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2014.09.29
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カテゴリ:おたく文化
一夢庵 怪しい話 第4シリーズ 第942話 「小さな恋のものがたり」

 私的な選抜ですが、少女漫画において後進に多大な影響を与えたベスト3として、

1・小さな恋のものがたり(みつはしちかこ) ・・・ 小柄な女子高校生の頭頂に翻る元祖アホ毛。

2・綿の国星(大島弓子) ・・・ 猫耳をつけての擬人化。

3・つらいぜ!ボクちゃん(高橋亮子) ・・・ 食パンを咥えて”遅刻、遅刻”と叫びながらダッシュして運命の相手とごっつんこする。

を怪しい話において良く押していることは御存知の通り(笑)。

 なお、大島弓子の猫耳に関しては、”動物の擬人化表現”と考えると、先駆的な漫画として田河水泡(1899~1989)の”のらくろ(1931~1941。~1981)”シリーズの漫画史に残る前例があり、更に遡ると日本の漫画の出発点という説もある”鳥獣戯画(平安後期~鎌倉初期)”あたりまで遡ってしまうことは比較的知られた話ですが、後進に与えた影響が絶大で定番化させたということでは論を待たないかなと ・・・

・・・ まあ、猫耳をつけることで猫化したと主張する猫耳美少女系コスプレーヤーの発祥(発症か?)母体と書いた方がしっくりする気はしますが。

* 綿の国星(1978~1987)、大島弓子(1947~)

 高橋亮子に関しては、これを書いている時点だと”知る人ぞ知る・・・”漫画家さんですが、彼女がヒロインに食パンを咥えさせてダッシュさせる以前に、パンを咥えてダッシュして運命の彼氏に激突したヒロインが登場する漫画に今のところ(私は)遭遇していません。

* つらいぜ!ボクちゃん(1974~1975)、高橋亮子(1952~)

 さて、本題の”ちいこい”こと”小さな恋のものがたり”ですが、”美しい十代(学習研究社)”で連載が始まったのが1962年6月号のことだったので、不定期連載というか事実上”書き下ろし”で最終巻が出るまで(43巻。2014/09/27)の足掛け52年に渡って(整体のM先生に言わせれば)”うじうじうじうじうじうじうじ ・・・・ うじうじうじうじ、とチッチの初恋が描かれた”ことになります(笑)。

 これだけ長期化したこともあり、雑誌での連載も何度か移動というか移籍しているのですが、芳文社の”まんがタイムファミリー”での連載が2008年4月号を最後に長期休載という形になったのが雑誌連載としては作者の年齢や体調を考えると最後となるのかもしれません。

 単行本としては、立風書房→学習研究社→学研パブリッシングとこれまた移動というか移籍しながら発刊され、雑誌連載が休載となった後も、間はあいたものの(2007年の41巻以後はしばらく中断していた)新刊が発刊されていて、2014年9月27日の43巻でとりあえず完結した形になったわけです ・・・ ま、私は”この曖昧なエンディングだと、確実に○十年後を舞台にしたチッチとサリーのその後の話というニーズが出てくる”と考えておりますが(意外と真面目)。

 主人公のチッチ(小川チイコ)は背が高くハンサムで頭の出来もよろしいサリー(村上聡)に恋する背が低いことを気にしている女子高校生で、たまに奮起することがあるものの基本的に勉強もスポーツも駄目駄目娘で得意なのは料理と編み物という、学校を卒業した後の方が評価されやすいキャラクターだったりします ・・・ 私に言わせればですが。

 以前にも書いたことがありますが、チッチの頭頂部には、ときおりというかチッチが奮起したり興奮しているときに、ピンと1本の毛が立つ(その毛をとりあえず”アホ毛”と呼称していますが)ことがあり、みつはし先生いわく”犬の尻尾のようなもので、やる気になったときにあの毛は(意識して)立たせている”そうです。

 つまり、主人公の心理描写として”アホ毛”を利用したという点においてチッチが元祖の女子高校生なわけで、それ以前の漫画で描かれた女子高校生に髪型としてアホ毛があっても主人公の心理と連動させて意図的に動かして描き分けている作品が無いということです。

 微妙なところであえて言えば、”ゲゲゲの鬼太郎(水木しげる、1922~)”の妖怪アンテナが思い浮かびますが、そもそもの”空手鬼太郎”が1954年の紙芝居から始まり、貸本時代の”妖奇伝(1960)”を経て、1965年に週刊少年マガジン(講談社)で「墓場の鬼太郎」としてメジャーデビュー後、1967年に”ゲゲゲの鬼太郎”と改題してこれを書いている時点に至ったというのがざっくりした経緯になりますし、そもそも鬼太郎は女子高校生じゃありませんから”チッチがアホ毛の女子高校生の元祖と名乗っていいんじゃなかろうか?

