私の問題解決の考え方 第3章3

<新しい情報を活用できるか・・・確率の更新>

例えば、新しい、大きなダムを10年後に完成させる計画を立てたとしましょう。計画を立てたときには、作ると、国民の得になるはずであったのが、何年か経って、費用とか、その他の問題が大きすぎて、作らない方が得だということが分かっても、お役所では、この計画を押し通そうとすることがあるようです。

家庭でこのような事態になれば、最初の計画をできるだけ早く変更するでしょうが、お役所だと、これをしないでおくことがあるのです。何年か経つと、計画を立てた人もいなくなり、損する計画が実行に移されてしまうかもしれないのです。

ここのところ、確率論の「ベイズの定理」の説明で、新しい証拠により、確率はどんどん変わることを説明してきました。これは「常識」なのです。普通の人でも、ちょっと考えればできることです。確率の勉強をしなくてもです。

さらに、最近私が話題にしている「チェック機能」のこととも関係あるのですが、この世の中で、常識を使って考えられない(考えない)人達が、会社とか、お役所の重要な地位(大事な決定をする職)に多くいるのではないでしょうか。

こういう人達に任せないで、コンピューターに判断を「お願い」し、これらの人達にはコンピューターの結果に従う行動しかさせないようにしないといけないのでしょうか。

これでは、正に、コンピューターに使われる人間です。

そうなってもらいたくありません。人間が馬鹿になったわけではないと思います。かなりの人達がだんだん頭を使おうとしなくなってきてしまったのでしょうか。

いや、世の中の悪人達は、前より一層頭をよく使って、馬鹿な善人達を好きなように操り、お金を搾り取っているような気がします。[オレオレ詐欺のように;2014年記]
 
ああ情けない!


<問題解決と確率・統計>

これまで確率・統計の説明をして、論文「私の問題解決の考え方」の第2章「問題解決の基本的な考え方」の内容と、確率・統計の考え方に、かなり共通したところがあるのが分かってきました。

問題解決という目標を、確率・統計では、「解決成功の確率を1に近づける」とし、この確率に各種要因が影響を与えていて、どのようにしたら、つまり、これらの要因がどうなったら、上記の確率を1に近づけられるかを考えるのです。

そのために、

1. 問題解決成功の確率を定義できるようにするために、具体的に、何をどのようにしたいのか、何を知りたいのか、何をやりたいのかをはっきりさせる。(何がどのように分からないか等)
2. 成功の要因となる情報(証拠)を探す。いろいろ調べ、試して、情報を集める(→第2章の「まんずやってみれ!」)。次に、これらの情報の良悪(目標との対応付けがあるか)を判定するとともに、目標達成のための解析も行なう(チェック機能)。そして、対応ありと判定された情報(証拠)を整理、分類して、目標(問題の解決)と対応(関連)付ける。

のような検討と解析を行なうのです。


ここでちょっと休憩しましょう。


<真っ赤な嘘> 02月07日

テレビの天気予報で、「今日は暖かくなる」と言っていました。ところが、まだ寒いです。もう午後4時を過ぎています。予報士は「今日は暖かくなる」だけでなく、10度以上暖かくなるとまで言っていました。

これでは、「嘘つき!」と叫びたくなります。今日だけではありません。

でも、考えてみたら、こういうのは、よくあることです。本当は、「今日は暖かくなると思う」とでも言うべきなのですが、「思う」を省略しているのでしょう。

もうちょっと考えてみたら、科学技術の分野の論文でも、そのようなことが多いのです。科学の世界では、客観性を重んじるためか、「私は・・・と思う」というような書き方は好まれないのです。そして、本当なら、思っているだけなのに、断定した書き方になってしまうのではないでしょうか。

私も、論文を書き始めた頃、「と思う」を連発して、上司に注意されました。「と思う」というのは省略されていると考えればいいのだと言われました。私は、それから、「と考えられる」というのを連発するようになりました。

私は、はっきり分からないことを分かったように書くのには反対です。ですから、今書いている論文では、「と思う」を躊躇(ちゅうちょ)なく使います。

さらに、「分からない」というのも、場合によっていろいろ違うのです。確率の定義とも密接な関係があります。これまで確率で考えられてきた現象は、大勢の人達の行動の傾向に関するものでした。それを確率で表して、いろいろな検討をしてきました。

ところで、一般的に考えると、私一人だったらどうするというような個々の問題の方が多いのです。また、私の気分のような、心(気)の問題が関わる場合が多いのです。この場合、確率は、主観的なものにならざるを得ません。


<「確率」について・・・ただ1人とか1回の場合は??? の続き >

確率の中に心の問題が入ってくる例を考えましょう。

30,000人の問題解決の調査結果の中で、1人とか1回だけの問題でも、自分の中のいろいろな可能性を考えながら、結果を見ればいいかもしれないと言いました(2月6日)。ここでは、私の心理状態なども加えて、私が「まんずやってみれ!」方式を使うようになった経緯を説明してみましょう(これは作り話ですが)。

