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一 夢 庵 風 流 日 記

特別会計~日記より転載~

  < 2005・10・16~10・21 日記より転載 >

  特別会計の財源を簡単に書くと

   ・一般会計からの繰入れ
   ・特定財源(税)
   ・その他の収入(授業料、産業投資配当)
   ・財政投融資資金

  と箇条書きできる、では少し噛み砕いて説明しよう。

  特別会計は現在31種類、特別会計とは受益と負担の対応関係がハッキリしたものである。
  そして特別会計額は年間412兆円! 一般会計の何倍か? 
  これは「一般会計とは」を参照。

  受益と負担という仕組みをさらに簡単にするために、ここで例を出そう。

  ガソリン税というものがある、これは「揮発油税」と「地方道路税」を合わせたものをいうのだが、
  目的税と認識していただきたい。
  目的税とはあるハッキリした目的のための徴収税だ、街を走っていると
  「この道路はガソリン税で建設されています」という小さな看板を見つけることができる。

  つまり「ガソリン税⇔道路建設」という受益と負担の関係がはっきりしている、
  これが目的税であり特別会計として計上されるものなのだ、
  ガソリン税は道路整備特別会計に組み入れられている。

  特別会計31種類は以下の通り、
  交付税及び譲与税配付金特別会計 国債整理基金特別会計 電源開発促進対策特別会計 
  石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計 財政融資資金特別会計
  外国為替資金特別会計 国有林野事業特別会計 地震再保険特別会計 
  厚生保険特別会計 船員保険特別会計 国民年金特別会計 労働保険特別会計 
  農業共済再保険特別会計 森林保険特別会計 漁船再保険及漁業共済保険特別会計
  貿易再保険特別会計 国営土地改良事業特別会計 道路整備特別会計 治水特別会計
  港湾整備特別会計 空港整備特別会計 登記特別会計 特定国有財産整備特別会計 
  国立高度専門医療センター特別会計 食糧管理特別会計 農業経営基盤強化措置特別会計
  特許特別会計 自動車損害賠償保障事業特別会計 自動車検査登録特別会計 
  産業投資特別会計 都市開発資金融通特別会計。

  
  ここでまたまた例を出そう、タバコ税なんかはどこにいってるのか?
  270円のたばこの場合、国たばこ税 62.52円 23.2%、
  地方たばこ税 78.92円 29.2%、消費税 12.86円 4.8%、
 たばこ特別税 16.4円 6.1%
  2400億円前後
が 特別会計の『国債整理基金特別会計』に一旦入り、
  国鉄清算事業団の債務返済に当てられている。わかりにく~い・・・
  それよりも国鉄債務返済がま~だ続いてるのだよね。
  結局、タバコを吸ってる人は国鉄債務返済のために税金を強制的に払わされているわけだ。

  電源開発促進税なんかは、各家庭が払っている電気料金に含まれている
  (引き落としで気にしない人も多いかも)、これは電力開発建設などに使われている。
  が!原発HPには毎年3億円の予算が組まれている・・・HPに3億円って。
  まあ発電所自体が飽和状態で建設予定も少なく金余り状態だからなんだが。

  ここまでで形式上は「目的税→特別会計→目的とされていた事柄や物への投資」という
  バランスが平衡であるとわかったと思う。
  しかし、この特別会計というものは各省庁が独自に算出して請求することが出来るのだ、

  例を出そう。

  社会保険庁が
  「あのさあ、温泉つきの保養地つくりたくないか?」
  「いいね、いいね、じゃあ10個くらいつくっちゃおうか」
  「思い切って20個いこうぜ!」「おう!」・・・
  こんな感じで箱モノをつくったりしていたのだ。

  国土交通省が
  「いやあ、でっかい道路つくりたいねえ」
  「でもあそこは採算取れないですよ、それに必要な県は他にありますから、こっちにまわしましょうよ」
  「何言ってんだ、あの県とは約束してるだろ、でっかいのつくってやれよ」
  「いやあ、でも採算が・・・」
  「仕様がねえなあ、じゃあ2つ通しちゃおう」・・・ポカ~ン。


  まあ、それでもプラスマイナスがゼロ以上ならば、それでいいわけだ。
  し・か・し、そうは問屋が卸さない。


  前回、特別会計は省庁が勝手に予算を立てられると書いた。
  箱物をつくるときも採算がゼロ以上という予定で予算を立てる、これはどこも一緒だ、
  
  ではお金はどこから出るのか?

