2.カマキリの仲間カマキリの仲間 1.オオカマキリ2.ハラビロカマキリ3.コカマキリ4.チョウセンカマキリをご紹介します。 1.オオカマキリ 「体長約20mmの幼体」 2006年5月 メスの成体 2006年10月 「体長約30mmの幼体」 2007年7月 メスの成体 2007年10月 「体長約50mmの幼体」2008年8月 「体長約40mmの幼体」2009年6月 「褐色型のメスの成体」2009年10月 「緑型のメスの成体」2009年10月 「褐色型のメスの成体」2009年11月 「体長15mmの幼体」2010年6月 「卵鞘からぶら下がった脱皮殻」2010年6月 「緑型のメスの成体」2010年11月 「褐色型のメスの成体」 2011年10月 「体長約40mmの幼体」2012年7月 「褐色型のメスの成体」2012年9月 「体長約80mmの緑型のメスの成体」2013年11月 カマキリ科 全長オス70~90mm メス75~95mm 北海道から九州の草むらなどに分布 観察期間は5~11月 えさ 虫など。まれに、野鳥などを襲う。(「オオカマキリに捕食されるキクイタダキ」 というタイトルで、野鳥を食べる写真がネットで公開されている。) 繁殖 8~11月。木の枝などに産卵する。まとまって産み付けられた卵は20~25mm四方の茶色い卵鞘になる。 孵化は5月頃。生まれてすぐに脱皮して1齢幼虫になる。 「オオカマキリの卵鞘(孵化後)」 2006年7月 2010年3月 鳴き声 なし 巣 なし 2000年9月、庭でオオカマキリのメスを見つけました。それから毎年5月になると、 庭でオオカマキリの赤ちゃんを見かけます。2002年の冬には、初めて卵鞘を見ました。 いつ生まれるかと楽しみにしていたら、2003年5月に、卵鞘のあった宿根バーベナ「花手毬」の 茎の近くにたくさんの赤ちゃんカマキリがいるのを見つけました。体長は1cmほどしかなく、 薄い褐色で、みんなでカマを構えて横揺れをしていました。 毎年、体長が2~3cmほどになると、我が庭からはいなくなり、秋になるとメスが産卵のため 帰ってきます。しばらくは網戸などに逆さまにぶら下がり、虫を捕らえて食べていますが、 11月頃には庭の片隅でひっそりと死に、翌年5月にはまた彼女の子供が孵化します。 2009年10月27日には初めて褐色型のメスを見ました。2日後から行方不明になりましたが、 11月18~20日に同一個体と思われるメスを見ました。彼女は20日夜から行方不明になりましたが、 翌2010年3月に彼女のものと思われる卵鞘を見つけました。この年は寒かったため孵化は遅く、6月10日に 体長15mmの幼体と卵鞘からぶら下がった脱皮殻の塊を確認しました。 2011年7月20日と21日には体長40mmと50mmの幼体を見ました。 2012年7月21日には体長40mmの褐色の幼体がいました。9月7日にベランダにいた褐色型のメスの成体は 同一個体かもしれません。捕まえて庭に放してやりました。 2.ハラビロカマキリ 「体長約10mmの幼体」 2006年6月 「体長約20mmの幼体」 2007年7月 「体長約20mmの幼体」 2007年7月 成体 2007年8月 成体の横顔 「体長約10mmの幼体」2010年6月 「体長約30mmの幼体」2010年8月 2010年8、9月(同一個体?) 「体長約60mmの成体」2010年9月 「体長約10mmの幼体」2011年6月 「体長15~20mmの幼体の脱皮殻」2011年7月 「体長40mmの褐色型の幼体」2011年7月 「体長40mmの褐色型の幼体」2011年8月 「体長55mmの褐色型の成体」2011年9月 「体長55mmの褐色型の成体」2011年9月 「体長約60mmの成体」2011年10月 「体長20mmの褐色型の幼体」2012年8月 「体長約60mmの成体」2013年9月 「体長約60mmの成体」2013年10月 「体長約60mmの成体」2013年11月 「8日後に見た同一個体?」2013年11月 「体長12~14mmの幼体」2014年6月「体長18mmの幼体」2014年6月 「体長30mmの幼体」2014年7月 「体長50mmの幼体」2014年8月 「体長50mmの成体」2014年9月 カマキリ科 全長オス45~65mm メス50~65mm 東北から南西諸島の林などに分布 観察期間は6~11月 えさ 虫 繁殖 8~11月。