「決断の経営」松下幸之助、PHP研究所(1989/7)\428
(評価:★★★☆☆)
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●松下幸之助は,よく,自分は運がよかったのだと言っています。それは
なぜでしょうか。
●まず,松下幸之助が成功した条件として,体が弱かったということが
あります。兄二人が結核で死んでおり,さらに自分も二十二歳で結核
の初期症状がでてしまい,死を覚悟しました。
・そこで私が考えたことは、どうせ同じ死ぬのであれば、養生して
寝ながら死ぬよりも、働けるだけ働いて死ぬ方がいい、ということ
である。(p58)
●松下は,大阪電灯(後の関西電力)のサラリーマンでしたが,自前の
才覚で検査員に昇格し,楽な仕事をしていました。しかし,そこから
一転してソケットの製造・販売のために独立し商売を始めたのにも理由
があるのです。
・父は私に向かって、「商売で身を立てるのが一番お前のためだ。商売で
成功すれば立派な人を雇うこともできるのだから、給仕などするのでは
ない。(p25)
●このように,人を動かす才覚を持っていた松下ですが,家族,健康,
世の中の環境などの影響を受けながら,松下電器を作り上げたので
す。その条件の一つでも欠ければ,今の松下はなかったかもしれま
せん。
●それにしても松下の人を動かす能力には驚かされます。この本には
37の体験談が収録されていますが,正に,未来と将来の間に線路
を引き,未来を引っ張ってくるような力強さと英知を感じました。
・電器業界の場合でも、二人の横綱がいてこそ、業界がさらに向上
発展していくのです。そういう意味から、松下電器を横綱に育てる
ためにもこの電球を三十五銭で売ってください。(p41)
「決断の経営」松下幸之助、PHP研究所(1989/7)\428
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