貧乏亀吉の情けない日記

みなさんのお母様はお元気ですか？
亀吉は10年前に母親を痴呆症と肺炎（心臓病の悪化）で亡くしました。

会社に月から金まで、当時問題になっていた2000年対策で残業の日々、
土日は田舎へ電車・タクシー4時間で駆けつけ介護の日々が約半年続き
ストレスで亀吉のお腹に１０００ｃｃも水がたまり耐えられなくなり退社。
で介護に専念することに。

残業しながら介護していた最初の病院は家から３分のT病院。
中学の同級生がレントゲン技師をしていた。入院してすぐT病院から電話
”亀吉さんのお母さんが注射を嫌がっていつも血だらけになり暴れていて
困ってます。すぐ来てもらえませんか”　で会社から直行！
何とかなだめて次の日仕事のために４時間かけて最終電車で帰る。
５ヶ月くらいたってT病院から　”もう病院では無理ですのでお話があります”
でまたT病院へ、そこでT病院からで家からバスで40分くらいの温泉のでる
観光地の老人施設Aを紹介してもらい移ることに。
その頃はまだ経過もよく　症状は”まだら痴呆症”　
　＝正常なときと痴呆の時が交互に来て、
まるで猫か虎の模様のようにまだらな状態から名がついたらしい。

施設に通って５ヶ月くらいたったら　事務長から　
”いい病院を特別に紹介しますから施設Aのセンセイによくお礼を
言ってください、センセイのご配慮で特別ベットをあけてもらったんですから
指定された日じゃないとセンセイがいませんから来て下さい”
ということで指定された日の朝いち東京を出て電車を乗り継ぎ
お土産もってタクシーとばして駆けつけたら、センセイは先ほど帰られたらしい、
１５分間に合わなかっただけでまだ午前中なのに？”

で亀吉の頑丈な体が悲鳴を、会社はだれも助けてくれない。というのも
当時会社が倒産するという噂で強烈なリストラ実行中で各部署から数名
辞めさせないと部門長が辞表をださなければならない状況下…・
結局お腹の水１０００ｃｃを抜いて３日間入院のところ２日で会社に復帰。
会社の人間は見舞いに誰も来ない。でも友人が数名着てくれ助かった。
結局、亀吉も頭に来て依願退職…その後会社は解散後再生してますが。

後で報道番組や友人から聞いて知ったんですが、老人施設は半年過ぎて同じ施設にいると交付される金額が半分以下になるんらしいですね（当時のことで確かではないが）、センセイにお礼・特別なご配慮ねえ？
知らないことは罪ですよ、結局、施設間の　”老人XXXX”　だったんです。

会社も辞め田舎の豪邸→家賃３６００円の市営住宅（築３０年・２DK・庭付・風呂つき・屋根つき・駐車スペース付　どうですか！）から介護に専念
で次は、ラーメンで有名な街のO病院に、いきなり事務員に
　”年金で基本的にカバーできますが、身のまわり品・おこずかい・治療費
は別にかかりますので入金してください。大丈夫でしょうか？”
ときたもんだ。そんなことより部屋に案内しろよ、そばでおふくろが
待ってるんだから…。　
で事務員から　”施設の地図をお渡ししますので行って下さい。近いですから”
ここじゃないのかよ！　　しかたなくタクシーで１０分後到着。
静かないい場所だが通うのには不便なところだ。
でそこでも病院と同じこと　”年金で基本的にカバーできますが、…”
もういいから早く部屋に案内してくれよ！
おふくろも亀吉もくたくた。亀吉も一晩泊まりたくなりました。
でこれから母亀の事件連続。

（徘徊３人組）…何故か夜になると徘徊仲間？と３人で施設を脱走。
これがおかしいことに出てすぐに駐在所があるらしい、そこで一言挨拶をして
から徘徊するらしい。（何かあったときの保険か？ちゃっかりしている（笑）”
でまた施設から呼び出し、亀吉　謝謝の日々


（愛の徘徊者）…母亀の徘徊は治らず、施設内でも。気に入った
おじいちゃんのところに行って帰ってこない、よく行方不明になるが浮気性
なのかハンサムおじいちゃんを二股？でもどちらかの部屋で発見される。

（イチゴ事件）…母亀の大好物イチゴを持っていった。４人部屋の他の３人は
この半年間、来訪者名簿が空白、家族が見舞いに来ないか来れないのだ。
でイチゴを４等分して配っていたら、後からイチゴが飛んでくるではないか
そうです母亀が亀吉めがけて　”このやろう　こんな施設に入れやがって”
まさか、まだら痴呆症の正常な時間帯に突入したのか？
そしたら、となりのおばあちゃんも参戦！　亀吉は落ちたイチゴを拾いながら
”なして　なして　こうなるの”（泣）。　奮発して買った１０００円のダナーイチゴ
いまは落ちても拾って食べたい心境です。

ある日おじいちゃんの部屋からの帰りに誤って階段から落ち足を、愛の骨折。
また半年が過ぎた頃K施設から　”心臓が悪いのでO病院に戻ってください”
また来たか魔の６ヶ月通知！
仕方なく介護してくれた皆さんと近くの駐在所にお礼を言ってO病院へ、
だいぶ母亀も体が軽くなってきた（悲）

O病院でもまたまた大活躍の母亀は暴れていた。
またO病院から呼び出しが、で行ってみると母亀がなんと
ベットに縛られて呼吸も困難な状態で叫んでいる　
”バカヤロー”　”インチキ医者”　　とか
亀吉は流石に怒った、カミツキ亀吉に変身して、
いつもお世話になってますが　”人の手を縛るなよ、人間だぞ！”　と
でも　看護婦さんは　”どうしようもなく暴れて他の看護ができないので”
その一言でもとの亀吉にもどってしまった。仕方なく母亀の威張られた
包帯を緩めるのがやっと、ナースステーションに一礼して帰りました。
それから２週間後に、母亀は天国の竜宮城へ。

母亀は戦後すぐ男に混ざってバリバリ法人営業　（ガリ版・今で言うとコピー機）
をこなし成績を上げていた昔の姿があった。
当時の５０万（一戸建てが買える値段）を貯金したくらいの
元祖キャリアウーマンだったが、痴呆症は怖い！
本人だけじゃなく回りに…亀吉は苦にはならなかったが流石に体を壊した。
みなさんも　
生きているうちに一緒に温泉に連れて行ったり、イチゴ以外のプレゼントを。

金がない！　血圧が下がらない！　母亀のところへ行く日も近いだろう…ククﾂ