あまり優秀でない研究者(当たっている)である私が、非常に優秀な研究者である、私の先輩に相談したら、「まんずやってみれ!」方式を勧められたのでした。今やろうとしてる研究にこの方式を使った場合(M)、研究が成功(Y)する確率P(Y|M)は0.9であると言われました。それに対して、この方式を使わない(NM)と、成功(Y)の確率P(Y|NM)は0.5なのだそうです。

先輩から、そう言われても、私は、心の中で、この方式を使ってもそんなに効果はないだろうと思っていました。ですから、確率にしてみると、せいぜい、P(Y|M)=0.6ぐらいかなと思いました(同じ現象の確率が人によって変わってしまうのです;即ち、主観的なものなのです)。さらに、正直なところ、私には、こうやったらできるだろうと思っていることがあって、いろいろやってみたくなかったのです。いろいろやると、手間もかかるし、面倒くさかったのです。

このような私の偏見とか思い込みも影響して、結局、先輩の忠告も、私の中の10%しか受け入れず、この方式を使った割合(確率)P(M)はたった0.1でした。即ち、先輩と私の認識((P(Y|M)の値)に大きな違いがあり、それが私の行為(P(M)の値)に現れたのでした(先輩はこの値を1にして欲しいと思っていました)。

しかし、この研究が終わって反省してみると、私の当初思っていたやり方が的外れであったために研究の完成を遅らせてしまったことを認めなければなりませんでした。一方、私が「まずやってみた」部分(ごく一部ですが)が結果の成功に貢献しているように思えたのです(感じだけですが)。

そこで、次の研究のとき、「まんずやってみれ!」方式をもっと取り入れてみたのです。そうすると、成功確率は上がり、この方式の効果がさらにはっきり分かりました。

結局、最後には、先輩の助言通りに、全面的に(P(M)=1)この方式を使うようになりました。

しかし、そうしても、成功の確率は100%ではありませんでした(上の例では90%)。これをもっと上げられないかといろいろ検討をしました。失敗したときに、どういう現象が起きて失敗したのかを調べたのです。このように、自分がやったことと、結果(成功か失敗か)の対応付けを明らかにすることから、失敗を減らすための対策が立てられるようになったのです。(チェック機能)

その結果、ついに、この前と同じような研究では、「まんずやってみれ!」方式を使って、成功の確率を98%にすることができました。

以上説明したように、同じ確率が、人によって、その人の心理状態によって、その時点でのその人の知識の度合いによって、思い込みや偏見によって、また問題を解決したいという、やる気と努力によっても、いろいろと変わるのです。従って、確率を決める要因には、客観的な事実、人間の理性、理屈や論理的なもの、科学的、技術的知識などだけではなく、人間の心、感性、欲望、自信の有無なども含まれてしまうのです。


<ところで、最近女房が・・・ >

私が相談を受けたとき相手に言っているようなことを、彼女は自信たっぷりで言っているのです。

☆人に言われたからやるのではなく、自分で考えて、判断しなければいけない。
☆人間は人に言われたことはなかなかやらない。自分でやる気にならないとなにもできない。
☆私は、人がすぐに私の言ったことをやらなくても、その人が自分でやる気になってやるのを待つことにしている。

などです。悔しいことに、私より説得力があるような言い方ができるのです。他人の、将来のことなど、なんとも言えないはずなのに、分かっているような言い方ができるのです。

そして、結構いろいろな人の相談に乗っているようです。問題解決研究所にとってはありがたいこと(副所長です)なのですが、私も負けないようにしなければ。



<物は考え様・・・押しても駄目なら引いてみな!> 2月14日

コインを投げるとき、可能性に表と裏しかないのがはっきりしているなら、一定の回数投げて、
 表の出る回数を増やすことと、
 裏の出る回数を減らすこと
は同じことになります。

例えば、

 健康になりたい →病気にならないようにする
         →今持っている病気を治す

 成功の要因を探す →失敗の要因を考える
 成功の確率を上げる →失敗の確率を下げる
 できると思う →できないことはないと思う
 何かを知りたい →それについて分からないことを減らす

などです。ちょっと考え方を変えるだけで、今までできなかったことができるかもしれません。

なお、私は自信がないことが多いので、問題が解決できると思うことは少ないのですが、解決できないことはないと思うようにしています(上記太字部分)。



<確率・統計について後なにを書こうか?>

1.確率・統計的に考えた、問題解決支援の手順

 考える道筋と検討要素(絵にする)
 チェック機能(良否の判定と問題解決策検討)
  今、世の中で大きな問題になっています。耐震強度偽装でも、防衛施設庁談合でも、ライブドアでも、東横インでも、ウィルスチェックでも、衛星打ち上げでも、皆チェック機能がうまく行っていません。

2.エントロピーの理解(世の中の変化の仕方)

 世の中は全て、
  確率のより高い方向へ変化する
  場合(可能性)の数の多い方に変化する
  同じ状態と見なせる可能性の数が多い方に変化する

 →自然の流れがある(そうなる可能性がもっとも高い方向へ変化)

問題解決のとき、私としては、
 →自分のやりたいことを自然の流れにする
 →そのためには自分が最善を尽くす(なるべくして成就する)
 →他の人達にもやりたいことを成功させたいと思ってもらい、助けてもらう
 →自分が必死にならないと成功し(自然の流れになら)ないと思う

3.確率・統計への「心の要因」の影響の仕方

 確率定義のために考える可能性の違い
 確率の値の違い
 考えるべき要素の違い
 要素のつながりの違い

これらは人によっても違うし、1人の人でも、時によって違うでしょう。

4.確率から主観性を除けない!

