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新興国(BRICs、VISTA、ネクスト11等)投資情報レポート [全267件]
今日のまとめ
相次ぐ米銀による中国の銀行株の売却 このところ米国の金融機関がいままで持ち合ってきた中国の大手銀行の株式を処分するという発表が相次いでいます。 「中国の銀行に何か悪い事があるのかな?」 そんな風に怪訝に思っている読者も居る事でしょう。 結論を言えばそれらの株式売却は中国の銀行に問題があるというよりも、株式を手放す米国の金融機関の側に問題があります。 欧州周辺国のソブリン債が売られている相場環境で、万が一の時のためリスク資産を減らし、中核的自己資本比率を引き上げる必要に迫られた金融機関が必要に迫られて株式の持ち合いの処分の決断を下したというわけです。 このタイミングでちょうど国際通貨基金(IMF)が先日、中国の金融システムの安定性に関する報告書を提出しました。 良い機会ですのでそこで論じられている事の要点をかいつまんで紹介したいと思います。 進歩した中国の金融セクター 国際通貨基金のレポートは先ず中国の金融セクターが近年、その機構面や透明性の面でかなり改善したことを歓迎しています。 従って今後欧州などで金融危機が仮に起きた場合でも、中国の銀行セクターは相対的にしっかりした対応が出来るだろうとしています。 懸念点 それを断った上で国際通貨基金は四つの懸念点を指摘しています。
下は近年の人民元建ての融資成長率を示すグラフです。
上記のリスクを踏まえ、国際通貨基金は中国の17の銀行に関してストレステストを実施しましたが、その結果は合格でした。 住宅ローン市場 中国の銀行セクター全体の総資産は75兆人民元で、そのうち住宅ローンが占める割合は12.7%です。近年、住宅ローンの残高は下のグラフのように伸びてきました。
一般に中国では預金金利が比較的低くても銀行は預金を集めるのに苦労しません。そこで銀行に集まった余資は不動産セクターなどへの過剰投資に回りやすいです。 また資本市場が比較的未熟なため直接金融(=社債の発行など)による企業の資金調達の選択肢は限られています。
これは普段から企業が高い貯蓄をキープするインセンティブとなります。またその際の運用先として規制の緩い非伝統的な高利回り商品に手を出し、それらの商品の流行が資産バブルを助長している面があります。 中国の地方政府は政府所有の土地を担保にLGFP(Local government Financing Platform)と呼ばれる簿外取引を利用し不動産開発を行います。このため公的部門が負っている真の負債の実態は把握が難しくなっています。 最終更新日時 2011年11月18日 14時17分57秒
今日のまとめ
貿易統計 中国の10月の輸出は前年比+15.9%の1,575億ドルでした。コンセンサス予想は+16.5%でした。因みに9月の輸出は前年比+17.1%でしたので輸出のペースは減速したことになります。実際、春節の特殊要因が働いた今年2月を除けば今回は2009年11月以来で最も低い伸び率でした。 一方、10月の輸入は前年比+28.7%の1,405億ドルでした。因みに9月は+20.9%でした。
中国はいわゆる加工輸出型経済です。つまり沢山の素材や原料を輸入し、それを国内で加工、組み立てした後、再輸出するわけです。 この関係で輸入額は将来の輸出額の先行指標となります。 今回、輸出が2009年11月以来の低い伸びだったことで中国経済に対する悲観論が台頭していますが、上の2番目のグラフで見ると赤で示した輸入の前年比変化率は異変をシグナルしていません。 素材の荷動きには要注意 それを断った上で輸入の内訳には或る程度注意を払う必要があると思います。一例として鉄鉱石は9月の6,060万トンから10月は4,990万トンへと減少しています。 10月は粗鋼生産高も鈍化しました。 中国政府の不動産セクターの過熱防止政策が効いてきている可能性があります。 