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テーマ:『BLEACH』(613)
カテゴリ:いじりの話
36巻読んだら夜一さんとチビ兄様いじりたくなった。
ではどうぞ。 朽木家には可愛い坊がおってのう。 それがまた、見ているとどうも構ってやりたくなるのじゃ。 気の強い・・これまた負けず嫌いの坊でのう。 おまけに、まだ子供のくせに、立派なコチンコチンの石頭じゃ。 おなごの儂に負けるのがこれまた嫌なようでの? 悔しそうな顔をさせるのが、どうも楽しゅうてのう。 ついつい、からかってしまうのじゃ。 朽木の爺どのに、「孫の白哉なのじゃが・・子供と話す機会がどうもなくての。少し遊んでやってくれまいか。」、そう言われて部屋に行ってみれば、正座して何やら書物などを読んでおった。 気配で儂らが近付くのは解っていたのだろう、爺どのが声をかける前に「お入りください。」などと言いおったわ。 障子を開ければ、言うた通りじゃ。いかにも勉学をしておりますと言った感じじゃった。 じろりと儂を見て御挨拶にも「四楓院夜一か、何の用だ。」と言いおった。 「読書をしておったのか。」「はい、爺様。論語を読んでおりました。」 か~~~! このような坊が論語じゃと?!しかも家庭教師もおらぬのに読んでおるなどありえぬわ! 儂など、イヤイヤ読まされてのう・・。 コッソリ抜け出しておったら、最後には柱に括られて読まされたものじゃ。 まあ、それも簡単に抜け出ておったがの。 「勉学もよいが、少しは年の近い者と話してはどうじゃ。」 「・・四楓院夜一とですか?」 なんじゃ、そのいかにも嫌そうな顔は。爺様の手前、とりあえず「イヤ」と言うのは避けておきました、というのが丸見えじゃぞ。 「ここに菓子でも運ばせよう。次期当主同士親交を深めるのも必要じゃ。よいな、白哉。」 「・・・・・。はい。」 爺様がいなくなるや、白哉坊はまた書を読み始めたのじゃ。 「どうした、白哉坊。儂と話をするのではなかったのか?」 「お前と話すことなど無い。時間の無駄だ。 お前と話すくらいなら、書を読んだ方が遥かに有益なのは明白だ。」 「やれやれ・・。 おぬし、ちゃんと遊んでおるのか?」 「遊びだと?余人はともかく、朽木家の次期当主にはそのようなものなど不要だ。 当主になるべく身につけなければならぬ事は、山程ある。 遊びになど、下らぬ事に費やす時間など無い。」 なんじゃ、この石頭は。 『天賜兵装』の蔵で、何千年も仕舞われたような石頭じゃ。 「・・・菓子をお持ちしました。」 女中が、菓子を持ってきた。 菓子皿にこんもりと塩饅頭が載っておる。 よし、ひとつからかってやるかの。 白哉坊は実に行儀よく、饅頭を手に取った。そして、そのまま口に運ぼうとしたその時じゃ、儂の右手が閃いた。 そして、見事白哉坊は空気饅頭を食う羽目となった。 その時のあやつの顔と言ったらもうのう・・・。 何が起こったか全く分からないという顔じゃ。鳩が豆鉄砲を食らった顔とはこのことじゃろうのう! 「ここじゃ。」言われて白哉坊は儂の方を見た。 儂の手に饅頭があることを確認し、それから自分の手をもう一度見ておったわ。 儂は目の前で饅頭にかぶりついてやった。 ようやく何が起こったのか解ったのじゃろう。 途端に目つきが悪うなった。 そして、何も言わずにまた菓子皿に手を伸ばしたその先の饅頭を・・また儂が盗ってやった。 取ろうとしていた饅頭がまた突如消えたように見えたじゃろう。だが、今度は儂のせいじゃと気が付いておる。 「・・・四楓院夜一。・・きさ・・ふぐっ!」 儂への恨みを言うつもりじゃったのだろうが、それは残念にも白哉坊は出来なかったのじゃ。 ・・・なにせ・・・ 儂が食べかけの饅頭を奴の口に押し込んでやったからのう。 朽木家の次期当主が、喰おうと思った饅頭を横取りされたうえ、食べかけの饅頭を口に押し込まれた訳じゃ。無論あやつには初めての経験じゃろう。 ぷちっ。 儂はその時あやつの、何かがキレる音が確かに聞こえたのじゃ。 では白哉坊よ、遊ぶかの? 驚いた事に、まだ幼いのじゃが、立派に瞬歩をしてきたのじゃ。 