科学の世界では「客観性」が重要視されますが、見かけ上そうであっても、実際には、主観性を排除することはできません。


<エントロピー> 

は物理より、確率・統計!  確率の尺度と言えるでしょう。

エントロピーが増えるというのは、より可能性が高い(確率が高い)状態に変化するということでしかないのです。これは、熱力学の第2法則でもあります。


<エントロピーは最大になろうとする>

全ての現象は、そうなる可能性が最も大きい状態になろうとする、ということです。そうなっている確率が最大ということです。

例えば、コインを投げる現象を考えてみましょう。10回投げると、「5回表が出る」という現象が一番起きやすいのです(表と裏が出る確率が同じとして)。例えば、1回目から10回目まで順に、

表表裏裏裏表表裏表裏
裏表表裏裏裏表裏表表
・・・

のような、順番の組み合わせの可能性が252通りあります(表と裏が5回ずつ出る)。

それに対し、表が4回あるいは6回出る(同じ)出方が210通りずつ、
表が3回あるいは7回の出方が120通りずつ、・・・で、表が0か10回の出方が1通りずつになります。

それぞれの可能性の数の対数(log)がエントロピーなのです。

即ち、5回出る可能性(確率)が最も高いのです。エントロピーも最大です。全ての場合の数は2の10乗(1024)通りですので、5回出る(252通り)確率が一番高くて、24.6%になります。10回コインを投げると、5回表が出る場合、エントロピーが最も大きくなる(そうなりやすい)ということになります。

これに続いて、表が4回あるいは6回出る確率は20.5%ずつになります。
つまり、表が5回出ることが最も多いのですが、4回と6回の場合もかなりあるということです。

しかし、表がゼロ回あるいは10回の確率はほぼ0.1%しかありません。こういうことはめったにないということになります。


<自分の行きたい方向=「自然の流れ」(運命)にしよう!> 2月15日

目標を高く!
信念を持って、倦まず、怠らず、「目標の山頂」を目指そう!
 
  本居宣長:「宇比山踏」(少し変えましたが)(2)


自分が頑張って、最善を尽くさないと、やりたいことが自然の流れ(確率が高い方向へ)にはなりません。自分の頑張りでやり遂げられる確率を上げるのです。

「自然の流れ」を大事にしましょう。



<「縁」と「心の通じ合い」> 2月15日

夕べ、女房のかかっている整体の先生から、患者との気持ちの通じ合いの話を聞きました。

1人の患者さんが、膝だの、肩だの、首だの、調子が悪くてこの先生にかかったのですが、先生をあんまり信じてくれないようだし、先生の注意もなかなか聞いてくれなかったのだそうです。

そのうちに状態が悪化してしまい、患者さんも今度は真剣になったらしいのです。先生とよく話し合った結果、先生が心から自分を治そうとしてくれているということが分かり、自分も、先生の言うことを聞き、治療してもらったら、きっと治るだろうと思ったのでした。

このときから、2人の心が通じ合い、同じ目的に向かって努力できるようになったのでした。そして、この患者さんは割りと短い時間で治ってしまったのだそうです。

このように、何かの「縁」で2人が知り合い、「心が通じ合い」、患者さんが健康を取り戻すことができたのです。

研究(問題解決)で、私にも似たような経験がいくつかあります。


<運命はあるのか?>  2月15日

私のこれまでの研究生活の中で、私のやることに関し、その結果が決まっていたのではないかと思うことが何回かありました。私の能力や意志だけでは無理だろうと思うようなことができてしまったことがあるのです。

神様がいて、そうなるようにしているのでしょうか。この世界の物理現象として、どうなるかが決まっていたのでしょうか。

私には分かりません。それはそれとして、また、私がそのことについて悩んでもしようがないと思います。

しかし、私が自分の未来のことを知らなかったのは確かです。しかし、分からないにしろ、ある程度の予想はしました。それが確率なのですが、運命を思わせた事柄、いずれの場合でも、予想確率は非常に低いのに(私に自信がないということ)、実際には、実現してしまったのです。

もし、全知全能の神様がいたら、これらの確率は1になるのです。私を知っている、いろいろな人達に聞けば、いろいろな確率の値を言ったことでしょう。現象は同じでも、確率はいろいろな値になるのです。


