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2007年09月20日
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カテゴリ:投資信託
 7月の国内投資信託純資産残高は78兆9,921億円で、前月末に比べて2兆9,846億円の減少になった。純資産残高が前月比でマイナスに転じたのは、1年ぶりのことだ。

 そろそろ投資信託の人気のピークアウトということだろうか。ただ、投資信託の純資産残高を見る場合、解約による増減なのか、それとも運用損益による増減なのかということを、区別して考える必要がある。

 ちょっと単純化した説明で恐縮だが、投資信託の純資産残高とは、そのファンドが保有している全資産の合計額のこと。ファンドに新規資金が入ってきて、それで株式や債券などの有価証券を購入する。つまり純資産残高は、資金の流出入によって増減するだけでなく、組入有価証券の値動きによっても増減するのだ。

 したがって、もし純資産残高が減少したとしても、それは解約によって目減りしたものなのか、それとも組入有価証券の値下がりによって減少したものなのかということを、見極めなければならない。

 では、7月の純資産残高減少は、何を一番の理由としていたのか。
結論から言えば、組入有価証券の値下がりによるものが大きかったようだ。投資信託協会が発表している「投信概況」によると、全体の減少額である2兆9,846億円のうち、株式型投資信託が2兆6,791億円の減少、公社債型投資信託が3,350億円の減少、MMFが295億円の増加。勘の良い読者であれば、もうお気づきかと思うが、要は株式型投資信託で発生した純資産残高の減少が、全体に響いた。さらに、株式型投資信託の純資産残高の減少額を細かく見ると、設定額から解約額と償還額を差し引いた、純粋な資金流出入では798億円の資金純増(!)となっている。

 つまり、7月の純資産残高減少は、株式型投資信託に組み入れられている有価証券の値下がりによってもたらされたものなのだ。ちなみに、運用によって生じた損失額は2兆7,590億円。この数字を見る限り、7月の純資産残高減少は、投資信託の人気がピークアウトしたからではないと考えられる。

 問題は8月だ。17日に株価やドルが大幅に下落した。投資信託の基準価額も、なかなかきつい下げになっている。これを受けて、ファンドの保有者が狼狽の解約を出したかどうか。

 この点については、新興国株ファンドやREITファンドの多くは、解約にともなう資金流出が増えているのに対し、バランス型や外債型のファンドには、それほど目だった解約が生じなかった。実際、8月の株式投資信託は差し引き1兆5435億円の資金純増となった。

 つまり、新興国株ファンドやREITファンドには、それだけ短期性の資金が入っていると考えられる。だから、目先の下げ局面で解約が増加する。

 しかし、よく考えてみると、これはおかしな話だ。特に新興国株ファンドなどは、長期的な資金で購入するべきものだろう。ところが本来、新興国株ファンドに向かうべき長期性の資金が、外債ファンドに流入している。

 そもそも外債ファンドなどというものは、さしみのツマのような存在だ。それが、いつの間にかさしみそのものになっているところに、今の日本の投資信託事情の貧しさがあるような気がしてならない。

(金融ジャーナリスト:鈴木雅光)





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最終更新日  2007年09月20日 09時09分36秒
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