   これが「財政投融資資金」=簡保、郵貯などなのだ。

  話は反れるが、今回の郵政民営化はこの財政投融資資金の悪い流れを
  ストップさせるのが大目的、これを理解していない人が結構居たりする。
  これについては結構以前から書き続けているのでここでは省く。

  話を戻して、特別会計がゼロ以上の採算が取れない、つまり赤字だったら・・・
  私たちの郵貯を使ってモノをつくる、しかし採算が取れない=赤字
  郵貯は目減り、さらに赤字部分は上記の通り「一般会計」からも繰り入れる。
  
  一般会計に赤字がまわってくるのだ!

  はっきりいえば、省庁は私たちの郵貯を借りて、それをあとで返還する。
  これが財政投融資資金であり、返せなければ焦げ付き=目減り。
  新聞などで、いま国民が一斉に郵貯を下ろすことは出来ないと言われるのは
  こういうことなのだ、つまり私たちの郵貯・簡保は土地、建物、道路、国債などに使われていて、
  郵便局自体にはお金はない・・・。

  さてさて大分、無駄な箱モノつくりや公共事業が問題だと言われている
  理由が見えてきたのではないか。

   一 →→→赤字補填可→→→ 特
   般                  別
   会                  会 
   計 ←← 赤字補填不可←←  計 


  前回話したが、特別会計にどんなに余剰金が出来ても一般会計には回せない。
  逆に特別会計の赤字は一般会計から穴埋めされている。

  これはなぜか?

  特別会計の意義が理由だ、パート1で書いたとおり受益と負担がはっきりした関係である特別会計、
  道路目的のために道路使用者から貰っている目的税を他にまわしてよいのか?
  ここがネックになっている。

  つまり受益と負担の関係が崩れれば、
  ある人間が税金を多種目支払わされるという不平等な国家になってしまうということだ。

  しかしながら一般会計の項で書いたが、母屋が火の車なのに、緊急的にも
  この制度を見直せないというのはおかしな話である。
  特別会計を使える省庁は、国家が火の車なのに危機意識もなく接待、箱物などに
  いまだに予算を計上し、殿様気分の暮らしっぷり。
  赤字は赤字なので、そのしわ寄せは一般会計、政府が被ることになる。

  ここまでくるとすでに知っている人や、勘のいい人なら気づいたと思うが
  一般会計の赤字って、誰が最終的に被ることになるのか?
  国民である、だから増税が必要とか言い出しているのだ。


  パート2で書いたように余剰金が出ている省庁がすでに存在している。
  そこのお金を一般会計にまわせれば、消費税やサラリーマン増税などを
  しなくてもいいのではないか? 普通にこう思うわけである。

  是に対しては小泉首相ははやくから特別会計→一般会計を提言しており、
  省庁の抵抗がありながらも進めようとはしているのかもしれない。

  消費税増税は必要だ、これは社会保障費が年々上昇するからである。
  これは仕方ない、先進国が福祉国家を目指すのは当然であるし、
  人という観点からも当然予算を計上すべきだからである。

  しかし、まず余計なお金を見直しなさいと、使えない制度を打破しなさいと言いたい、
  その部分にメスを入れないで適当に増税したってランプの灯火の寿命を少し延ばしたに過ぎない、
  手術が必要なのだ。

  ここで特別会計→一般会計が成されれば、増税は不要と書いたではないかと突っ込まれそうだが、
  それは国の借金700兆、地方の借金300兆、合計1000兆円という限定的な話だからであり、
  実は政府系金融機関の焦げ付きは不明、借金額は天文学的な数字になるとも言われている。


 *前回のお話で郵貯・簡保のことを書きましたが、厚生省は厚生年金、社会保険庁は年金と、
  資金はあちこちにあります。すべて国民のお金なのですが、焦げ付きを出し、
  資産目減りになっています。


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   (2005年12月14日転記)


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