<私の仕事でも・・・ >  2月16日

「縁」と「心の通じ合い」のお蔭の部分が多いです。

30年以上前に、会社に入ってから、まだあまり経っていない頃のことです。工場の、ある問題について研究をしてくれと言われました。ほとんど素人の状態で工場へ行って話を聞くと、この問題は、そのとき、製品(この工場の製品のかなりの部分)を大量に生産するための一番大きな問題なのだそうです。そして、まだ、どうしたらいいか分からないとのことでした。

そんなに大事なことなら、できるかぎりやってみたいと思うようになり、分からないながら、私は、その時点での検査のやり方とか、対策の立て方とか、いろいろ調べ始めました。

工場の担当者達は、皆やる気十分で、なんとか問題を解決したいという意欲を持っていました。いろいろ話し合っていくうちに、私も、一緒に、この問題をぜひ解決したいと思うようになり、その後、この人達とは、研究所の仲間達より緊密かも知れないような協力ができるようになり、思ったより簡単に問題は解決してしまいました。


<自分の中にもいろいろな自分がいる!> 2月16日

うまく利用しましょう!

「縁」と「心の通じ合い」

これまで、私は、研究をやってきて、いろいろな人との「縁」や「心の通じ合い」に助けられました。

一方、この間、3万人の人達の問題解決の調査の話でちょっと触れましたが、私自身の中にも、いろいろな自分がいると考えられるのです。これらの大勢の自分が何かの「縁」で出会い、「心が通じ合って」、問題の解決につながることも考えられると思います。

例えば、今日の日記の、会社の問題の解決でも、素人の私がいきなり問題を説明されて、やれと言われても、やりたくないし、できないと思います。しかし、

言われた仕事をやり遂げたいと思う私、
工場の担当者の熱意に感動する私、
なぜうまく行かないのかを知りたいと思う私、
ちょっと試し始めたら面白くなってきた私、

など、いろいろと違う私が、そのとき、ちょうど出会い、つながって、一気にやる気が出てきたような気がします。後から考えるとかなり大変な仕事でしたが、そのときはいやではなく、むしろ楽しく研究できました。

休日に工場へ行って、工場の人達と一緒に、実験し、お弁当(女房が作った)を食べたことなどが思い出されます。


上記の他にも
 自分の中のいろいろな私
がいるのです。

あまりよくない方は
 怠け者の私、
 面倒くさがり屋の私、
 なるようにしかならないと思う私、
 新しい研究に乗り気になれない私、
 すぐ諦めてしまう私、
 難しい面ばかり考えてしまう私、
 飽きやすい私、
など、考えれば、まだ沢山あります。


<成功と失敗の差は紙一重???>

自分の頭が悪いと思っても、人の方が優秀だと思っても、自分は集中力がないと思っても、失敗するとは限らないのです!

ほんのちょっとのことで成功してしまうかもしれないのです。逆に、失敗してしまうかもしれません。油断もできないのです。

0.05秒の差で銅メダルを逸した。
相手が転んでしまって、入賞の可能性が出てきた。
入学試験も一点の差で合否が決まるのです。

など、いろいろなことが起きて、成功したり、失敗したりしているのがこの世の中なのです。皆、「自然の流れ」の一面なのです。ほんの一押しで、自然の流れが自分の望んでいる方向になるのです。

全て、確率の問題なのです。日頃の、弛みない努力が成功の確率を大きくしてくれるのです。自分のやりたいことに向けて常に最善を尽くすことです。そして、それが「自然の流れ」になる確率を高くしてくれるのです。


<「自然の流れ」に乗ってやりたいことをやる >

自分がやりたいことが「自然の流れ」になれば(運命であれば)理想的なのですが、・・・

この世の中、人間の身勝手(傲慢)な考えで、自分達の「便利さ」のために自然を変えようとしているのです。その結果、便利になることはあっても、弊害も多いのです。

次のようなことを常に認識していることが大事だと思います。

なるべく自然にまかせる
自然が最も安定
自然を大事にする
自然を侮らない
なるべく人工物を使ったり、作ったりしない

しかし、これは、何もしないで運命に身を任せよ、ということではありません。

目標を大きく持って、毎日、倦まず、怠らず、目標に向けて、最善の努力を続けていけば、自分のやっていることが自然の流れになる可能性があると思います。

縁を大事にしよう
進んで苦労しよう
努力しよう
感謝しよう
元気に生きよう
楽しもう
好奇心を持とう
分からないことが沢山あるのを認めよう
分からないときは聞こう
正直で、素直になろう
やりたいことをはっきりさせよう
まんずやって見れ
自分で経験し、考えて、判断、行動しよう


まだ、うまく表現できませんが。
「やりたいことを自然の流れにする。」


<「自然の流れ」に乗って・・・の反省>

昨日、偉そうなことを言ってしまいましたが、私には、尊敬する先輩や先人達の言うことを聞かないことも多いのです。

簡単に言うと、疑い深いのでしょうか。素直でないのでしょうか。

信仰心がない、神様がいるかどうか分からない
信じるものがない
自信がない
(でも失敗するとも思わないのですが)
本当の苦労を経験していない
考えが発散しやすい

など、まだまだ沢山あるでしょう。


<運命についてももう少し>

運命がどのようにして決まっているのか分かりません。

 全知全能の神様かな?
 宇宙ができたときの最初の状態で、もうその後どうなるかは必然的に決まっていた?(物理現象として)
 それなら、最初の状態はどう決まったのか?
 ???

