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2009年09月21日
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『仙』の御主人は無口だった。
妻君とカウンターに座っていると、お客さんが次々と来て二階へ上がっていく。
奥さんのTRさんは鳴る電話の応対と、出来た料理を運ぶのに忙しい。

息子さんは軽ワゴンで出前に行く。
かわいい娘さんも料理を手伝う。

カウンターに出されたのは、タイ、イサキ、ヒラメ、ヒラマサ、イカの刺身。
妻君と二人で”おいしい”を繰り返しながら、ビールを飲む。

店が忙しくて放っとかれた状態だったが、時間が過ぎて、お客さんが帰って行くと、奥さんがカウンターの前に座って焼酎をロックで飲み始めた。
昔の太田裕美か、今のスーザンか、という可愛い奥さんで、笑顔で妻君と30年前の熊本看護学校時代の思い出話を話し始めた。

御主人も先程までの頑固な顔が笑顔になり、息子さんに「鯨!」といわれた。
四角い肉のかたまりを包丁でさばいて皿に載せ、私達の前に置かれた。

「鯨のさえずりです!」
「鯨のどこの肉ですか?」
「鯨の舌の刺身です」
「なるほど、『鯨のささやき』ですか」

これをきっかけに御主人も次第に雄弁になり、奥さんとの出会いや子供のこと、五島のことを話される。

私と妻君は次々と出される料理を食べ、ビールを飲み、日本酒、焼酎をいただいた。
大満足の夜だった。。。

仙カウンター





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最終更新日  2009年09月23日 17時23分35秒
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