カテゴリ:新録かきおろし
日本ペンクラブ:編/栗本薫:選『いま、危険な愛に目覚めて』集英社文庫 「片腕」川端康成 「踊る一寸法師」江戸川乱歩 「侏儒」栗本薫 「獣林寺妖変」赤江瀑 「前髪の惣三郎」司馬遼太郎 「会いたい」筒井康隆 「カイン」連城三紀彦 「公衆便所の聖者」宇能鴻一郎 「星殺し(スター・キラー)」小松左京 「日曜日には僕は行かない」森茉莉 このアンソロジーの中では、 何と言ってもウノコー先生の『公衆便所の聖者』が史上最強・前代未聞の大傑作ですな。 芥川賞作家であるウノコー先生には、 初期の頃には、こういう傾向の作品が数多くあって、 「あたし、○○なんです」 「ジュンって、しちゃったんです」 「えっと、あとがきです」(←それ違う)の陰に隠れて、 ほとんど顧みられていない…と言われていたのは数年前で、 今では逆に、最近の意欲的なアンソロジーなどで 耽美・猟奇・グロテスク傾向の作品群が、けっこう陽の目を浴び始めてきていて、 むしろ「あたし、新井素子なんです」系統の本こそが手に入り難くなっているようです。 (昔は、あんなに流行って、あんなにたくさん出ていたのにねえ。) 『公衆便所の聖者』みたいな小説を、 もっと読みたいんですよ~、と思っても、 かつてはウノコー先生の個人短篇集では、この本ぐらいしかなかった。 (しかも、気がついた時には入手が極端に難しくなっていた) 宇能鴻一郎:著『花魁小桜の足』双葉文庫 「花魁小桜の足」 「鏡の妖魔」 「畜殺部屋」 「公衆便所の聖者」 「プラスチックの妻」 「恍惚の玩具」 「魔楽」 「甘美な狂気」 「縄目の快楽」 オレも実物を読んでないんで、詳細は分からないんですけど、 もしかしたら、耽美傾向ばかりの作品だけを集めている…わけでもないのかも知れない。 つい最近、去年の暮れに、 本当にウノコー先生の耽美傾向作品ばかりを集成した単行本が出ましたよ。 【ふしぎ文学館】の1冊です。 宇能鴻一郎:著『べろべろの、母ちゃんは…』出版芸術社:ふしぎ文学館 「地獄の愛」 「柘榴」 「花魁小桜の足」 「菜人記」 「わが初恋の阿部お定」 「狩猟小屋夜ばなし」 「美女降霊」 「べろべろの、母ちゃんは…」 「お菓子の家の魔女」 「リソペディオンの呪い」 ここに『公衆便所の聖者』も含まれていたら、最高だったんだけど。 あ、あと、どうせなら『異形の白昼』に入っていた『甘美な牢獄』も欲しい。 筒井康隆:編『異形の白昼』集英社文庫 「さまよう犬」星新一 「蜘蛛」遠藤周作 「くだんのはは」小松左京 「甘美な牢獄」宇能鴻一郎 「孤独なカラス」結城昌治 「仕事ください」眉村卓 「母子像」筒井康隆 「頭の中の昏い唄」生島治郎 「長い暗い冬」曾野綾子 「老人の予言」笹沢左保 「闇の儀式」都筑道夫 「追跡者」吉行淳之介 「緋の堕胎」戸川昌子 【ふしぎ文学館】のほうの編纂方針が 「アンソロジーでも読めるものは、そっちで読めばいいから、採らない」ということなら 仕方ありませんが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.15 13:35:28
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