分かりません。でも、今の私の知識の度合い、私がやろうと思うこと、やるべきこと、実際にやることと、運命の決まり方は直接関係ないかもしれません。

しかし、運命がある(自然の流れがある)というのは確かだと思います。神様や他のものを信じているわけではありませんが、とにかく、最善を尽くし、倦まず、怠らずに、自分の仕事を進めていけば、それが自分の運命(即ち、自然の流れ)になっていくと考えています。(最善を尽くしても成功しないという運命もありうるのですが。)


<いい音楽を聞き分けられるのが大事! >
 -チェック機能ー

これは中村紘子さんの言葉です。

これ、正に、チェック機能です。

これがなければ、身を刻むほど練習しても駄目です。

他の何かをやりとげたいときも、やっていることの良悪が分からないで、ただ努力するだけでは成功は難しいでしょう。


<神様はいるのか(いらっしゃるのか)?>

ここのところ、この日記で、確率・統計のことをいろいろと考えてきました。この間、説明したベイズの定理というのは、18世紀のイギリスの牧師であるベイズ(Thomas Bayes)が見つけたものです。

彼は、神がいることを証明しようとしているうちに、この式(定理)を見つけたらしいのです。(4)

この式は、ある原因Gがあったとき、その結果Kが起きる確率P(K|G)と、逆の、ある結果Kがあるとき、その原因がGである確率P(G|K)、との関係を示すものです。

ということは、神がいたら、こういうことが起きるとまず考えて、それらのことが起きていることから、神が存在する確率を計算しようとしたのでしょうか。

私には、神の存在はそう簡単に説明できないと思います。結局は信念の問題だと思います、確率を信念の度合いと取れば、確率を考えるのはいいと思います。しかし、全ての人を納得させるのは難しそうです。

<確率・統計について書くこと>  2月19日

☆目的をはっきりさせる。
 ・何をやりたいのか?
 ・何を知りたいのか?

☆人間には分からないことがあるのが当たり前
 ・分かると思うのは自分の頭の中だけ?

☆分からないことを認めて、「分からなさ」を知るのが大事
 ・何が、どのくらい分からないのか? →「確率」を考える。

☆確率とは?
 ・何かが起きる、何かが真実であると受け入れられる、考えられる、認められる、思われる、信じられる度合いを0から1の間の数で表したもの
 ・裏返せば、分からなさの度合い
 ・目的を達成させるための、いろいろな可能性(確率)を考える。
 ・問題解決とは、解決成功の確率を1に近づけること
 ・そのためには、解決を決める各種要因を明らかにし、それらがどうなっていたらいいかを調べる。

☆ベイズの定理(Bayes' theorem)
 ・予備知識 →事前確率
 ・確率には条件が付く →条件確率
 ・新しい証拠により確率が変わる。
 ・原因⇔結果 の予想あるいは推定
 ・ベイズ・ネットワーク →問題解決の筋道と成功確率の計算

☆大事なことのみを考える(Ockham's razor)。

☆エントロピー最大の法則・・・・・・自然の流れ(運命)
 ・全ての現象は、最も確率(可能性)が高い方向へ進む傾向がある。

☆「まんずやってみれ!」 →問題解決の筋道と確率を探る(2月20日の日記参照;ベイズ・ネットワーク)。
 ・やりながら考える。 →経験、体験、苦労
 ・やりたいことをはっきりさせる。
 ・やるべきことと計画の具体化
 ・いろいろな可能性を探す。
 ・各種問題点の洗い出し
 ・それぞれの重要性の見極め
 ・チェック機能
   良悪の判定法と、悪いところの改善策を探す。
 ・ 解決の筋道(論理的思考)


<いつも心に太陽を> 2月19日

これは長山洋子さんが大事にしている言葉だそうです。私も賛成です。

問題解決に成功するためには、元気で、明るく、感謝の気持ちを持って。

「まんずやってみれ!んでねば、やる気もでてこねえ!」

元気と勇気とやる気です。

前向きに。目標に向かって、倦まず、怠らずに。


<鶏250万羽のことをまだ考えています> 2月20日

茨城県で去年6月から殺された鶏のことです。

このことが「自然の流れ」である(可能性が最も高い展開)かどうかを考えているのです。

初め、これは確率の問題であるので、一番確率の高い状態から少しずれることもあるのかな、と思いました。例えば、コインを10回投げて表が5回出る確率が最も高いのですが、4回とか6回出る場合もかなりあるのです。

でも、この問題は、コインの表が出る回数が1,2回違う問題ではないと思います。私は、無差別に皆殺してしまうというのにはどうも納得できません。価値観が全く違う話、と言った方がいいのかもしれません。