木の枝などに産卵する。まとまって産み付けられた卵は15~20mmの緑がかった 茶色い卵鞘になる。孵化は6月頃。 「ハラビロカマキリの卵鞘(孵化後?)」 2010年2月 「まだ新しい卵鞘」 2010年11月 「縦20、横15mmの卵鞘(正面から)」「同(横から)」2013年11月 「まだしっとりしている卵鞘(正面から)」「同(上から)」2014年10月 鳴き声 なし 巣 なし 2006年6月、庭でハラビロカマキリの赤ちゃんを見つけました。体長は約1cmなので、 生まれて間もないようです。小さいのに、一人前におなかを反らせた威嚇のポーズを していました。庭でこのカマキリを見たのは初めてだったので、成長するのを楽しみに していたのですが、すぐに行方不明になってしまいました。先に孵化していたオオカマキリに 食べられてしまったのかもしれません。どこかで無事に育って、秋に里帰り出産を しに来てくれるといいのですが。 2007年7月に体長2cmほどの幼体を見つけました。近くで孵化したようです。幼体を見たのは この日だけでしたが、8月26日に体長約60mmの成体を見つけました。メスが産卵のために 帰ってきたのかもしれません。 8月29日、庭のベニカナメ「レッドロビン」の葉の裏側にハラビロカマキリがいました。 近寄ってよく見ようとしたとき、ハラビロカマキリのわずか3cmほど前方に シラホシハナムグリがいることに気付きました。 シラホシハナムグリは全く気付いておらず、枝を数cm、上ったり下りたりしてずっと樹液を なめています。一方、ハラビロカマキリは、逆さまになったままその様子をじっと 見つめていました。 しばらくタイミングをはかっていたハラビロカマキリは、素早く葉の裏にくっついて 隠れるようにして、あと1cmのところまで忍び寄りました。カマを伸ばせば十分届く距離です。 危うしシラホシハナムグリ! しかし、慎重なハラビロカマキリは、襲うかどうか悩んでいるようで、足を1本あげて 緊張しています。 何も知らないシラホシハナムグリは、何気なく向きを変えてハラビロカマキリと 目が合いそうになりました。ハラビロカマキリは大慌てでのけぞり、 気付かれまいと必死です。 鈍感なシラホシハナムグリは全く気付かなかったようで、再び向きを変えて樹液を なめ始めました。ハラビロカマキリはチャンス到来とばかりに再び体勢を立て直し、 タイミングをはかっています。 ところが、そのとき風が吹き始めました。ハラビロカマキリは、 自分がしがみついている葉ごと風にあおられて上下に揺れています。カマを突き出して 懸命にバランスをとり、もうシラホシハナムグリどころではありません。もちろん、 その間もシラホシハナムグリはせっせと樹液をなめて腹ごしらえをしています。 やっと風がやんだと思ったら、満腹になったシラホシハナムグリは飛んでいって しまいました。おそらく、自分がもう少しで食べられるところだったとは気付いて いないでしょう。 風のいたずらで獲物を逃したハラビロカマキリは、諦められないのか、じっと シラホシハナムグリがいた場所を見つめていました。そっと近寄ると、やっとこちらを 振り返りましたが、すぐまた視線を戻してしまいました。よほど悔しかったのでしょう。 2008年9月10日、庭の見回りを終えてふとベニカナメ「レッドロビン」を見ると、 体長6cmほどのハラビロカマキリがヒロヘリアオイラガの幼虫を食べていました。 