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2010.07.29
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カテゴリ:食品
一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第863話 「葡萄酒擬装」

 葡萄酒擬装の古典的な手法は、有名ブランドの高額商品の空き瓶を確保するあたりから始まる(笑)という噂もあるのですが、下戸な私としては噂でしか耳にする事が無い都市伝説の類になっています。

 この手の”噂”は、”酒なんて、一杯目はともかく、二杯目くらいから飲む人の舌と脳味噌が怪しくなり始め、三杯目に至る頃には何を飲ませても同じなんじゃないの?”という、外から素面で見ている人の感想があるような気がしないでもありません(大笑)。

 実話としては、病気の関係で禁酒か減酒を旦那が医者から申し渡された奥さんが、当初は素直に酒量を減らすように旦那と交渉したところ、”呑むのを止めるくらなら死んだ方が良い”と旦那がゴネはじめて途方暮れているというので、”あ~。なら、旦那の保険金をアップする契約を本人の前でやったら?”とブラックなそそのかしをした事があります。

 結局、私の人間心理の深淵を突く画期的な提案は却下されたのですが、”にゃらば、徐々に酒に水を混ぜていったら?”という第2案は採用され、夏場になるほど薄い酒を供給するシステムが構築され、酷暑の頃だと1/3くらいが水でも発覚しないようです。

 さて、葡萄酒はルーツを猿酒に求めると人類が誕生した時に既に存在していた事になるのですが、2-145”ワイン”の歴史が古いが故に研究され、研究の一つの成果として、さまざまな誤魔化しのテクニックが開発されていったようです。

 例えば、開封後に風味が低下する現象に関しては、赤ワインならば、グラスに1滴ほどの醤油を加えると素人には分からなくなり、白ワインだと高級味醂(みりん)を数滴加えるとこれまた素人には分からなくなる事が知られています ・・・ まあ、私はそんなことをしなくても分かりませんが(笑)。

 この風味改善方法の場合、加える分量は目安ですが、醤油も味醂も本醸造を使う事がミソで、特に味醂はミリン風調味料とうい似て非なるものがあるので注意することと、市販品を購入して自分で呑む範囲で行う場合は違法行為にはならないものの、第3者などが絡む場合は酒税法などの規制に抵触しないように注意すること。

 これは、葡萄酒の旨み成分がアミノ酸であることの裏返しなのですが、発酵食品だけに、発酵食品で味が補正できると考えるとわかりやすいかもしれません。

 ちなみに、江戸時代など、冷蔵庫が無かった時代には発酵をコントロールすることが難しく、いわゆる”酒が酢になる”現象をいかに食い止めるか?が課題となっていて、加水して薄めたり、複数の酒をブレンドしたりと、あの手この手の延命策が試みられています。

 となると、もう少し過激な ・・・ 食品衛生法や酒税法に違反する違法行為として国が法律で明確に禁止している風味の復活方法があり、俗に”レーズン・ドーピング”という呼称で知られているのですが、違法行為だけに詳細は略とします ・・・ この手口を知っている人は絶対にやらないように。

 なにしろ、あまりに劇的に味が変化し、上手にブレンドできる人がいると、2~4週間程で二束三文の安ワインが高級ワインと遜色の無い味になる事から、総務省がガイドラインを設けたくらいですが、もっとも、大東亜戦争の頃から”一升の酒が三升に化ける三倍酒”と揶揄された合成酒の類を”酒”として公認していたわけですからどんなもんかなと思わないでもありません(笑)。

 まあ、基本的に酒を飲まない私には、風味が復活したり、味が改善されたり、同じ量の原材料で最終産物が倍増することの何がありがたいのか?が今ひとつ分かっていないのでしょうが、肉の通電熟成にも似て、言われない限り気が付かないだろうな~という気がする加工方法ならば、そもそも論としては”禁止することに何の意味があるの?”かがどんどん分からなくなっていくのではなかろうか?

 或いは、酒の味が分かると豪語する人に言わせると、”ワインなんか、開封した直後から酸化(というか発酵が再開され)が始まるから、香りも味もどんどん劣化し、一晩も過ぎれば別物になる”といったような事を言うのですが、それほど敏感な味覚の持ち主が、何故煙草を吸うの?というあたりで、口内のニコチンなどの味よりも味の変化幅が大きいのかもしれません(笑)。

 ワインなど酒関連に関しては、”もやしもん(石川雅之)”のおかげで、”ああ、じゃあ「もやしもん」でも読んで自習してちょ”で話が済むようになったのですが、”もやしもん”の連載が始まった頃と比べると雲泥の差がそこにはあるかなと ・・・ オリゼーが絵本になったくらいですしねえ?

