9月の貿易統計、第3四半期の観光収支、エルドーアン・バイデン両大統領の会談実現の可能性(+日本語記事)、トルコにおける新型コロナウイルス患者発生の598日目の状況
今日(29日)はトルコ共和国の建国記念日で祝日だったためか、経済面でも、社会面でも、重要と思われる記事は余り出ていませんでした。そのため、今日は、以前紹介できなかった経済記事を2つ紹介します。 「(AAでは)記事にならない情報」では、大きな転換はありませんでした。一言で言えば、支持率低下に苦しんでるエルドーアン大統領が苦し紛れにいろいろと自滅的な行為を行っている様子が感じられる話でした。メトロポールという最大手の調査会社の「エルドーアン大統領の任務承認度」、別の言葉で言えば、「仕事の評価率、支持率」と言うことになると思いますが、10月には承認(支持)が38.9%(対前月比-2.5ポイント)、非承認(不支持)が56.2%(+2ポイント)となっているという数字が紹介されていました。また、エルドーアン大統領は「トルコの未来は明るい。今まで良くなってきたのと同様に、今後もどんどん良くなる。世界10大経済の1つになる」という趣旨の発言しばしばしていますが、最も良いときにはGDPで17位か18位だったのですが、今年で既に21位に後退し、来年のIMFの予測では22位に更に後退することになっています(また、イランが17位、サウジアラビアが19位、台湾が21位、ベルギーが25位などなっています)。リラ安のお陰で輸出が増えることは期待されますが、国民の購買力ががた落ちで、GDPの半分以上を占める消費が低下する以上、大きな成長が達成されることは考えにくいのではないかと思います。実際、トルコ人の一人当たりの国民所得は、最高の約1万ドルから現在の約7千ドルまで、5年以上低下が続いているほか、ここ1ヶ月のリラ安で、全労働者の40%以上に適用されている最低賃金も320米ドルから290米ドルまで低下して、「中国よりも更に低賃金国」の状態になっています。 今日のゴシップ?としては、「共和国記念日レセプションの招待者に共同声明を発表した10ヶ国の大使が含まれていなかった」というものがありました。関係改善といいながら、子供じみた仕返しをしていることが分ったと言うことのようです。また、こちらは意味があるのかもしれませんが、アヌトゥカビル(アタテュルク廟)に花輪を捧げる行事が行われますが、反政府系テレビニュースの記者・カメラマンが敷地内入って取材することを大統領府広報部が許可しなかった、また、公式式典後に一般市民の入場制限が認められた始めると同時に、基本的に全てのメディアの入場が禁止されました。こんなところで世論操作をしようとしても、何の効果があるのか不明ですが、「マスメディアへの不当な圧力」という明確な批判材料を提供するだけになっているように思われます。 10ヶ国大使の共同声明事件に関しては、「チャヴシュオール外務大臣が諫言したのでは?」という話を紹介しましたが、一方では、「そもそも会っていない。“ペルソナ・ノン・グラータを執行するまでは会わない”とエルドーアン大統領は言っていた。そもそも欧米諸国からは、エルドーアン大統領のいいなりの、対外的に嘘ばかり発信している人物という評価となっている」という厳しい評価をする解説者もいました。また、「エルドーアン大統領を始め、AKP関係者は“大使たちは荷物を纏めつつ、大統領の返信は無いかと泣き声で電話してきた”とか、“若い外交官たちが集まって勝手に準備したもので、大使はその内容を十分把握していなかった”などという話を吹聴しているが、アメリカを始め、共同声明を出した10ヶ国全て、“共同声明の立場からは、何の変更もない。欧州人権裁判所判決の速やかな実施を求める”という立場には変化がない。」としているという指摘もありました(半泣きで荷物を纏めている大使が居たとすれば、それは、報復として国外退去させられる可能性のあった、10ヶ国で勤務するトルコ人大使たちだったのではないかと思います)。そもそも、バイデン大統領に会ってもらおうとしてこの事件を奇貨として利用しようとしたのはエルドーアン大統領であり、「ここで会う。いや、そこで会う。やぱり、あそこで会う。」と、どんどん発言も変わっています。