有機ＥＬ照明（OLED）の動向

・Universal Display（UDC）は、OLED技術とフラットパネル・ディスプレイの使用材料、半導体照明製品、電子通信、および他のオプトエレクトロニクス装置を開発、商業化している企業である。同社は、世界中で850以上の特許を所有し、プリンストン大学、南カリフォルニア大学、ミシガン大学、および有機ELリン光発光材料メーカの米PPGインダストリー・インクを含む、大学・企業と連携している。 また、チーメイオプトエレクトロニクスやデュポンディスプレイ・インク、コニカミノルタテクノロジーセンター・インク、LGディスプレイ株式会社、三星SDI、セイコーエプソン、ソニー、東北Pioneer、トヨタインダストリーズなどの会社と商業的な提携関係にある。

・同社は2008年6月には、燐光性材料を用いたOLEDで、1000cd/m2で102ルーメン/ワット(lm/W) の高いパワー効率を持つ白色OLEDの開発に成功した。この開発には、米国エネルギー省（DOE）から供給された資金も使用している。 2年間のプロジェクトで天井照明用の燐光性材料を用いたOLED機器を開発する契約をDOEと結んでいる。190万ドルの助成金を受けて、Armstrong World Industries社が照明機器開発を担当する。

・コニカミノルタホールディングスとUDCは、有機EL照明向けに有機EL技術のライセンス契約を締結している。コニカミノルタホールディングスは、UDCからリン光発光技術を含む有機EL技術のライセンス供与を受けている。

・2010年5月に、独NovaledとインドMoser Baerの米国子会社の Moser Baer TechnologiesとUDCは、DOEから4百万ドルの助成を受けてトップエミッション型の一般照明向けの白色有機EL照明パネルの開発を開始した。Moser Baerはパイロット製造ラインを構築し、Novaledはコストが高いITOが不要な金属基板を使った寿命が5万時間のトップエミッション型のプロセス技術を提供した。2011年2月には、Moser Baer TechnologiesとUDC の間でライセンス契約も結ばれた。インドMoser Baer はCD、 DVD、ブルーレイディスクなどの光記憶媒体や太陽電池のメーカで世界92カ国に展開し、従業員数は6000名以上である。

・2010年9月に、韓国の有機ELディスプレイと有機EL白色照明製造の顧客のサポートのために韓国法人子会社Universal Display Corporation Korea, Inc.（ソウル市）を設立した。

・2011年4月に、日本の有機ELディスプレイと有機EL白色照明製造の顧客のサポートのために日本法人子会社Universal Display Corporation Japan KK（東京港区）を設立した。

・2011年4月に、香港に化学研究所を設立した。日本と韓国の有機ELディスプレイと有機EL照明製造の顧客のサポートのために、2008年に設立した香港法人子会社Universal Display Corporation Hong Kong, Inc.の下で運営を行う。

・2011年第一四半期の売上は、2010年第一四半期に比べて2.26倍の9.6百万ドルになった。営業損益は2010年第一四半期の4.2百万ドルから、2.7百万ドルに減少した。

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