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いなかの猫の天邪鬼部屋

第31話

OnAir~シーズン2・第31話~


#式が終わってレセプション中

ギョンミン : いつまでいなけりゃならないんだ?

ヨンウン : 疲れたわね.. もう帰る?

ギョンミン : ああ...

ヨンウン : ちょっと...(立ち上がる)

ギョンミン : どうした?

ヨンウン : (そっと笑って) 何を聞くのよ~。

ギョンミン : (にっこりと笑う) 分かったよ。


#大会場の女性用トイレ

(ヨンウン、用を足して出ようとする。)

(外で声が。)

" 見た?ユン・セア.."

ヨンウン : (ビクッとする)....

女 1 : 綺麗なことは綺麗だったわよ。

女 2 : あの程度じゃ..。最近はあれより綺麗な子がいくらでもいるわ。お直しすればあれくらいには...

女 1 : 聞いた話だと自然産みたいだけど.... 大勢の男を泣かせているでしょうね。

女 3 : (にっこりと笑う) ....それが何?

女 !: え?

女 3 : 不必要な大勢の男を泣かせて何になるの?自分の男を捕まえなくちゃ。

女 2 : いないの?男...

女 3 : 聞いてない?

女 2 : 何の話?

女 3 : 今度の新しいドラマのPDとの間であった事よ。

女 1: 何?誰...? イ・ギョンミン ????

女 3 : そう。...でも蹴られたって。

女 1 : そうなの?そりゃ...イ・ギョンミンはソ・ヨンウンの男だから....

女 2 : だけど...何かが...あったんでしょ?

女 3 : そこまでは知らないけど...。ユン・セアが途中で文を書けないと大騷ぎしたみたい。

女 2 : どうして文を書けないの?

女 3: イ・ギョンミンと寝たとか....だってね...何もないのにあんな騒ぎになる?放送を何だと思ってるの?

女 1 : あら..イ・ギョンミン、笑わせる.... 二股だったの?

女 3 : (にっこりと笑う)...だけど..あるじゃない....。私は遊びでもいいからイ・ギョンミンと一度寝てみたいわ...

ヨンウン : (体が震える)......

女 1 : ...イヤなものですか。...私も。

女 2 : そうそう。実は私も...

(からからと笑う女達。突然ギクッとする。)

(" トイレでもシナリオを書いているとは知りませんでした。共同作業中ですか?"- セアの声。)

ヨンウン : (出ようとしたが、はたと )...?


#洗面台の前

(女3人がきまり悪そうに立っていて、セアがその間にドアを開けて出て来る。)

セア : トイレが伏兵だという事を忘れましたか?よく出る場面なのに...。シナリオ作業は作品活動の時にこそするものでしょう?ドラマを書き続けていると、現実とドラマの区別がなるのでは?作家がこんなふうで、韓国の発展はありますか?(見る) 願わくば、ドラマを書く時は、企みを持って書いてください。...汚くて、誰が見ますか?このドラマを...

女 1 : (興奮する) 何よ?たかが噂話じゃないの。

セア : 今あなたたちは、言葉を使って話を作っている。汚い話を。

女 2 : ああ~、ユン・セア。本当にタチが悪いわ。いちいち食い付いて来るんだから。

(角のドアが開く。セア、見て固まる。女達が振り返る。ヨンウンが青白い顔で立っている。)

(女達、困ったようになって出て行く。セア、静かに寂しい目でヨンウンを見る。ヨンウン、沈んだ目でセアを見る...)


#大会場の外の窓辺

(ヨンウンとセア、立っている。)

セア : 誤解しないでください。あの女たち言葉 ...御存知でしょう...?

ヨンウン : (セアを見る) ...全部は信じません。

セア : (遠くの地面を見る)....

ヨンウン : ...そんな事があったんですか?

セア : (頭を上げる)え..?

ヨンウン : 作業が出来ないって...

セア : (視線を回す) 少しの間です...。ただ文が上手く書けなくて...

ヨンウン : (セアを見る)....

セア : .......(手が震え、涙ぐむ)....

ヨンウン : !!!......

セア : (ヨンウンを見る) そうです....私はイ・ギョンミン監督が好きでした。ソ・ヨンウン作家がいると分かっていても.. 好きになりました。

ヨンウン : (驚く)...

セア : 今も好きです。...馬鹿みたいだと思いますが...。思いどおりになるわけがないのに...

ヨンウン : (目つき搖れる).....

セア : (ヨンウンを見てすまなそうに)...こんな事を言って申し訳ないという気持ちもあるんです。だけど....

ヨンウン : (セアを見る) .....

セア : 不公平だと思います。...もしも..私が先に出会っていたら...あなたより私に先に出会っていたら...そうだったら...(声震える)

ヨンウン : .....(目を閉じてため息)...

セア : .....

ヨンウン : (静かに).... もしもは .... 常に.. 数万種もあります...

セア : ??....