カマを小刻みに上下して毛虫のお腹をちびちびかじっています。毛の部分は残すのだと 思いますが、かぶれないのでしょうか。 近くにはあと3匹の幼虫がいたので、とりあえず、1匹は残しておくように頼んでおきました。 3.コカマキリ カマキリ科 全長オス36~55mm メス46~65mm 本州から九州の草むらなどに分布 観察期間は5~11月 えさ 虫 繁殖 8~11月。石の裏などに産卵する。まとまって産み付けられた卵は長さ25mm、幅12mmほどの 卵鞘になる。孵化は6月頃。 「コカマキリの卵鞘」 2009年11月 「同じ卵鞘」2009年12月 「孵化しなかった卵鞘の接着面」2010年12月 「同じ卵鞘を横に割ったもの(卵が詰まっている)」2010年12月 「中から出てきた卵」2010年12月 鳴き声 なし 巣 なし 2009年11月、庭で細長い卵鞘を見つけました。人工物の隙間に張り付いており、このときは 白っぽく見えました。数日後再び見ると、茶色っぽく変色していました。コカマキリは 植物以外のものの隙間に産卵することが多いそうです。6月頃に黒っぽい赤ちゃんが 孵化するのを楽しみにしていましたが、結局、孵化も幼体も確認できませんでした。2010年12月29日に 卵鞘をはがして横に割ってみると、中には長さ2mm、直径1mm足らずでカチカチになった卵が 詰まっていました。 4.チョウセンカマキリ 「体長約50mmの幼体」2013年8月 「体長約50mmの幼体」2013年8月 「翌日に見た同一個体?」2013年8月 「体長約70mmの褐色型の成体」2013年9月 「体長約70mmの褐色型の成体」2013年9月 「体長約70mmの褐色型の成体」2013年10月 「体長約70mmの褐色型の成体」2013年10月 カマキリ科 全長オス60~80mm メス70~85mm 本州から九州の草むらなどに分布 観察期間は5~11月 えさ 虫など。 繁殖 8~11月。木の枝などの高さ1.5~2.5mに産卵する。まとまった卵は長さ40mmほどの茶色い卵鞘になる。 孵化は5月頃か。生まれてすぐに脱皮して1齢幼虫になる。 正面から 横から「縦35mm、横20mm程度の卵鞘」 2013年11月 「アリに襲われる卵鞘」2014年5月 「同じ卵鞘」2014年6月 鳴き声 なし 巣 なし 2013年8月29日、ベニカナメ「レッドロビン」の葉の上に体長5cmほどのカマキリがいました。体長の割には細く、 まだ翅は生えていません。ちょうどカマの付け根が見えそうだったので、カメラを近づけて撮らせて もらいました。カマの付け根がけっこう赤かったので、チョウセンカマキリだとわかりました。ちなみに、 オオカマキリはカマの付け根が薄い黄色です。 翌日にはほぼ同じ場所で逆さまになっていました。9月14日にはやはり同じようなところにいましたが、 その後の台風の影響による大雨から行方不明です。9月30日には、ほふく性のローズマリーに体長70mm、 幅15mmほどの褐色型のがいました。カマの付け根の上の方はやはり赤色です。 10月4日にはほぼ同じところでイチモンジセセリをねらっていましたが逃げられました。10月17日には 木戸の上にいました。腹部はかなりふくらんでおり、産卵間近のようです。11月7日にはその近くの木の枝に 縦35mm、横20mm程度の卵鞘がありました。彼女が産んだのかもしれません。その後、見かけていませんが、 ここで一生を終えたのでしょうか。 2014年5月30日にはこの卵鞘にアリが群がっていました。中央の盛り上がった部分が 破壊されています。 孵化した後なのか、それともその前なのか、タイミング的には微妙なところでです。ただし、 アリたちはみんな手ぶらでした。6月10日には例の部分は完全になくなり、アリたちは ほとんどいなくなっていました。 その後も幼体は見られません。無事に孵化して元気に育っていることを祈ります。 |