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カテゴリ:投資
今日(8日)も、トルコの経済と外交・軍事に関する記事がいくつか出ていました。 経済に関する記事としては、このブログでもしばしば紹介している金融投資手段別パフォーマンスに関する記事が出ていました。また、トルコで今年9月末に車両登録されている自動車の台数は2,313万2,670台で、その内ディーゼル車が471万1,205台、471万863台がLPG車、303万8,788台がガソリン車となり、初めてディーゼル車が最大となったという記事が出ていました。
経済以外では、フルスィ・アカル国家防衛大臣がジェームス・ジェフリー米シリア特別代表とデイヴィッド・サッターフィールド在トルコ米国大使の訪問を受け入れ、10月17日のトルコ・アメリカ合意を含む、シリア情勢に関して協議したという記事が出ていました。これ以外では、チャヴシュオール外務大臣がトルコの軍事力と外交力を強化しつつ、シリア北部で展開されていた大きな罠(壮大な計画)を打ち破ったと発言したという記事も出ていました。
今日は、10月の金融投資手段別パフォーマンスに関する記事と、チャヴシュオール外務大臣の発言に関する記事を紹介します。
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今日最初に紹介する記事は、10月の金融投資手段別パフォーマンスに関する記事で、今付けのアナトリア通信(AA)の記事です。 見出しは「10月に最大の実質利益をもたらしたのは国家国内借用証券(DIBS)だった」です。 2019年10月に、消費者物価指数(TUFE)及び国内生産者物価指数(YI-UFE)で調整後、最大の実質利益をもたらした金融投資手段は国家国内借用証券(DIBS)でした。 トルコ統計庁(TUIK)は、2019年10月の「金融投資手段実質利益率」を発表しました。 それによれば、先月に月間で最も高い月間実質利益をもたらしたのは、YI-UFEで調整後には2.75%、TUFEで調整後には0.90%の利益をもたらしたDIBSでした。 YI-UFEで調整後には、金融投資手段の中のユーロは1.65%、ドルは1.31%、定期預金金利(税引き前)は0.81%、金地金は0.33%、投資家にそれぞれ実質利益をもたらしましたが、BIST-100指数は2.19%、実質的損失をもたらしました。 また、TUFEで調整後には、金融投資手段の中のユーロは0.18%、ドルは0.51%、定期預金金利(税引き前)は1.00%、金地金は1.57%、BIST-100指数は3.94%、それぞれ実質的損失をもたらしました。 過去3ヶ月間の期間で見た場合は、DIBSはYI-UFEで調整後には10.24%、TÜFEで調整後には5.79%で、最も高い実質的利益をもたらした投資手段となりました。一方、同時期にBIST-100指数は、YI-UFEで調整後には0.85%、TUFEで調整後には4.85%で、投資家に最も大きな実質的損失を与えた投資手段となりました。 過去6ヶ月間の期間で見た場合は、DIBSはYI-UFEで調整後には21.43%、TÜFEで調整後には15.85%で、最も高い実質的利益をもたらした投資手段となりました。一方、同時期にユーロは、YI-UFEで調整後には2.48%、TUFEで調整後には6.97%で、投資家に最も大きな実質的損失を与えた投資手段となりました。 金融投資手段の年間実質利益を見た場合には、DIBSがYI-UFEで調整後には36.05%で、また、TUFEで調整後には27.64%で、最も高い実質的利益をもたらした投資手段となりました。一方、同時期にユーロは、YI-UFEで調整後には6.27%、TUFEで調整後には12.19%で、投資家に最も大きな実質的損失を与えた投資手段となりました。