下で紹介するロイター通信の記事では、グラスゴーで実現する可能性があるとのことです。つい先日、イスタンブルにある(世界)ギリシャ正教会総主教のバルソロメオス1世をホワイトハウスに招待していた様子も報じられ、そもそもタイミングの問題もありますが、「バイデン大統領にとって、エルドーアン大統領の優先度は、(トルコの)正教会総主教より低い」と皮肉っていました。 今日、アナトリア通信(AA)には次の記事が出ていました。今日は以前の記事1と2を紹介します。1(27日付)9月のトルコからの輸出は、前年同月と比べて30%増加した2(28日付) トルコの観光収入は、今年第3四半期に約114億ドルとなった3 トルコの粗鋼生産高は、1~9月に3,000万トンに近づいた4 公正取引委員会は、6つのスーパー・チェーン・グループに約27億リラの罰金を科した5 エルドーアン大統領は、G20に参加するためにイタリアに出発した6 共和国記98周年にアヌトゥカビル(アタテュルク廟)で訪問者による混雑が発生した7 エルドーアン大統領は、共和国記念日レセプションを実施した 10月29日(最初の患者確認から598日目)付けの新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します。 今日の検査件数: 35万1,373件今日の感染者数: 2万4,409人今日の死者数: 209人今日の完治者数: 3万846人 励みにしていますので、クリックをよろしくお願いします。にほんブログ村にほんブログ村 トルコ|トルコタイル|トルコ陶器|トルコ雑貨|鍋敷き|なべしき|鍋しき|鍋布き|トリベット Trivet|花型タイル【大】73価格:1890円(税込、送料別) (2020/9/12時点)トルコ製・バクル(銅製品)のお盆・楕円形30.5×20cmシシケバブのトレー/Turkish Bakir, Oval tray価格:7225円(税込、送料無料) (2020/9/12時点)トルコ土産/トルコ雑貨/クッションカバー/クッション/トルコクッションカバー/トルコ/イスタンブール/トルコ絨毯/アラジン/オスマン帝国/オスマン帝国外伝/誕生日プレゼント/クリスマスプレゼント/パッチワークデザインクッションカバー04価格:2300円(税込、送料別) (2020/9/12時点) 今日はまず、トルコ・アメリカ関係に関する日本語記事を紹介します。バイデン米大統領、欧州歴訪でイランや供給網の問題協議へ=側近ロイター / 2021年10月29日 12時55分[米大統領専用機上 28日 ロイター] - バイデン米大統領は欧州歴訪でイラン核合意再建やサプライチェーンの問題について首脳らと協議する。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が28日、大統領専用機上で記者団に明らかにした。(中略)サリバン氏によると、バイデン氏はイランに対する「戦略を共有し、われわれのアプローチに結束と統一性を持たせる」ことを目指す。イランとの協議再開について話し合うかどうかは明言を避けた。またトルコのエルドアン大統領との会談も行われる見込みという。エルドアン氏は中断しているF16戦闘機の売却を巡る問題について協議したい考えを示している。サリバン氏によれば、31日の会議でバイデン氏はサプライチェーンの目詰まり緩和について世界のリーダーらと共通の認識を得たいと考えている。 ここからは一言解説・雑感です。昨日は、「エルドーアン大統領に続き、チャヴシュオール外務大臣も『アメリカから会談の要望がある』と言っていたので、既にこの時点で「どちらかが嘘をついている」という状況が明らかになっています。」と紹介しましたが、カルン(大統領府報道官)・サリヴァン・ライン及びアカル(国家防衛大臣)・オースティン・ラインでの実務上の話は進んでいるということのようです。 なお、「中断しているF16戦闘機の売却」となっていますが、そもそもは「F35の開発からトルコは正式に排除された」ということが、トルコでは明確には報道されていないように思います。反政府系テレビニュースのアンカーは「トルコは900個の部品で参加している20年計画から追い出された。中東でF35を使用できるのはイスラエルだけになった。」