7月の貿易収支、先週の外貨準備高、東地中海を巡るトルコとギリシャの対立状況とその雑感、トルコにける新型コロナウイルス患者発生178日目の状況
今日(4日)は、トルコ経済に関する重要と思われる記事はあまり出ていませんでした。唯一と言っても良いのは、トルコ中央銀行(TCMB)の8月に関する価格進展報告書に関する記事でした。 そのため、今日は紹介できていなかった7月の貿易収支に関する記事と先週の外貨準備高に関する記事を紹介します。 経済以外では、今日も178日目の過去24時間の新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況に関する記事を紹介します。 このブログでは、かなり前から「保健省が発表している統計は、実態を反映していない」という批判が存在していることを紹介していますが、公式統計だけ見ても悪化が止まっていません。管理者が統計を調べてみたところ、最も改善が進んでいた時期は、新規患者数では786人だった6月2日、死者数では、何回かありますが、14人だった6月13日、最後が8月10日、治療中の患者数では、1万607人だった8月3日です。最近の数字は、新規患者数では1,708人だった5月15日、死者数では55人だった5月14日、治療中の患者数では2万1,664人だった6月30日のレベルに戻っています。現在は新型コロナウイルス(KOVID-19)流行の中心地はアンカラになっていますが、人口が3倍あるイスタンブルには今後休暇から帰ってきた人がKOVID-19の大流行をもたらすのではないかという予測をしている医師もいますので、イスタンブルをはじめとする大都市と、現在流行が続いている南東部やアナトリアの一部の県では特に注意が必要と思われます。 新型コロナウイルス(KOVID-19)の話題以外では、ギリシャ関係が中心となっています。NATOは事務局長がトルコとギリシャの軍人が直接話す機会を設定するべく双方に働きかけを行いましたが、ギリシャは最初は応じる方向を示していたそうですが、少なくとも最終的には拒否し、事務局長も「軍事的、技術的調整を行う場を設定する件では、何らの合意も存在していない」と公式発表しています。チャヴシュオール外務大臣は「話し合いから逃げているのはギリシャである。」とギリシャを非難していますが、管理者が見るところでは、当然の結果です。つまり、NATOではトルコが有利だ(発言力がある)が、EUではそもそもトルコは存在せず、ギリシャのやりたい放題に近い状態でトルコを非難、さらには制裁を行うことができるため、「『国際議論の場』はEUに限定する」という対応をしているだけのことだろうと思います。一方、昨日、「トルコが地質調査を行うと宣言した海域に接続する海域2ヶ所でロシア海軍が射撃訓練を行うというNAVTEXをトルコが出した」というニュースを紹介しましたが、よく見ると「訓練海域」に指定しているのは「争いのない海域」であり、「ロシアがトルコ側に付いた」という状況ではなさそうです。「ギリシャ・仏」対トルコ、ではなく、EU対トルコに近い状態になっているため、外交的に解決することは決めて困難な状況と思われます。武装化してはならないメイス島やエーゲ海の12の島について、トルコ軍が「強制的に武装解除させる」という強硬策に出ない限り、トルコが自国の大陸棚であると主張している海域で地質調査を継続させ、また、軍事訓練を行うこと以外に、トルコに出来ることはあまりなさそうです(ただし、トルコ・シリア国境空域で、トルコ空軍機がロシア空軍機を撃墜した事件が2015年に起こっていることを考えると、局地的・偶発的な軍事衝突が全く起こらないとは言い切れません。その際には、トルコ国家防衛省が公表したトルコとギリシャのF16同士のドッグファイトの映像から判断する限り、撃墜されるのは、99%、ギリシャ空軍のF16になりそうです )。 最後に、トルコにおける深刻な状況にある患者の数に関するこの3日間の変化を紹介します。重症患者数: 1,017人(死者数:45人) → 1,041人(49人) → 1,076人(53人)肺炎発生率: 7.6%(死者数:45人) → 7.6%(49人) → 7.5%(53人)となっています(深刻な状況にある患者に関する発表項目は7月29日から変更になっています)。 励みにしていますので、クリックをよろしくお願いします。にほんブログ村にほんブログ村 今日最初に紹介するのは178日目の過去24時間で新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況に関する記事です。