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『仙』の御主人は無口だった。
妻君とカウンターに座っていると、お客さんが次々と来て二階へ上がっていく。 奥さんのTRさんは鳴る電話の応対と、出来た料理を運ぶのに忙しい。 息子さんは軽ワゴンで出前に行く。 かわいい娘さんも料理を手伝う。 カウンターに出されたのは、タイ、イサキ、ヒラメ、ヒラマサ、イカの刺身。 妻君と二人で”おいしい”を繰り返しながら、ビールを飲む。 店が忙しくて放っとかれた状態だったが、時間が過ぎて、お客さんが帰って行くと、奥さんがカウンターの前に座って焼酎をロックで飲み始めた。 昔の太田裕美か、今のスーザンか、という可愛い奥さんで、笑顔で妻君と30年前の熊本看護学校時代の思い出話を話し始めた。 御主人も先程までの頑固な顔が笑顔になり、息子さんに「鯨!」といわれた。 四角い肉のかたまりを包丁でさばいて皿に載せ、私達の前に置かれた。 「鯨のさえずりです!」 「鯨のどこの肉ですか?」 「鯨の舌の刺身です」 「なるほど、『鯨のささやき』ですか」 これをきっかけに御主人も次第に雄弁になり、奥さんとの出会いや子供のこと、五島のことを話される。 私と妻君は次々と出される料理を食べ、ビールを飲み、日本酒、焼酎をいただいた。 大満足の夜だった。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月23日 17時23分35秒
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