という指摘を何度かしていましたが、「噂なのか、最終決定なのか」が明確になっていなかったように思います。 今日、最初に紹介するAAの記事の見出しは「9月のトルコからの輸出は、前年同月と比べて30%増加した」です。27日付の記事です。抜粋して紹介します。 トルコの9月の輸出は、昨年同月と比べて30%増加して207億8,000万ドルとなり、輸入は11.9%増加して233億2,800万ドルとなりました。同月の貿易赤字は47.5%低下して25億4,700万ドルとなりました。 トルコ統計庁(TUIK)と商務省が協力して作成した2021年9月の暫定貿易統計が発表されました。それによれば、一般貿易システム(GTS)によると、今年9月の輸出は、昨年同月と比べて30%増加して207億8,000万ドルとなり、輸入は11.9%増加して233億2,800万ドルとなりました。同月の貿易赤字は47.5%低下して25億4,700万ドルとなりました。輸出が輸入をまかなう割合も昨年9月には76.7%でしたが、今年同月には89.1%に上昇しました。 今年1~9月の期間では、輸出は、昨年同期と比べて35.9%増加して1,609億5,100万ドルに、輸入も23.7%増加して1,933億100万ドルとなりました。また、同期の貿易赤字は14.6%減少して323億5,100万ドルになりました。同期の輸出が輸入を賄う割合は、前年同期は75.8%でしたが、今年同期には83.3%に上昇しました。 9月のエネルギー及び非通貨の金(Gold)を除く輸出は、28.5%増加して155億2,800万ドルから199億5,800万ドルに、また、輸入は25.7%増加して147億7,900万ドルから185億7,700万ドルとなりました。7月のこの分野の貿易黒字は13億8,100万ドルとなりました。 また、貿易量(総額)は27.1%増加して385億83,500万ドルとなり、同月のエネルギー及び非通貨の金(Gold)を除く輸出が輸入を賄う割合は、107.4%となりました。 今日、2つ目に紹介するAAの記事の見出しは「トルコの観光収入は、今年第3四半期に約114億ドルとなった」です。こちらは28日付の記事です。抜粋して紹介します。 トルコの観光収入は、今年第3四半期には、113億9,512万ドルとなりました。 トルコ統計庁(TUIK)は、今年7~9月の観光統計を発表しました。それによれば、観光収入は今年第3四半期には、113億9,512万ドルとなりました。観光収入(携帯電話ローミング料及びヨット・ハーバードでのサービス料を除く)の78%は外国人旅行者から、22%は海外に居住しているトルコ人から得られました。同期に行われた消費の90億6,304万ドルは個人旅行、23億3,208万ドルはパック・ツアーの消費でした。同期の1泊当たりの支出は74ドルでした。外国人の1泊当たりの消費額は78ドルで、海外居住トルコ人の消費額は61ドルでした。 トルコから外国に出た旅行者の数は1,364万672人でした。訪問者の84%に当たる1,145万7,951人は外国人で、16%に相当売る218万2,721人は海外居住トルコ人でした。 トルコ国内に住むトルコ人が外国を訪問して行った支出からなる観光支出は、今年第3四半期には昨年同期と比べて363.5%増加して5億8,438万ドルとなりました。同期に行われた消費の5億7,288万ドルは個人旅行、1,150万ドルはパック・ツアーの消費でした。同期に外国に出たトルコ人の数は87万3,027人で、一人当たりの消費額は669ドルでした。 トルコリラ等の外貨建ても含めた債券投資に関する情報を発信しています。外債投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。社債投資まとめ いろいろな投資情報が出ています。投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。株初心者向けIPO初値予想 今日はオリーブ・オイルを紹介します。日本への売り込みにも力を入れ始めたそうです。 次は、トルコの「国家・国民酒(?)」のラクを紹介します。ギリシャやフランスなどにも、名前は違っても同じお酒があるそうですが、トルコが発祥の地と思われます。