今日(4日)のアナトリア通信(AA)の記事です 見出しは「過去24時間にトルコで新たに1,612人のKOVID-19感染者が確認され、53人が亡くなった」です。(管理者注:見出しも「回復」ではなく、「悪化」を強調するように昨日から変わっています) 過去24時間にトルコでは、新たに新型コロナウイルス(KOVID-19)に1,612人が感染したことが判明し、53人が亡くなり、その結果、累計感染者も27万6,555人に、累計死者数も6,564人になりましたが、1,021人が回復し、累計完治者も24万9,108人になりました。 保健省がインターネット・サイトで公表し、また、ファフレッティン・コジャ保健大臣がツイッターで発表した「トルコの日々のコロナウイルス統計」によれば、9月4日には、検査件数は11万7,113件(管理者注:相当長期間にわたり約3万5千~6万件の検査件数が続いていましたが、8月8日には6万件を超え、26日からは10万件越え、そして8月31日はついに11万件越え)となりました。その結果、1,612人についてKOVID-19への感染が新たに確認されました。 過去24時間に53人が亡くなった一方、1,021人が完治しました。累計検査数は758万3,200件となり、累計感染者数は27万6,555人、累計死者数は6,564人となりました。現在治療中の患者数は2万883人、重症患者数は1,076人、KOVID-19感染者の中で肺炎を起こしている人の割合は7.5%に、累計完治者数も24万9,108人となりました。 ファフレッティン・コジャ保健大臣はツイッターで、「今日、200ヶ所の検査機関で11万7,113件の検査が実施された。重症患者数の増加は継続している。今日完治した患者の数は、現在、新規感染者よりも少ない。今は、闘いと対策で、協力する時である。一致団結しよう」との表現を使いました。 今日2つ目に紹介する記事は、上でも言及しましたが、7月の貿易統計に関する記事を紹介します。こちらは8月31日付けのAAの記事です。 見出しは「7月のトルコからの輸出は、昨年同月と比べて5.8%減少した」です。 トルコの7月の輸出は、昨年同月と比べて5.8%減少して150億1,200万ドルとなり、輸入も7.9%減少して177億900万ドルとなりました。同月の貿易赤字は18.2%減少して26億9,700万ドルとなりました。(管理者注:4月段階では昨年同月と比べて、輸出は41.4%減、輸入は25%減、貿易赤字は67.0%増で、5月の段階では、輸出は40.9%減、輸入も27.8%減、貿易赤字は102.7%増加していましたが、6月の段階では、輸出は15.7%増、輸入も8.3%増、貿易赤字は17%増加となっていました) トルコ統計庁(TUIK)と商務省が協力して作成した2020年7月の暫定貿易統計が発表されました。 それによれば、一般貿易システム(GTS)による7月の輸出は、昨年同月と比べて5.8%減少して150億1,200万ドルとなり、輸入も7.9%減少して177億900万ドルとなりました。 同月の貿易赤字は18.2%減少して26億9,700万ドルとなりました。輸出が輸入をまかなう割合も昨年7月には82.9%でしたが、今年同月には84.8%に上昇しました。(管理者注:輸出が輸入をまかなう割合は4月には66.3%、5月には74.5%、6月には82.6%でした) 今年1~7月の期間では、輸出は、昨年同期と比べて13.1%低下して900億1,500万ドルに、一方、輸入も3.9%減少して1,166億500万ドルとなりました。 同期の貿易赤字は55.6%増加して265億9,000万ドルになりました。同期の輸出が輸入を賄う割合は、前年同期は85.9%でしたが、今年同期には77.2%に低下しました。 経済活動別に2020年7月の輸出を見た場合、製造業の割合は95.1%、農林水産業の割合は2.8%、鉱業・石材業の割合は1.6%となりました。 また、1~7月期を見た場合、製造業の割合は94.4%、農林水産業の割合は3.5%、鉱業・石材業の割合は1.7%となりました。 広義経済グループ分類によれば、7月の輸入は、中間財が72.3%、資本財が15.3%、消費財が12.2%でした。 また、1~7月の輸入は、中間財が75.2%、資本財が13.9%、消費財が10.6%でした。 2020年7月には、ドイツには14億6,800万ドルの輸出が行われ、同国はトルコが最も多くの輸出を行った国となりました。ドイツに次いで、9億7,300万ドルのイギリス、9億5,200万ドルのアメリカ、7億4,300万ドルのイラク及び7億400万ドルのフランスが続きました。