金利政策の方向転換は間近 水曜日に発表された物価統計と今回の貿易統計を総合して判断すると中国がいよいよ利下げに転じる条件が揃ったと思われます。 中央銀行が引締めサイクルから利下げに転じる瞬間は株式市場にとってはチャンスであると同時にリスクも大きいです。 これはどうしてかと言えば未だこの時点では経済がソフトランディングするか、それともハードランディングするか判らないからです。 一般に不動産セクターの活況によって牽引された好景気(=今回の中国もそれに相当します)が減速しはじめた場合、ソフトランディングを演出することは容易ではありません。 以上のことを頭に入れて、余り強気の相場観や極端に悲観的な相場観に凝り固まらず、丹念に経済データをモニターし、必要であれば柔軟に投資戦略を変える心の余裕が必要な局面だと思います。 最終更新日時 2011年11月16日 15時55分0秒
今日のまとめ
物価統計 中国の10月の消費者物価指数は前年比+5.5%でした。これはコンセンサス予想の+5.5%と一致しました。因みに9月は+6.1%でした。消費者物価指数の上昇ペースが鈍化するのは3カ月連続です。 一方、生産者物価指数は+5.0%でした。これはコンセンサス予想の+5.8%を大きく下回りました。因みに9月は+6.5%でした。生産者物価指数の上昇ペースも3カ月連続しての下落となりました。
上のグラフからもわかるように中国の物価は明らかにピークアウトしつつあります。 鉱工業生産 中国の10月の鉱工業生産は前年比+13.2%でした。これはコンセンサス予想の+13.4%を下回っています。因みに9月は+13.8%でした。
今回の数字は2010年10月以来の弱い数字でした。 小売売上高 中国の10月の小売売上高は前年比+17.2%でした。コンセンサス予想は+17.6%でした。因みに9月は+17.7%でした。
利下げへの環境が整いつつある 以上の数字はいずれも中国経済が減速していることを示唆するものです。このため現在の中国の利上げ局面はそろそろ終焉が近いと考えられます。それを確かめるためにも近く発表される貿易統計に注目したいと思います。 最終更新日時 2011年11月16日 15時46分45秒
今日のまとめ
世界の株式市場の似通ったパフォーマンス 下のグラフは世界の主な株価指数の年初来のパフォーマンスです。
ここには新興国、先進国の両方が含まれていますが、大体どの国も同じようなパフォーマンスであることがわかります。 普通、世界の株式市場のパフォーマンスにはもっとバラツキが出るのが自然なのですが、このところの相場はどのマーケットも大体、同じような値動きでこれといった特徴がありません。 これは単なる偶然かも知れませんし、中・長期的な趨勢としてその傾向が強まっているのかも知れません。 BRICsに代表される新興国を投資対象として組み入れる投資家は着実に増えているし、それらの市場の流動性は昔とは比べ物にならないほど改善しています。 さらに個別の国のETF(上場型投資信託)や地域型ETF等、株価指数を簡単に取引できる金融商品も沢山登場しました。 それらの要因が世界のマーケットが似たり寄ったりの価格形成になる事を助長したのかも知れません。 理由はどうであれ、折角、新興国に投資することでユニークな投資成果を得ることを狙った投資家としてはギリシャ問題などの、本来新興国とは余り関係ない相場の材料に振り回される相場展開に少なからずガッカリしたのではないかと思います。 国の信用力という面でも格差が縮まった ギリシャ危機に代表される欧州財政問題はヨーロッパの先進国の国としての信用力がかなり低下してきた事を改めて投資家に思い知らせました。 昔はソブリン(=国が発行体となる投資対象の意味)・リスクと言えばもっぱら新興国を巡る問題を指しました。 ところが過去10年ほどの間に新興国は見違えるほど国としての信用力をUPし、今では先進国と立場が逆転したかのような観すらあります。 先日、ブラジルが10億ドルにのぼる30年債を発行しました。