いや、私の方がおかしいのかもしれません(ちょっと前は行政の考え方が良くないと思っていたのですが)。人間を守るためには、鳥を殺すのが一番いい方法だということでしょうか。この世の中、人間が良ければ、何をやってもいいというのが自然の流れなのでしょうか。

ここまで考えたら、日本とアメリカの狂牛病対策の違いのことを思い出してしまいました。日本は全頭検査、アメリカはごく一部だけで、日本へ輸出するのは生後20ヶ月以下?のものだけ、危険部位は除くのだそうです。

アメリカでは鶏の場合どうしているのでしょうか。

日本で、鳥インフルエンザでなく、牛インフルエンザだったらどうするのでしょうか。

また、昔は、奴隷とか、農民は、人間なのに、ひどい扱いを受けていたのです。

鳥を殺したのは、今の日本の社会の「自然の流れ」です。(上記太字部分)


<自然の流れ> 2月20日

本当の現実と、人間の頭の中で認識している「現実」とは違うと思います。また、人間がそうあるべきだと思う現実も違うものです。

現実として、自分達の幸せや便利さのことだけを考えて何かをやっても、少し長い目で、広いところを見ると、良くないことかもしれないのです。しかし、これも「自然の流れ」なのです。良い悪いとは別のことなのです。

自然の流れとして、地球は破滅の方向へ進んでいるのかもしれないし、人間はまだ結構生き延びられるのかもしれません。どちらになるか分かりませんが、どうなるのかは決まっているような気がします。人間がやることも含めてです。

しかし、私達にはそれが分からないのです。

レイチェル・カーソンの「沈黙の春」(Rachel Carson: Silent Spring)という本を思い出しました。(人間の身勝手さが自然を破壊していることを指摘しています。)


<「ベイズ・ネットワーク」による問題解決支援>  2月20日

確率・統計をいくらよく勉強しても、それだけでは、問題の解決はできません。

この間、「ベイズの定理」の説明で、結果から原因を推定しようとしたり、また、逆の流れ(原因 →結果)についても検討しました。

ここでは、非常に簡略化した、実際の問題解決の例として、ある製品を作るときの不良を減らすことについて考えてみましょう。そして、このとき、チェック機能を見つけることの重要性を説明しましょう。

まず、その製品に使ういろいろな材料があり、それらを使い、いろいろな工程を経て、製品ができるのです。これを図にすると、図3.4のようになります。



(材料) → (工程) → (製品)
 Z      K     S 

P(Z) → P(K|Z) → P(S|K) → P(S)


図3.4 製品ができるまでの流れ(とても簡単なベイズ・ネットワーク図)

それぞれの要素(カッコ内)が関係付けられているのです。良い製品ができる(目標)確率
P(S)を、材料が良いという確率P(Z)、材料が決まったとき工程がうまく行く確率P(K|Z)、工程が決まったとき良品になる確率P(S|K) などで表すのです。ここで、本当は、材料も、工程も沢山あり、もっと複雑につながっています。


ネットワークとは、ネットというのは網のことで、ある問題を解決するために必要なすべての作業の相互関係(つながり)を図式化したものです。そうすると、網目状になるのが普通です。


今回、この製品を作るべく、試作を重ねたのですが、不良率が30%もあることが分かりました(これが解決すべき問題です)。しかし、この製品は、いろいろな材料を使い、多くの工程を経て、製品となっているので、どこが悪いのかがなかなか分からなかったのです。

製品ができ上がれば、良品か不良品を検査できるのですが、途中では、やっていることの良悪が分かりませんでした。


☆ 自分がやったことをよく認識する

図3.4のような「ネットワーク」を作ってみることは、問題解決のために、何をどのようにやるかを考えるのを助けてくれます。

図3.4では、材料から製品までの流れを考えました。しかし、今回の場合、各種確率の値が分からないのです。はっきりしているのは、製品が良品である確率だけです。

ですから、図3.4とは逆の流れ(製品 →工程 →材料)を考えた方が考えやすいと思いました。製品を作るときに、どういう材料を使ったとか、どういう工程を行なったとか、気づいたことをできるだけ細かく記録しておいて、製品が良品や不良品になる結果を見て、どういう材料が良さそうだとか、どういう作り方が良さそうだとかを判断しました。そして、材料と工程の良し悪しを決めました。


☆ 具体的になにをした?

