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カテゴリ:「創造する」ということ
トレードオフ(二律背反=あちら立てればこちらが立たぬ)を解決するためのブレイクスルー型の問題解決の実施の手順はおおむね、次のようになる。
■下準備(適切な問題空間と問題の設定) まず、トレードオフを解く問題を自分たちではなく、お客様にとって価値のあるものに絞り込む。 そうすることで問題解決が新市場の開発などに直結するようになる。自分たちの問題にフォーカスしてもせいぜいコストダウン程度の効果に限定されてしまう。(そもそも全てのトレードオフを同時に解けるわけではない) また、この段階で組合せの妙によりトレードオフ同士を相殺して一次独立のトレードオフに絞っておくことも大切だ。トレードオフ問題は一つを解決するとドミノ倒し的に解決してしまうこともあるからだ。 ■(1)自由度の追加 何らかの適切な自由度を追加し、それを活用して不都合な現象が起きる状態やトリガーを回避する。軸、要素、プロセスなどだ。 ただし、自由度追加には一般にコストがアップする。そこで、その次にはコストダウンを行う。 しかし、別に追加した自由度自体のコストを下げなくても良い。どこか別のところのコストでも良いから削減し、全体としてコストが許容限度を超えないようにする。そうすれば、その方法は採用することができる。 ■(2)問題の再設定 しかし、ここまででは効果が少ない場合も多い。そこで、効果が不十分な場合に、(2)問題の再構築を試みる。いわゆる発想を転換して別の視点から問題を解けるように再設定するのである。 大胆な組み換えによって問題そのものを自分に有利に書き変えてしまうことだ。ブルーオーシャン戦略もこれに近い考え方だと思う。 これができると効果絶大だが、しかし常にできるとは限らない。逆に、(2)を先にやってうまくいかない場合に(1)をやるという順序でも良い。 ■統合と選択 日本企業のカイゼンは(1)が中心、米国企業のイノベーション型のビジネスモデルは(2)である。つまり、これらには一長一短。だから、これらの解決策全体を検討し、短期・中期・長期のシナリオを組み立てて、最も適切な解決策の戦略的シナリオを構築することだ。 日本的経営か、米国式経営かという二元論ではなく、それらを超えた最強のグローバル企業は、この両方を何らかのカタチで兼ね備えている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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