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石川誠壱の「こちら熟女捜索隊」

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2008.11.15
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カテゴリ:新録かきおろし
あなたは、『恐怖のシューマイ』という恐ろしい話を知っていますか。

「ある街に、めったにお客さんが入らない、
 さびれた中華料理店がありました。

 将来に絶望した店主は、
 とうとう、この世をはかなんで、
 首を吊る決心をしてしまいました。

 でも、死ぬ前に、せめてもう一度、
 得意料理のシューマイとハルマキを作って
 誰かに食べてもらいたい、と望みました。

 店主は命をかけて、最後の一品であるシューマイとハルマキを作り、
 お店の前に宣伝の貼り紙を出しました。

   焼 売

     春 巻

     は
     じ
     め
     ま
     し
     た

 その途端、なぜか大勢のお客さんが現われて、
 お店は押すな押すなの大盛況。

 大儲けした店主は、死ななくても済んだ、ということです。」

…という、くだらないくだらないギャグを思いついた漫画家が、
よっぽど気に入ったのか、
同じ週に発売される2つの週刊誌の、
それぞれの自分の連載に、
まったく同じ内容の作品を描いてしまった、という
恐ろしい恐ろしい話。

それが、怪談『恐怖のシューマイ』。

ところが、その漫画家が超大物だったおかげで、
ネタの二重売りをされた「週刊プレイボーイ」も「平凡パンチ」も、
一切の処分をすることはなく、
漫画家の連載は、どちらの週刊誌でも何事もなかったように継続され、
その超大物の地位が失脚することもなく、
反権力ジャーナリズムの標的になって糾弾されることもなく、
あまつさえ、それぞれの連載が、それぞれ作品集に収録されて、
まったく同じネタが、2冊の文庫に別々に入っていたのでした…という、
もっと恐ろしい恐ろしい話。

それが、怪談『恐怖のシューマイ』。

pokochin.jpeg 黒鉄ヒロシ:著『黒鉄ヒロシ文庫/新ポコチン共和国』立風漫画文庫

96-gane.jpeg 黒鉄ヒロシ:著『まいにちクローガネ』角川文庫

*

【追記】

平パン版の「売春はじめました」が収録されているのは
『新ポコチン共和国』ではなくて、
無印の『ポコチン共和国』第2巻でした。

pokochin2.jpeg 黒鉄ヒロシ:著『黒鉄ヒロシ文庫/ポコチン共和国(2)』立風漫画文庫





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Last updated  2008.11.21 21:06:15
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