ヨンウン : (やや苦そうに) 惜しい瞬間には常にもしもが存在します.....。(頭を上げながらセアを見る。) 大変だった時がありました。その時の前の数万種類のもしもを考えました。...もしもこうだったら、もしもああだったら...もしも....。(息をつく。) だけど.. 何も変わりませんでした。現実はいつもそのままで、私をあざ笑っていました。

セア : (目つき搖れる)...

ヨンウン : (セアを見る) 今私が得ている事が正当だとは言いません。彼は...私には過分です。でも彼はいつも私だけを見てくれます.....。(口元に穏かなほほ笑み) だから私は.. 彼を神様が下さった贈り物だと思っています。私が当然享受すべきものではなく...ただ受けた贈り物です...。そんな点ではユン作家にはすまなく思います。もしかしたら今の言葉のとおり、立場が後先になることもあり得たんです。でも...それは何の意味もない仮定です。何も変える事が出来ない蜃気樓です...。(セアを見る) 今私が言ってあげられる言葉は ....ただ現実の中で最善を尽くしなさいという事です。愛にも仕事にも、最善を尽くして下さい...。(遥かな目つき) 他のもしもが懐かしくないように....

セア : (涙が落ちる)....

ヨンウン : (額を触る) ちょっと乱れてるわ...。(深呼吸) また会いましょう...(ヨンウン、後ろ向きになって歩いて行く。)


#廊下の間でヨンウンを捜すギョンミン。遠くにヨンウンを発見し、近付く

ギョンミン : どこにいたんだ?あまりにも戻って来ないから倒れてでもいるのかと思ったじゃないか。

ヨンウン : (微かなほほ笑み) 戦地に...

ギョンミン : え?どこ?

ヨンウン : (ため息) そういう所よ...

ギョンミン : (ヨンウンの顔を観察する) 顔色が悪いな...早く帰ろう...

ヨンウン : (ギョンミンにもたれる) うん...疲れたわ...


#窓辺

(セア、微動だにせず立っている。ずっと後ろを向くと、サンウが壁にもたれて立っている。)

セア : (はっとする) またあなたなの?

サンウ : また..私ですね。

セア : 私に関心があるんですか?

サンウ : (セアを見る)....

セア : (立ち去ろうとする)...

サンウ : イ・ギョンミン監督でしたね、その人とは...

セア : (前だけ見て) 忘れないんですね。 記憶力が良くて...マナーはないんですか?

サンウ : 私は忘れるとは言っていませんよ。

セア : (振り返る) 言葉遊びをするのは気持ち良くないです。...失礼します。(歩を進める)

サンウ : ユン作家と似た目を持った女を...知っています。

セア : (ぴたっと止まる)...

サンウ : 愛に命をかけた馬鹿な女でした...

セア : ...

サンウ : ....馬鹿みたいに死んでしまって、何も出来なくなってしまいました...

セア : ...

サンウ : 生きていれば、敗者復活戦でも復讐でも出来るじゃないかと、墓まで追い掛けて言ってやりたかったです...

セア : (振り返る) どうしてそんなことを言うんですか....?(にっこりと笑う) 私が死ぬとかするように見えますか?

サンウ : いいえ。常に叫びたかった愚痴です。....酒のグラスを受けてくれたのだから、この程度の事は聞いてくれてもいいんじゃないですか?

(セア、ため息をついてサンウを見てクスッと笑う。サンウ、セアに従ってクスッと笑う。壁にもたれた二人、互いにあきれて笑う。)


#ヨンウンの車

(ギョンミン、ヨンウンにベルトをしてやる。)

ヨンウン : (そんなギョンミンを見てため息をつく)....

ギョンミン : (ヨンウンを見る) どうした?体が辛いのか?

ヨンウン : (分からない目でギョンミンを見てから) ああ....あなたを...どうしたら?

ギョンミン : (怪しげな) 何の話か..

ヨンウン : (ため息) 山越えまた山だわ、本当に....

ギョンミン : 分かるように話して。

ヨンウン : (ギョンミンの顎を引いて口付ける)....ハンコよ。

ギョンミン : (笑う目) 何のハンコ?

ヨンウン : イ・ギョンミンはソ・ヨンウンのものだ。誰も手をつけるな。眺めるな。夢も見るな。

ギョンミン : (にっこりと笑う) そんなハンコを、他人が見て分かるか?

ヨンウン : (頷く) ええ、分かるわ。分かって欲しい...

ギョンミン : (口元にほほ笑み) これじゃ弱いな...

(ギョンミン、ヨンウンの目を見て唇を持って行く。長い長いキス。ヨンウンの首に降りるギョンミンの唇。ヨンウンの呼吸が速くなる。スカートをギュッと握り...)

(上気したギョンミン、唇を離してヨンウンの目を見る。ヨンウン、やはり上気した顔ではにかむようにギョンミンを見る。)

(ギョンミン、座り直して車を始動させる。ヨンウンにウィンク。ヨンウン、ギョンミンを見て幸せな微笑滲む。)






(原作出処:sonkhj1116さんのブログ



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