遊びもせずに、鍛練しているというのはどうやら本当の様じゃのう。 だが、儂にはまだまだ子供の遊びじゃ。 必死で瞬歩するには狭い部屋の中を追いかけてくる。 無論儂を捕まえることなど出来ぬ。 すると、ますます頭に血がのぼったのか、体術も混ぜてくるようになった。 よしよし、こちらも励んでおる様じゃの。 どうせなら、白哉坊に、色々初めての経験をさせてやろう。 部屋は閉め切られている。 廊下につながる方は明かり取りを兼ねるため全て障子戸じゃ。よし。 儂はわざと障子戸ギリギリに瞬歩した。 頭に血ののぼった白哉坊は当然そこへ瞬歩してくる。 儂はこれまたわざとギリギリまで奴が飛び込んでくるのを待った。 白哉坊はようやく捕まえられると思ったのじゃろう。 してやったりと言う顔をしおったわ。 ・・・甘いのう。 儂はそこから瞬歩した。 白哉坊からは飛びかかろうとした儂がいきなり消え、そして目の前には障子戸があった訳じゃ。 白哉坊は見事、まず手で障子に穴をあけた後、止まらずに障子戸を押し倒した。 坊はそのまま動かなかった。 障子戸と供に伏せたままじゃ。 どうした?その程度では怪我などしておらぬじゃろうて。 右手が障子を掴んで、ぐしゃりとまた新たな穴をあけた。 余程悔しいのか、伏せたままの肩がふるふる震えておる。 「・・・貴様・・・。」 「障子を壊すとは、おぬしもとんだいたずら者じゃのう、白哉坊よ。」 「・・・貴様・・・・。」 「爺どのに叱られてしまうぞ。おお怖い怖い。」 「・・・貴様~~~~~!!」 後は、障子も何も無い世界じゃ。 じゃが、断っておくが儂は何も壊してはおらぬぞ? 坊はいい顔をしておった。 年相応の顔じゃ、そこには朽木だのなんだのは何処へやらと吹き飛んでおるわ。 無我夢中で遊ぶ。 それは子供の一つの大事な仕事なのじゃ。 初めての遊びはどうやら白哉坊は夢中になりすぎたようでの。 ちょと、派手にやらかし始めたその時じゃ。 爺どのが顔を出した。 「これはまた・・派手にやらかしたものじゃの。」 途端に、白哉坊が凍りついた。 そうじゃろうのう。 部屋はめちゃくちゃじゃ。障子と言う障子は破れ、畳はひっくり返り、さらにその畳まで穴があいたり、二つに折れまがったりしておるのじゃから。 坊は恐らく障子一つ破ったことなどないじゃろうから、凍りつくのは当然じゃ。 「遊べと言う事じゃったので、遊んでおりましたぞ。」 悪びれずに、儂が言うと、爺どのは「ふむ」、というように部屋を見渡してこう言ったのじゃ。 「これからは、外で遊んでやってくれぬかの?」 「誰がこやつなどと!!二度とごめんです!」白哉坊がどうやら解凍出来た様じゃ。口を出してきおった。 「承知した。ではこれにて失礼するかの。」 「今日は白哉の相手をして頂き、礼を言う。」 「爺様!こやつなどに礼を言う必要などありません!」 「何、楽しかったぞ。また遊んでやるから待っておれ。」 「二度と来るな!四楓院夜一!」 ひらひらと手を振って庭から帰ろうとするわしの背に障子の戸が投げつけられるので、仕方なくそのまま瞬歩で退場じゃ。 遊びなど必要ないと言うがのう、白哉坊よ。 遊びと言うのは大切なのじゃ。 遊びは、大人になったときの予習を兼ねておる。 そして、来たるべき切磋琢磨の入り口なのじゃ。 ままごとは、大人の日常を切り取るものじゃ。そして一日の流れの復習でもある。 鬼ごととて、大事な鍛錬の一つじゃ。ただ速くてもダメなのじゃ。遅くしたり速くしたり自在に変えられねばならぬ。 おなごの儂にしてやられて、さぞかし悔しかろう? おぬしはおなごを心の何処かで少なくとも戦士としては劣る存在と思うておる筈じゃ。 さてその答えは・・今日おぬしが感じ取ったじゃろう。 遊びから学ぶことは多いぞ、白哉坊。 遊びだからこそ学べることもある。 遊ぶのじゃ、白哉坊。 何?相手がおらぬじゃと? ・・仕方無いのう。 たまには儂が遊んでやるから、心配するな。 なんちゃって。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年12月05日 23時27分11秒
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