近あんな目で俺を見る事があるんです。 ヨンウン : あ...それ、言わないで... ギョンミン : (ヨンウンが可愛い。明るく笑って) 行けよ。これ以上遅くならないうちに。 ヨンウン : (ギョンミンを横目で見て可愛らしく笑い) 行くわ。 (ヨンウン、車を出発させる。ギョンミンとオソク、行く車を見守る。) #ヨンウンの家 ヨンウン : (玄関を入る) ただいま~。 オキシム : お帰りなさい。今日はちょっと遅かったのね。 ヨンウン : はい...。(申し訳ない。) こんなに遅くまでいてもらって申し訳ありません。昨日は家にも帰れなかったし... オキシム : 何かあったの?昨日の夜、ギョンミンから電話があったのよ。 ヨンウン : 監督が?いつですか? オキシム : 10時にはなっていたかしら...多分。チュニのママは今日は帰って来れないから、私にチュニと一緒にいてくれって。 ヨンウン : (ギョンミンがありがたい。)そうだったんですか...。何でもありません。ただ、仕事がちょっと滞ていたから...。チュニは? オキシム : 寝たんじゃないかしら? ヨンウン : もう遅いでしょう?今日はここで休んでください。 オキシム : いいえ。家に帰らないと。ギョンミンが戻った時に着替える服も準備しないとならないし... ヨンウン : はい...申し訳ありません、お母さん。 オキシム : 何が?あなたは働いているんだから。気を使わないで仕事をして。チュニは私がちゃんと面倒を見るから。 ヨンウン : (頭が上がらない。) 本当にありがとうございます、お母さん... #チュニの部屋 (ヨンウン、ドアを開けて入って来る。ベッドに腰かけて眠ったチュニを見て、じいんと熱くなる...) "ママ..." ヨンウン : うん?... 寝てなかったの? チュニ : ...(目覚めてヨンウンを見る) ヨンウン : ママ、最近またチュニを寂しがらせているでしょ? チュニ : ママ... ヨンウン : 何? チュニ : どうしてお婆さんがオモニなの? ヨンウン : え? チュニ : お婆さんの事。ママ、元々はアジュマと言ってたでしょ。 ヨンウン : (戸惑って) あ...そうだったけど...。ママの友達もオモニだし、ヘギョンアジュマもチュニにとってはオモニだし、 チュニ : ...もういいよ。おやすみなさい...(寝返る) (ヨンウン、気遣わし気にチュニの肩を見る。) #金曜日朝、ヨンウンの仕事部屋 (ヨンウン、入って来る。) ヨンウン : 何か連絡は来てない? ミジュ : あ...10分前に電話があったんですが、また電話するという事でした。 ヨンウン : そう。 (電話が鳴る。) ヨンウン : 私が出るわ。(受話器を取って)もしもし? キジュン : あ、俺。到着したよ。 ヨンウン : (時間を見て) ちょっと休んでたところだけど...すぐにそっちへ行くわ。 キジュン : そうか。そうやってすぐに来ようとするところを見ると...俺の事が気になるんだな? ヨンウン : (内心申し訳ない) 気にならなかったと言ったら寂しい? キジュン : ...何だ?.. 本当に気にならなかったのか? ヨンウン : (笑う) いいえ。気になってたわよ。 キジュン : まったくもう...。そうだよな、昔の男の何が気になると言うんだ...。俺は馬鹿だよ。 ヨンウン : あれ?スンアさんはそばにいないみたいね。 キジュン : スンア?まだ寝てるよ。 ヨンウン : (微笑む) 今日のスケジュールはどうなってるの? キジュン : 1時からインタビューがあるんだ。5時からは舞台挨拶があって... ヨンウン : 来るなり大変ね。 キジュン : だから一日早く来たかったんだけど。 ヨンウン : いつ会える? キジュン : うーん.... 明日...明日も難しいな...。日曜日の夕方なら時間があるけど。 ヨンウン : そう?良かった~。ギョンミンさんも、その前だと難しいと思うから。 キジュン : (唖然として) おい!ソ・ヨンウン。 ヨンウン : 何? キジュン : 今やスケジュールまでイ・ギョンミン基準なのか?まったくもう... ヨンウン : (笑う) キジュンさんは逆よね。キジュンさんは...オ・スンア基準でスケジュールを取らないとならないから。 キジュン : (ため息) ...俺は内助は諦めたよ...。イ監督がうらやましい、本当に。 ヨンウン : (笑う) 実はギョンミンさんも...内助は諦めたって。私は子供だからって...(ギョンミンの考えにまた笑いが滲む...) #夕方、ヨンウンの家 (食卓に座ったチュニとオキシム。