 そういえば”もやしもん”を読んだことのある人には説明が不用なのですが、酒の熟成を進める超音波熟成(微弱な超音波を酒に加えることで自然熟成の100倍を越えることもある早さで熟成が進む現象)があり、こちらは違法行為でもなんでもなく、メーカーの中にも醸造タンクに超音波を当てているところは実験目的を含めて複数実在します。

 ということは、”数千円程度の安ワインでも超音波を一定時間当てることで劇的に味が変化するのではないか?”ということに理屈の上ではなり、超音波メガネ洗浄機や超音波美顔機器などなど、その手の家電製品は身近にあることから一手間加えることで、かなり劇的に酒ライフが向上する可能性があります ・・・ 可能性ですが(笑)。

 以前から、例えば江戸時代でも上方と江戸を往復する船に酒樽を載せておくと味が良くなる事は知られていて一つのジャンルになっていきましたし、ワインもまた、欧羅巴の産地から赤道を越えて長距離を船底で揺れながら移動した事を売りにするワインもあったわけで、一定の振動を一定の時間加えると、じ~っと鎮座させていた同じ酒よりも熟成が進んで旨くなることが知られていました。

 まあ、沈没船から引き上げられた陶器の壺などに入ったワインが、低い海水温の中で、一定周期の波に長期間揺すられていたためか、類例が無いような美酒に化けている時が希にあるのもまた、振動が酒を美味にする事例なのかもしれません ・・・ まあ、まったく飲めたもんじゃなくなっていたという話も珍しくありませんが(笑)。

 それはともかく、超音波メガネ洗浄機だと安いものが量販店で数千円、ある程度ですが周波数などが調整できる超音波美顔機器の場合も数千~数万円程度で入手できますから、実験好きで酒好きな人は試してみる価値があるかもしれません ・・・ 此の辺り、100倍どころではないという話もあり、30~60分程度超音波を当てただけでも明確に味が変わる酒もあるそうなのですが、残念ながら私には事の真偽がわかりません ・・・ ま、怪しい話ですから(大笑)。

 もっとも、ワインなどは飲むのに適した温度という話があり、室温なども考慮する必要があるのですが、赤ワインで14~18度くらい、白ワインで10度以下が目安、ロゼはその中間ぐらいといった”適温”を守って呑んだ方が、下手に小細工をするよりも美味しくなるというか、美味しく感じるのだそうで、あれこれ蘊蓄を垂れるよりも、まずは温度管理を徹底するのが先だろうという人も珍しくありません。

 あれこれ余計なことが分かってくると、”あれ?じゃあ、何年産のどこそこの畑で取れた葡萄で造ったワインが、その前後のワインより旨いとは言い切れないということ?”という話になるのですが、もちろん、酒造りに発酵が絡む限りAはBだと言い切れない部分が付いて回ります ・・・ 007あたりが何年産のどこそのワインがどうしたと蘊蓄を語ると”そんなもんか?”と信じてしまいますが、旨いか不味いかはやはり自分の舌を信じた方が良さそうです。

 最初に書いた酒の水増し技法にしても、夏場に、赤ワインに水と氷を(時にはそこに砂糖を)加えて薄めて飲むのは、フォーマルな席ではともかく、パーソナルでやらかしている人はそれほど珍しくないそうで、夏場にアルコール度数が高いお酒を大量の水や氷で薄めて飲むというのは、別に病気を抱えていなくても、実践している人が意外と多いようです ・・・ どのみち、私は飲みませんが(笑)。

 今となっては、南北亜米利加(カリフォルニアワインとかチリワインとか ・・・)や阿弗利加(南阿弗利加のワインとか)といった比較的新しいワイン産地のワインの味が向上していて、欧羅巴のワインよりもコストパフォーマンスが高くなっているため、自分の舌を信じられる人は、別に下手に葡萄酒を擬装しなくても、安価で美味しい葡萄酒にありける時代に既になっているのだそうです。

 ま、新酒であるボジョレーヌーボーを(まあ、初鰹をありがたがるようなものでしょうが)ありがたがって飲んでいる日本人だけに、店頭ポップなどの書き方次第で、どんなワインでもありがたがって飲むようになる気がしないでもありませんが(大笑)。

初出:一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第863話:(2010/07/23)





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Last updated  2010.07.29 02:33:33
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