このトップ5か国に対する輸出は、全輸出の32.2%を占めました。(管理者注:先月と逆転して、トップ5からイタリアが落ち、フランスが復帰しました。) また、1~7月の期間における輸出では、ドイツには85億6,700万ドルの輸出が行われ、同国はトルコが最も多くの輸出を行った国となりました。ドイツに次いで、55億7,000万ドルのアメリカ、54億2,800万ドルのイギリス、48億1,600万ドルのイラク及び42億3,300万ドルのイタリアが続きました。このトップ5か国に対する輸出は、全輸出の31.8%を占めました。(管理者注:前月に続き、今月も、順位の変更はありません) 一方、輸入では、中国が1位となりました。7月の中国からの輸入は、19億1,200万ドルでした。中国に次いで、18億3,500万ドルのドイツ、12億3,300万ドルのロシア、9億7,000万ドルのアメリカ及び9億6,200万ドルのイラクとなりました。このトップ5か国からの輸入は、全輸入の39.0%を占めました。(管理者注:トップ5では、4位と5位で、アメリカとイラクが逆転しました。) また、1~7月の期間における輸入では、中国が1位となりました。中国からは122億8,800万ドルの輸入が行われました。中国に次いで、109億4,800万ドルのドイツ、99億6,400万ドルのロシア、70億3,200万ドルのアメリカ及び46億5,400万ドルのイタリアが続きました。このトップ5か国からの輸入は、全輸出の38.5%を占めました。(管理者注:トップ5に変化はありません) 季節及び暦調整後では、2020年7月の輸出は2020年6月と比べて15.4%、同時期の輸入は9.7%、それぞれ増加しました。暦調整後では、2020年7月の輸出は2019年7月と比べて変化がなく、同月の輸入は9.7%増加となりました。 製造業製品の輸出の中でハイテク製品が占める割合は 7月には2.9%で、1~7月には3.4%となりました。 7月には、製造業製品が全輸入に占める割合は82.3%、1~7月には80.4%となり、ハイテク製品が工業製品の輸入に占める割合は7月には12.3%で、1~7月には13.2%となりました。 一方、特別貿易制度(OTS)によれば、7月には、輸出は、前年同月と比べて5.7%減少して142億6,400万ドルとなり、また、輸入は6.6%減少して171億4,000万ドルとなりました。 同月の貿易赤字は10.7%減少して28億7,600万ドルになりました。輸出が輸入をまかなう割合も2019年7月の82.4%から、今年同月は83.2%に上昇しました。 特別貿易制度(OTS)によれば、2020年1~7月の輸出は、前年同期と比べて13.8%減少して851億4,000万ドルとなり、また、輸入は4.5%減少して1,116億6,800万ドルとなりました。 また、1~7月期の貿易赤字は46.5%増加して265億2,800万ドルとなりました。また、輸出が輸入を賄う割合も、昨年1~7月の84.5%から今年同期には76.2%に低下しました。 今日最後に紹介するのは、これも上で紹介しましたが、先週の外貨準備高に関する記事で、これは昨日(3日)付けのAAの記事です。 見出しは「中央銀行の外貨準備高は846億3,600万ドルとなった」です。 トルコ中央銀行(TCMB)が発表した週間統計によれば、8月28日時点でのTCMBの外貨準備(通貨のみ)は38億4,000万ドル減少して415億9,400万ドルとなりました。8月21日の段階では454億3,400万ドルでした。 同期の金(Gold)準備は2億3,500万ドル増減少して、432億7,700万ドルから430億4,200万ドルからになりました。 その結果、TCMBの総外貨準備は、前週と比べて40億7,500万ドル減少して、887億1,100万ドルから846億3,600万ドルになりました。 トルコリラ等の外貨建ても含めた債券投資に関する情報を発信しています。外債投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。社債投資まとめ いろいろな投資情報が出ています。投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。株初心者向けIPO初値予想 今日はトルコのガラス製品を紹介します。 トルコのガラスは産業向け製品、大量生産品もそれなりの品質です。今日はトルコ・コーヒーも紹介します。ここからはブレスレッドです。