当初5億ドルだけ調達する予定だったのですが前人気がとても高く、急遽発行サイズを倍増したのです。 落札利回りは4.694%でした。 イタリアの30年債の利回りが7%につっかけている事を考えれば私のような古くから新興国を見ている人間にしてみれば「世の中、ずいぶん変わったな」という感慨を禁じ得ません。 つまり新興国と先進国の株価形成が似たり寄ったりになってしまうもう一つの理由は信用力の面で新興国が格段に進歩を遂げたことも関係しているのです。 景気循環的なリスクは増大 製造業がアメリカなどの先進国から新興国へ移転することで新興国と先進国との間での貿易額はどんどん増えています。
このことは新興国の経済活動が昔より緊密に先進国の経済活動に組み込まれることを意味します。 これまでは新興国が先進国の生産者からシェアを奪う事で高い成長を実現できていたわけですが、アメリカの産業の空洞化がここまで完成してくると、もはやシェアを奪うことでの成長は望めなくなります。 それは今後先進国の景気循環的リスクに新興国がより大きく晒される事を暗示しています。 「先進国が不景気でも新興国は独自に成長できる」と言うのがいわゆるデカップリングの議論ですがここ2年ほどの相場を振り返ってみるとデカップリングの発想から新興国への投資判断を下したら大失敗の結果に終わっていたと思います。 最終更新日時 2011年11月7日 19時25分36秒
今日のまとめ
好調なサハラ以南アフリカの経済 アフリカ大陸を論じる際、地中海に面した国々とサハラ砂漠によって分断されたサハラ以南アフリカ(Sub-Saharan Africa)を区別して論じる場合が多いです。 今日はサハラ以南アフリカの近況について解説します。 国際通貨基金(IMF)が最近提出した報告書によると2011年のサハラ以南アフリカのGDP成長率予想は+5.3%、2012年は+5.8%と予想されています。
この地域の経済成長の様子をもう少し詳しく見ると、南アなどの中進国は雇用や鉱工業生産の点で未だリーマン・ショック以前の水準まで回復していません。 その一方で低所得国は高い成長率を記録しています。 中国による積極投資 サハラ以南アフリカ諸国の経済が好調なひとつの理由は中国をはじめとするBRICs諸国との経済面での連携が近年強化されていることによります。 とりわけ中国は近年積極的にアフリカ大陸に投資を行っています。
中国は幅広いセクターに対して投資を行っています。
中国だけでなくインドとブラジルもサハラ以南アフリカとの交易を積極的に拡大しています。このため2010年までに中国、インド、ブラジルのサハラ以南アフリカとの貿易は26%を占めるまでになりました。
いまのところサハラ以南アフリカからこれらの国に対する輸出は石油などの一次産品が中心です。しかし工業製品の輸出も今度漸増することが予想されます。 輸出好調が経済をけん引 サハラ以南アフリカの輸出はリーマン・ショック後、四半期ベースで330億ドルから僅か130億ドルまで落ち込みました。しかしその後急角度で回復し、現在は300億ドル程度まで戻っています。 一方、輸入は同時期320億ドルから180億ドルに落ち込みました。しかし現在は260億ドルまで回復しています。 つまり輸出の回復の方が輸入の回復より著しいのです。 輸出の好調を背景にサハラ以南アフリカの経常収支は健全な状況を示しています。
外貨準備もだんだん改善する傾向にあります。
インフレ抑制が課題 サハラ以南アフリカの目下の課題はインフレを抑え込むことです。 サハラ以南アフリカのインフレ率はリーマン・ショック前に一時14%まで上昇しました。その後7%台に下がっていましたが、再び上昇に転じており、現在は9.4%程度です。
特に食品価格の値上がりが激しいのが気になります。 サハラ以南アフリカのブレンド政策金利はリーマン・ショック前に12%に達しましたが、現在は8%を割り込んでいます。つまり実質マイナス金利になってしまっているわけです。 しかも今回の景気拡大サイクルでは未だ利上げは行われていません。 これはサハラ以南アフリカ諸国の中央銀行の金利政策が後手に回っていると言っても良いでしょう。 特にコンゴ、ギニア、シエラレオネ、ザンビアなどはすぐに利上げする必要があると思います。 最終更新日時 2011年10月25日 14時47分17秒
