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番組構成師 [ izumatsu ] の部屋

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2006.03.03
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カテゴリ:音楽

「18番」といっても、野球のエースナンバーじゃない。いわゆる「おはこ」。

きのう、車で出かけたとき、赤信号で隣り合わせた車から流れてきた曲に耳をとられた。

おぉ、この曲は!

欧陽菲菲の 『 ラブ・イズ・オーヴァー 』 ではないかっ!

懐かしか~!

ぼくは、カラオケでこの曲ばかりを歌っていたころがあった。と言っても、失恋のどん底にいたわけじゃない。





社会に出て初めての会社を2年足らずでやめ、ぶらぶらしていたぼくは、やっぱり働かにゃいかんだろうと、東京・赤坂の、鹿島建設のビルの裏あたりにあった会社に就職した。

そこはマーケティング・リサーチを看板に掲げる、その年に出来たばかりの会社。両手の指で数えられるくらいしかいない社員は、いろんなところからの再就職組で、ぼくは一番若かった。

ICカードとバー・コードを活用した新しいマーケティング・リサーチのノウハウを売り物に、食品会社を中心に、いろんな会社を回った。ぼくは営業マンにくっついて歩いただけだけど、どこに行っても、相手にしてもらえない。

そりゃそうだ。今なら可能かもしれないが、ICカードが登場したばかりのあのころでは到底ムリだったガセネタ的ノウハウに本気で耳を貸す人がそうそういるはずがない。元々、豊富な資金もなかったのだろう、入社して半年くらいで給料の遅配や停止が出はじめた。

それでも、妙に熱意だけはあった。営業担当の30代のおじさんと経理担当のこちらも30代のお姉さん、それにぼくの仲良し三人組は、一ツ木通りなんぞにくりだしては、会社の未来を語ってた。あまり明るくなりそうにない未来だったけど。





経営がいよいよアカンという状態になったころ、会社を買い取ろうという奇特なおじさんが現れた。彼は、会社のガセネタ的ノウハウが目的じゃなかった。長くなるのではぶくけど、ぼくがいた会社は、ある財団法人の設立と運営に深く関与していた。新たに財団を設立するには何千万もの資金が必要。彼の狙いがその財団にあるのは明々白々だった。

「もう、ダメよね・・・・」

ぼくら仲良し三人組の酒は、一気にどん底へ。経理のお姉さんはこうつぶやき、営業のおじさんはあれこれ未来を語りはするものの、最後は「・・・・」。はしご酒で赤坂界隈のスナックに行くと、お姉さんがぼくに「歌え!」と命じるのが『ラブ・イズ・オーヴァー』だった。


『 ラヴ・イズ・オーヴァー 』 作詞:作曲・伊藤薫/唄・欧陽菲菲

 Love is over 悲しいけれど 終りにしよう きりがないから 
 Love is over ワケなどないよ ただひとつだけ あなたのため
 Love is over 若いあやまちと 笑って言える 時が来るから
 Love is over 泣くな 男だろう 私の事は 早く忘れて

 私はあんたを 忘れはしない 誰に抱かれても 忘れはしない
 きっと最後の恋だと 思うから

 Love is over 私はあんたの お守りでいい そっと心に
 Love is over 最後にひとつ 自分をだましちゃ いけないよ

 お酒なんかで ごまかさないで 本当の自分を じっと見つめて
 きっとあんたに お似合いの人がいる

 Love is over 悲しいよ 早く出てって ふりむかないで
 Love is over

 元気でいてね Love is over


お姉さんは、ぼくが歌う 『 ラブ・イズ・オーヴァー 』 を聞きながら、目に涙をためていた。経理能力を見込まれ、他の会社から言ってみればヘッド・ハンティングされたお姉さん。そのときに口説かれた言葉が1年もたたないのにまったくの嘘っぱちになろうとしていたそのころの気分は、まさに 『 ラブ・イズ・オーヴァー 』 だったのだろう。

その思いは、ぼくも、営業のおじさんも同じで、ぼくは歌いながらほとんど泣きそうだったっけ。

「○○ちゃんの十八番だね・・・・」

歌い終わったぼくに、お姉さんはポツリとそう言った。

そうさせたのはアンタやろ!





結局、ぼくのいた会社は乗り込んできたおじさんに買い取られ、何の因果か、ぼくら仲良し三人組以外は、社長も含めて全員クビとなった。
クビを切られなかったこと。それがぼくら三人に恥辱として残った。





営業のおじさんにも、経理のお姉さんにも、もう十数年、会ってはいない。でも、季節の挨拶状を見る限り、ふたりとも元気でいるようだ。当時からすでにアタマの毛が寂しかった営業のおじさんは、見事に禿頭となった姿で孫に囲まれた年賀状を送ってくれた。



ぼくらのどん底気分を支えてくれた『ラブ・イズ・オーヴァー』。
作詞作曲をした伊藤薫さんってどんな人かと Google してみたら・・・・・、


  → 伊藤薫さんって、 こんな人


検索しなきゃよかったわ~、申し訳ないけど。







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Last updated  2006.03.03 20:14:09
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