次に紹介するのは、上でも少し紹介しましたが、チャヴシュオール外務大臣のトルコの軍事力と外交力に関する発言に関する記事で、これも今日付のAAの記事です。こちらは抜粋して紹介します。 見出しは、「メヴリュット・チャヴシュオール外務大臣は、『大きな罠(壮大な計画)を打ち破った』と発言」です。 メヴリュット・チャヴシュオール外務大臣は、(地元の)アンタリヤ県でトルコ赤新月社の創立記念日を祝う「赤新月社の友人たちの夜」行事で、トルコ赤新月社、AFAD(天然災害緊急事態総局)及びTIKA(トルコ強力開発機構(トルコ版JICA))といった組織を誇りに思っていると述べました。 トルコ外交は、世界のいたるところで活動を行っていることを指摘した同大臣は、世界の様々なところで246の外交使節を置いており、数の観点からは世界で5番目となったことを明らかにしました。(管理者注:THY(トルコ航空)が目的地(到着地)の観点からは世界最大の航空会社になっているということは知っていましたが、トルコ外務省がこれほど多くの大使館・総領事館などを置いているとは知りませんでした。ドイツやイラクなど、トルコ人が多く住んでいるヨーロッパと中東の国々で総領事館が多いのではないかと想像します。) トルコを強くするために日夜働き続けていることを説明した同大臣は、「今日、現場(戦場)でも、(交渉の)テーブルの上でも、トルコは強力でなければならない。テーブルでも強くなければ、現場で得られた勝利を失う可能性がある。現場で強くなければ、テーブルでは交渉力が強くならない。」と述べました。 実際、平和の泉作戦で起こったように、トルコの国益のために力を示す必要も生じることを指摘した同大臣は、さらに外交でも努力を行っている問題を、現場での強力な状況によって、テーブルに戻った後で、アメリカとロシアとの間で成立した合意のように、望んでいたことを手に入れることができたと述べました。(管理者注:大臣の発言は、よく言われているもので、平和の泉作戦では、「現場で勝利し、テーブルの上でも合意を勝ち取った」ということは事実ですが、話はそれだけで終わりではなく、「約束を守らせる」という第3段階が存在しているのですが、現在まででは、トルコはこの点ではあまり成功しているようには見えません(=YPGを国境から30(32)kmの地域から撤退させるということを、アメリカもロシアも約束しましたが、両政府とも全く守っていません)。) 「ハード・パワー」と言われているその力はその瞬間に示すことができるのに対して、継続的に影響が残るのは「ソフト・パワー」と言われる力であることを指摘した同大臣は、「1国の価値であり、文化であり、教育であり、行う貢献であり、国外に住む人々に到達することができるあらゆる種類の援助である。人道支援であり、開発支援である。トルコ外交は、戦勝貢献者であるムスタファ・ケマル・アタテュルクの言葉である『(国)内で平和、世界で平和』という目標に向かって、現場でもテーブルの上でも強力なトルコを、強力な外交によって実現させている。」と述べました。 ハード・パワーを示した平和の泉作戦で、トルコ赤新月社も活動を開始したことを指摘した同大臣は次のように述べました。 「(欧米の国々は、)YPGとPKKを『クルド人の代表である』と言っている。トルコでは35万人のシリアのクルド難民が、北イラクでも30万人のシリアのグル度難民が生活している。約65万人のクルド難民がシリア国外で生活しているが、(これらのシリアのクルド難民は)YPGが管理していた場所になぜ戻らなかったのか。この事実を、これら(欧米)の国々に説明することができなかった。これらの国々は、ここにテロ国家を成立させたいと考えていた。トルコは大きな罠(壮大な計画)を打ち破った。この罠(計画)を、彼らの上にひっくり返した。単にテロリストたちの計画ではなく、そこにテロ国家を建設したいと考えていた者たちの頭の上に、この罠をひっくり返した。彼らがイライラしているのは、そのせいである。」
ここからは一言解説・雑感です。本文中に挿入した管理者注のとおり、ロシアとアメリカを中心とする国々に対する不満と疑念が明確に出ている内容となっていると思います。ロシアとアメリカが約束を守っていない以上、トルコにはこう批判する権利があると思います。一方で、約束を守らせることができないなら、本文中の解説のとおり、「トルコの完全勝利」からはかなり遠いと思います。今日も冒頭で紹介しましたが、「テーブルの上」は今も続いています。 本当の勝利を勝ち取るためには、今後も相当長く交渉が続くものと思いますが、一方で、安全地帯(30km)の範囲、少なくともロシアと共同巡回を行う10kmの範囲にはYPGが軍事施設を作ることは困難になったことは事実であり、トルコの安全保障の観点からは1歩前進したことは間違いないと思います。
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Last updated
2019.11.09 20:49:14
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