今日のまとめ
GDP成長率 中国の第3四半期のGDP成長率は+9.1%でした。コンセンサス予想は+9.3%でしたので予想より悪かったです。
今年の第1四半期のGDP成長率は+9.7%、第2四半期は+9.5%ですから次第に成長率が鈍化していることがわかります。 鉱工業生産 中国の9月の鉱工業生産は前年比+13.8%でした。コンセンサス予想は+13.4%でしたので予想を上回りました。因みに8月は+13.5%でした。
上のグラフからもわかる通り、鉱工業生産は極めて安定的に推移しています。 小売売上高 中国の8月の小売売上高は前年比+17.7%でした。コンセンサス予想は+17.0%でしたので予想より良かったです。因みに8月は+17.0%でした。
チャンスとリスクが背中合わせ まとめると第3四半期のGDP成長率こそ市場予想を下回りましたが、その他の指標は概ね安定的に推移しています。 中国政府はインフレを抑制し、過度の不動産投機を冷やすことを目的に利上げを繰り返してきました。従ってGDP成長率が少し下がってきているのは目論見通りの展開であり、歓迎すべき事です。 現在は中国の利上げサイクルが最終局面にさしかかっていると考えて良いでしょう。 利上げが終了する時は株式市場の投資家にとってチャンスであると同時にリスクも大きい時です。 なぜなら利上げを止めた時点では未だ経済がソフトランディングするか、それともハードランディングするかを予測するのは不可能だからです。 若しハードランディングということなら株式は売られます。 これから暫くの間、中国経済の動向に注意したいと思います。 最終更新日時 2011年10月18日 15時29分14秒
今日のまとめ
貿易統計 中国の9月の輸出は前年同期比+17.1%の1,697億ドルでした。コンセンサス予想は+20.3%でした。因みに8月の輸出は前年同期比+24.5%でしたので輸出のペースは減速しました。 一方、9月の輸入は前年同期比+20.9%の1,552億ドルでした。コンセンサス予想は+23.7%でした。因みに8月は+30.2%でしたので輸入のペースも減速したことになります。
今回は輸出、輸入の伸び率ともに市場予想を下回り、ここ2カ月の漸増トレンドに反する結果となりました。
夏以降、世界経済の減速懸念が高まっています。従って、いよいよ中国経済も世界のスローダウンがもたらす影響から逃れることが出来なくなっているのではないか?という懸念が台頭しています。 9月の輸出の鈍化は主に欧州連合(EU)諸国向けの輸出の鈍化の影響です。欧州諸国は今急激に景況感が悪化しているので、これは仕方ないことではないでしょうか? 9月の欧州向け輸出は316.1億ドルでした。これは8月に比べると-7.5%でした。一方、9月の米国向け輸出は301.1億ドルでした。これは8月の300.9億ドルを僅かに上回っています。
物価統計 中国の9月消費者物価指数は前年同期比で+6.1%でした。これはコンセンサス予想と同じでした。因みに8月は+6.2%だったので若干、インフレの上昇ペースが減速したと言えます。インフレの上昇ペースが鈍化するのは2カ月連続です。 一方、生産者物価指数は+6.5%でした。これはコンセンサス予想の+6.9%より低い上昇率でした。因みに8月は+7.3%でしたのでこちらも上昇のペースが鈍化しています。
今回、2カ月連続してインフレの上昇ペースが鈍化したことでいよいよ金融引締めが終わりに近付いているのではないかという期待が出ています。 引き続き注目したいと思います。 最終更新日時 2011年10月17日 13時28分23秒 |一覧| |
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