ベイズ・ネットワークというのは、普通、このような、分からないことが多い開発の問題などより、各種要因が明らかな問題の解決に適しています。例えば、世の中で既に広く使われている製品の故障を見つけて、対策を考えるような問題です。

ここで私が説明しようとしている場合は、製品について、まだよく分からないことが多い、開発段階での問題解決についてです。やり方が決まっているわけではなく、私が思いついたやり方(実験の経験から出てきたもので、実験のやり方も含んでいます)ですので、もっと良い方法があるかもしれません。しかし、私自身が考えたものです。私は、このことニ意味があると思います。やり方を含めて、いろいろと苦労して、考えることによって、問題をより深く理解でき、もっとも大事な、問題の原因と対策を探すのに役立てられるからです。

具体的にやったのは、唯一確かな結果(製品の良否)から始めて、それを決める原因につながる証拠(実際は兆候?;工程や材料の「良し悪し」)を探そうとしたことでした。


30,000個の製品を作りました。そうしたら、良品が21,000個、不良品が9,000個できました。これは確かな情報です。これでは、製品化はまだ無理です。

まず、21,000個の良品について、製品を作る工程Kと、使った材料Zの良し悪し(どちらも、試作と結果を見た私の判断というより「感じ」)により、分類しました。「良し悪し」の判断というのは、良い製品を作るために良いか悪いかということで、この時点では、私の判断の仕方が正しいかどうかは不明です。大事なのは、私が、どういう材料を使って、どういう工程を経て、どういう製品ができたかを記録していたことです。そのお陰で、以下の解析ができました。

良品SY21,000個の分類の内訳は以下の通りです(それぞれの場合、確率を表すときに使うために、記号が付いています)。ここで、下のデータの第一行を例に取ると、工程がうまく行って(私の判断ですが)、使った材料が良かった(これも私の判断)場合の良品の数が14,000個ということになります。


工程K  材料Z   製品数

良KY  良ZY   14,000
良KY  悪ZW    1,000

悪KW  良ZY    5,000
悪KW  悪ZW    1,000
     計     21,000  


一方、不良品SW9,000個の分類の内訳は次の通りでした。


工程K  材料Z   製品数

良KY   良ZY    4,667
良KY   悪ZW     333

悪KW  良ZY    3,333
悪KW  悪ZW      667
     計      9,000  


これらの分類結果から各種条件確率が求められます。

例えば、良品SYである場合、使った工程が良いKY確率は
 P(KY|SY)=(14,000+1,000)/21,000=5/7
になります。

このように、各種確率を求めると、次のようになります。

P(KY|SY)=5/7, P(KW|SY)=1-P(KY|SY)=2/7
P(KY|SW)=5/9, P(KW|SW)=4/9

P(ZY|KY)=14/15
P(ZY|KW)=5/6

P(SY)=0.7, P(KY)=2/3, P(ZY)=0.9

これらの結果を見ましょう。

1.最後の

P(SY)=0.7, P(KY)=2/3, P(ZY)=0.9

だけを見れば、良品率と、工程及び材料の良さとの間に、大ざっぱな対応があるように思われます。しかし、もう少し細かく見る必要があります。

2.条件確率を見ると、私が望む関係にはなっていないのです。

P(KY|SY)=5/7, P(KY|SW)=5/9

この結果は、良品のときの方が工程もうまく行っているということ示しているように思われます。しかし、良品SYなら、工程も良いのですが、不良品SWでも、工程が「良い(うまく行った)」KYと判断されていることがあることはあるのです。工程と良品率の良い対応があるなら、このときには、工程も悪いと判断されるべきなのです。

つまり、工程の良し悪しの判断ができるとはまだ言えないのです。

3.工程と材料の条件確率を次に見てみましょう。

P(ZY|KY)=14/15
P(ZY|KW)=5/6

で、一般的には、これらの確率は、良品、不良品で違う値になるはずなのですが、ほぼ同じになってしまいました。つまり、良品でも、不良品でも、工程と材料の関係が変わらないということになります。製品の良否と工程の方とはある程度関係があるので、良品率と材料との相関が少ないと考えられます。

実際に、材料は、類似製品でも既に使っているもので、実績のあるものなのです。このことから、今回は、材料は、今のままで良いということにしました。

ということは、
「工程の良し悪しが製品の良否をある程度決めていると考えられる」
ことになります。

☆ チェック機能が欲しい

これまでの解析より、現状を次のように把握しました。

1.材料より、工程のどこかに製品の良否を決める要因がある。
2.今の工程の良し悪しの判断の方法では不足である。
3.工程には沢山の作業があり、どこに問題があるのかまだ分からない。
4.工程が全部終わるには長い時間がかかるので、製品ができないと、工程の良し悪しが分からないのは大変不便である。

まだ解決ではありませんが、かなりの進歩です。

これらのことから、やるべきことがはっきりしてきました。不良品を調べて、その内容を解析し、どの工程が関係しているかを調べるのです。

大変な作業でしたが、不良品を調べると、多くのものは、どうも工程KXがうまく行っていないからだと考えられました。この工程が終わった時点での半製品の評価(良悪の;私の考え出した)結果と、製品の良否の判定結果を比べると、良い対応があることも分かりました。

検討の結果、チェック機能をCで表して、

P(CY|KY)=0.95
P(CY|KW)=0.01

になりました。これは、工程KXが良し(KY)ならば、チェックの結果も良し(CY)であり、もし、この工程が悪ければ(KW)、チェック結果でも駄目ということです。即ち、この評価をチェック機能として使えるということになります。