* なお、ゲゲゲの鬼太郎の正式な元祖となる紙芝居”ハカバキタロー(墓場奇太郎)”の原作は伊藤正美、作画は辰巳恵洋で、戦前の1933~1935年頃に人気があったそうな。

 それはそれとして、”ちいこい”が定番化させた設定としては、”のっぽでハンサムで頭のよい彼氏と、ちびっ子で駄目娘のヒロインの恋愛憚”という基本構造もあり、当然のことながら、この基本構造に準拠したモテモテの彼氏を前にしてヒロインが不安心理に落ち込んだり焼きもちを焼く話がどのくらい量産されることになったかは指摘するまでもありますまい(笑)。

 興味深いところでは、日本では未だに人気が高い英吉利の恋愛映画に”小さな恋のメロディ(1971)”があるのですが、この本国と亜米利加では興行的に惨敗したこの作品の原題が単に” Melody(メロディ)”ということを知っている人は意外と少なく、なぜに日本で公開されたときに”小さな恋の+”が付加されたのか?に触れた資料に今のところ(私は)遭遇していなかったりしますし、みつはし先生もご存じないようですな(黒い笑)。

 ちなみに、この映画のラストで”結婚式”をあげた主人公たちが一緒にトロッコを漕いで逃げ出していくシーンに関しては、”鬼灯の冷徹(2010~、江口夏美)”がアニメ化されたとき(2014)にエンディングで金魚草のカップルがパクったものの、”やっぱ、メロディの主人公たちもこうなったんだろうな~”という結末を迎えたことは一部では知られた話になります(しみじみ)。

* 余談ですが、トロッコを漕ぐシーンはマーク・レスター君ではなく代役のコーネリアス君が演じているそうな。

 話を戻すと、平成のアホ毛の女子高校生として超メジャー化したのが”らき☆すた(2004~、美水かがみ、1977~)”の運動はできるが好きではなさそうで学業は学業でむらがある”泉こなた(身長142センチ)”とすれば、のっぽな彼氏とチビ子な彼女の恋愛憚という物語の基本構造を踏襲しているのは”月刊少女野崎くん(2011~、椿いづみ、非公開~)”かなと。

 ちなみに、”月刊少女野崎くん”の(たぶん)ヒロインである佐倉 千代(さくら ちよ)の身長145センチで、彼女が恋する同じ高校に通う同級生(ただしクラスは異なる)野崎 梅太郎(のざき うめたろう、既に少女漫画家としてデビュー済み。ペンネームは夢野 咲子(ゆめの さきこ))の身長は190センチですから、時代と供に彼氏の巨大化が進んでいる感はあります ・・・ なにせ、チッチの身長は132センチ(後に139センチ)、サリーの身長は185センチですから(笑)。

 もちろんというか、”らき☆すた”にしても”月刊少女野崎くん”にしても脇を固める個性的なオリジナルキャラが山盛りで、話の展開も独特なオリジナル作品であるが故にここに取り上げているのですが、半世紀を越える御長寿作品となるかどうかは定かではありません。

 いずれにしても、日本の商業誌連載漫画の不倒記録としては”仙人部落(1956~、小島功、1928~)”が不滅の記録を更新中ですが、それに続いていた”ちいこい”がとりあえずの完結をみたことで”ゴルゴ13(1968~、さいとう・たかを、1936~)”などの御長寿漫画の順位が繰り上がったのですが、少女漫画の単行本としては初めて1タイトルで百巻を達成し)、「二人組による1タイトルのコミックシリーズ最多発行巻数(女性作家) 」としてギネス世界記録に2014年に認定された”あさりちゃん(1978~2014、室山まゆみ(室山 眞弓、1955~、室山 眞里子、1957~))”も2014年でとりあえずの完結となったのでした。

 トップクラスの御長寿漫画が完結したことで、”ガラスの仮面(1976~、美内すずえ、1951~)”や”王家の紋章(1976~、細川 智栄子、1935~)”、パタリロ(1978~、魔夜 峰央、1953~)といった継続中の御長寿作品に関して、あれこれ思うこともあります ・・・ ま、”最終回が出版社の金庫の中に既に納品されている”という都市伝説めいた噂が流れている御長寿タイトルも中にはありますが。

* 漫画の世界最長連載記録はJim Russellの”The Potts”の連載61年(1940~2001)。

 作者が亡くなられて長期シリーズが立ち消えとなったといえば、明日香や真琴の恋の行方が永遠に謎となったこともあって、私的には和田慎二(1950~2011)先生を最初に思い浮かべるのですが、まあ、麻宮サキの恋の行方があの結末だったことを考えると謎となったことはヒロインたちにとっては幸いだったかもな~と思わないでもありません ・・・ 読者としては別の感想や見解がもちろんありますが(笑)。

(2014/09/29)





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Last updated  2014.10.21 13:16:48
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