オキシム、チュニに魚の身を取ってやる。) チュニ : お婆さん。 オキシム : (首を上げて)うん? チュニ : ギョンミンおじさんはお婆さんの息子さんなの? オキシム : (びっくり!!) うん? チュニ : (淡々と) そうなの? オキシム : (認める)うん.....。どうして分かったの? チュニ : (箸を持ち上げて) ただ分かったの。 オキシム : (チュニを見る)... (チュニ、何事もなかったかのように食事する。オキシム、そんなチュニが心に引っ掛かる。) #劇場 (俳優舞台挨拶。スンア、少し上気して舞台の上に登って来る。観客たちの歓呼の声。拍手音。フラッシュが光る。) スンア : (明るく笑う。) こんにちは。オ・スンアです。忘れないでいてくださってありがとうございます。もう皆お分かりでしょうけど、今度の映画に私の分量はいくばくもないです。それなのに、こんなに応援に来てくれて感謝します。幸せです。 (キジュン、舞台のそばでスンアを見て満ち足りている。) #ヨンウンの仕事部屋 (ヨンウン、机に座っている。ヘギョン、ソファ-の背に腰掛けている。) ヘギョン : (ヨンウンの様子をうかがって) 大丈夫? ヨンウン : (首を上げて、変わった状況はないというように) うん?何が? ヘギョン : ...あんた、おととい帰って行った時は死んだような顔をしてたでしょ。 ヨンウン : (かすかに微笑む) そうだった? ヘギョン : だけど...今は何ともないようだね。秘訣は何?一瞬で生き返った秘訣。 ヨンウン : (笑う) それを言うとオンニはまた口を尖らせると思うけど。 ヘギョン : ...イ監督が来たの? ヨンウン : (ほほ笑みを浮かべる) うん... ヘギョン : やれやれ...。イ監督という言葉が出て来るだけで死ぬほど嬉しそうになるんだから。.... ヨンウン : (恥ずかしさを努めて隠し、口を尖らせて) 私がいつ? ヘギョン : ほら!口が耳の下まで裂けるほど笑ってる。 (ヨンウン、持て余すほど幸せな目と口元を、頭を下げて隠す。) ヘギョン : (ヨンウンを眺める) ...それで...? 何だったの? ヨンウン : (怪しんで) 何の事? ヘギョン : いえ、何事もなかったと思う事にしたのかと... ヨンウン : (しばらく考えて) 事実、何事もなかったんだけど。 ヘギョン : そう...。それは良かった。 ヨンウン : ..... ヘギョン : ..... ヨンウン : (視線を下げ、ゆっくり口を開く。) 実は...心細かったの。誰かがソ・ヨンウンの忘れた姿を記憶に盛っているという事も...望まない関係が作られるような事も...それがもしかするとその人を傷付けるかもしれないという事も..。 (にっこりと笑って) ところがね。 ヘギョン : ところが...? ヨンウン : ところが、その人が (微笑む) 見せてくれたの。本当に重要な事は何かとか、だまされてはいけない事は何かとか.. ヘギョン : 誰?イ・ギョンミン監督が? ヨンウン : 他に誰がいると言うの? ヘギョン : (にっこりと笑って) 誰って、それは...。(息を吐き出して)あの日、イ監督から電話が来たのよ。 ヨンウン : (意外そうに) そうだったの?彼が? ヘギョン : 電話があって、あんたに何かあったのかと急き立てるのよ..。私、手が震えたわよ。イ監督は元々ちょっと怖いところがあるでしょ?. ヨンウン : (笑う) オンニ、アガったの? ヘギョン :.... まるで私が罪人みたいだったわ...いえ、まあ...罪が全然無いわけでもないけど。 ヨンウン : 苦労したのね。 ヘギョン : だけど結果が良かったから、苦労した甲斐はあったわ。 ヨンウン : ありがとう、苦労してくれて。 ヘギョン : まったく...恋愛してるのはあんたなのに、何で私がこんな目に遭うのよ。 ヨンウン : (笑う) ごめんね。 ヘギョン : それはそうと...明日ユンPDに会いに行くのよ。 ヨンウン : ユンPD?今どこにいるの? ヘギョング : 実家の方で休んでるんだけど...まだしばらく休ませないとならないかもしれないし...。どうしてるのか気になるしね... ヨンウン : ....朝行くの? ヘギョン : うん。そうしないと。 ヨンウン : ...一緒に行こうか? ヘギョン : そうしてくれる?あんたが一緒に行ってくれたら、私も少しは気持ちが楽だわ。 ヨンウン : それじゃ、そういう事で... (原作出処:sonkhj1116さんのブログ) |