図3.4のベイズ・ネットワークにこのチェック機能Cを付け加えると、図3.5のようになります。



        工程KXで
       (チェックC)___
         ↑      ↓
(材料Z) →(工程K) →  (製品S)


図3.5 新しい流れ図(改良されたベイズ・ネットワーク)


ここで大事なことは、チェックの結果と製品の良否との間に相関があることです。このチェックができるようになると、開発がとてもやりやすくなります。工程KXまで進めて、ここでチェックすれば、製品の良否が分かるのです。製品を完成させなくても分かるということです。

ですから、この工程を徹底的に調べて、不良の原因を明らかにすれば、製品の不良率を下げるための対策の検討もできるのです。




(材料Z) →(KXまでの工程) →(チェックC)
          ↓  ↑     ↓
     (不良原因の解析と対策)_| 

図3.6 実質的な検討(チェック機能)
  
この図で示す手順と内容を「チェック機能」と呼ぶことにします。

以上説明したように、このチェック機能が見つかったことによって、この製品の開発が予想よりずい分早く完成したのでした。但し、この最後の部分は、確率・統計のおかげではなく、人間が、諦めずに、辛抱強く、自分達の頭と体を使って、判断、実験したからです。


ベイズ・ネットワークを「まんずやってみれ!」方式(第2章「問題解決の基本的な考え方」参照)と組み合わせて使うことにより、問題解決を効果的に行ナうことができます。以下、ベイズ・ネットワークを考えることの利点をあげます。

1.図に表すのは、私の思考を助けてくれます。特に、いろいろな要因の間のつながりや解決の道筋を認識させてくれます。
2.全て、目標達成という見方で考えさせてくれます。
3.実験や調査を行なうときに、やるべきことや重要な点を気づかせてくれます。
4.いろいろな可能性に気づくのを助けてくれます。
5.抜けがないように、自分で試し、考えて、判断、行動する助けになります。
6.問題を総合的に見るのを助けてくれます。
7.材料から製品の流れでも、製品から材料の逆の流れを考えてもよいのです。


確率・統計をいくら勉強しても、この問題解決については直接何も教えてくれません。しかし、この問題について、私が自分で考えるのを助けてくれるのです。


<覆水盆に返る・・・確率・統計では>
 -私の頭の中でも可能・・・反省ー

ベイズ・ネットワーク(ベイズの定理)を使って考えるときには、自然の流れに従って考えてもいいし、自然の流れの逆の方向に沿って考えてもいいのです。原因から結果でも、結果から原因を考えてもいいのです。

一方、実際に起きている、様々な現象は、一方向にしか進まないのです。時間とともに状態が変わって行きますが、時間を戻すことはできないのです。

しかし、考えてみたら、私達は、頭の中では、ごく自然に、時間を先に進めたり、戻したりして、いろいろ考えています。つまり、このことも、ベイズの定理が人間の頭の使い方に「合っている」ことを示していると思います。


確率・統計の見方での問題解決は、
 まず、解決のための、いろいろな可能性を洗い出すこと。それから、正しい証拠をもとに、可能性を絞っていき、正解にたどり着くことです。

1.問題を解決できる確率を定義すること
 目標(やりたいこと)をできる限り具体的にする。
 問題の解決につながる、各種要素を洗い出す。
 解決に至るまでの、これらの要素のつながりを明らかにする。
 一つ前の要素がどういう状態であったら、次の要素が好ましい状態になるかを明らかにする。 

2.この確率を1に近づけようとすること
 各要素が好ましい状態になる確率の関数として、最終的に成功する確率を表す。
 そのために、各要素をどういう状態にしたらいいのかを検討する。
 一般には、要素の数が多いので、特に、成功のために大事な要素を探す。
 その要素に関連した改良を集中的に検討する。
 まだ別の重要要素があればその検討も行なう。
 これらの検討では、新しい証拠に従い、改良する。
 
3.この確率は解決する人が定義するものであり、それを正しく定義できるかどうかは、その人の考え方、価値観、感情、気の持ち方(やる気、元気など)によって変わってくる。つまり、問題が解決できるかどうかは、理屈や能力以外の、「心の要因」の影響が大きい。


なお、第2章の言い方では

1.目標と解決の仕方をまず考える。
 
2.「まんずやってみれ!」で、実際に経験し、苦労して、
 
 実際の解決にまず着手する。
 目標を具体的に理解する。
 問題点を洗い出す。
 具体的に何をどうしたら問題解決につながるかを探る。
 実験しながら考える。
 
3.チェック機能法を考える

 やったことの良し悪しが判断できるようにする。
 「良し悪し」とは、「目標にとって良いか悪いか」ということである。
 悪かったとき、各種解析や検討により原因を調べて、改善策を考える。
 
4.解決作業

 新しい証拠をもとに、解決に近づける。
 
と表現できます。

ここでは、表面上は、「理性や実際の行動(実践)の要因」をまとめたものですが、実際には、「心の要因」も含まれています。そして、第2章の、私の基本的な考え方は、第3章の、確率・統計の考え方とも合っています。 






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