ダイソーにスマートフォン用自動車充電器。Android端末なら使用可だろう
■ダイソーにスマートフォン用カーチャージャーがダイソーに行って、iPhone用のカーチャージャーがあるのに、何でAndroidのスマートフォン用カーチャージャーがないのが不思議だった。それが先日、ダイソーに行ったら「自動車用スマートフォン充電器」が210円で売られていた。以前にFOMA用の充電器は315円だったので安くなったものだ。カラーは、かえる色、ピンク、黄色の3種類があったが、他にもあるかもしれない。パッケージ内を見ると、コードはカールコードではなく、ストレートケーブルで長さが気になった。パッケージには100cmと書かれており十分な長さだ。また、充電出力が1000mA(1A)というのは相当高めだ。普通500~700mAなので内部の回路構成がどうなっているのか興味もあった。■このスマートフォン用カーチャージャーは、使える機種が限定?さらにパッケージの表と裏には「使えない機種があります!」と警告があり、「適合表に載っていない機種は使用できません」とか書かれている。そこにURLが書かれており、QRコードもあるのですぐに適合表のあるサイトにすぐに飛んで確認することができる。そのサイトは、「DAISO スマートフォン用 充電器適合表」で2013年3月4日現在で対応機種が書かれている。昨年までの古い機種ばかりで新しい機種には対応していないことになっている。たぶん確認したごく一部の機種しか掲載されていないようだ。■スマートフォン用カーチャージャーを分解してみるパッケージから本体を取り出す。そして分解してみることにした。シガライターに差し込むところの先端のプラスチックを回すと、ヒューズが出てくる。一応過電流などによる保護はされている。さらに先端の丸い金具を取り外し、ブラスチックのケースの隙間を開いていくと、三枚おろしの状態で内部の基板が現れる。内部の基板をクローズアップしてみる。自動車用充電器ではよく使われる見慣れたようなIC、そしてそのICを使った基本的な回路を構成する部品が現れた。この充電器で使われているICは「MC34063」というもの。100円ショップで売られている105円のUSB出力カーチャージャーなど、低価格のものではごく一般的に使われている。私のブログでもカーチャージャーについて記事を何度も書いているが、ほとんどがこのICである。元々はモトローラ社が開発したICで、最大1.5A出力できることがデータシートには書かれているが、モトローラのライセンスを受けて作られたセカンドソースならともかく、100円ショップの製品に使われているICはライセンスを受けたものか怪しく、定格通りの出力が得られるのかも怪しい。上の写真で、ICの上にある抵抗は通常0.22Ωなのだが、今回のものは0.15Ωの抵抗が実装されていたので、なるべく出力電流を増やそうとしているのかもしれない。今回のダイソーの210円自動車用充電器、回路図に表してみた。ごく一般的なMC34063を使った回路だったので、以前の充電器の回路の定数を一部変更するだけで表現が可能だった。(回路図エディタは「BScv3V」を使用)回路定数としては、上で述べたが回路図でRcsで表した抵抗が0.15Ωと小さい。R1とR2の値から計算上の出力電圧は5.17Vである。またmicroUSB端子でスマートフォンに接続して充電状態を確認したところ「AC充電モード」になっていた。Android端末でAC充電モードにするには、microUSB端子内部で2番(D-)と3番(D+)がショートされているはずだ。ちなみに、Android端末には2つの充電モードがある。・「USB充電モード」・・・充電時間はかかるが、PCのUSB端子で充電 PCのUSB端子に接続したときの充電モード。 PCnUSB端子(USB2.0規格)では最大500mA(0.5A)しか対応していないので、 500mA以下で充電するため、スマートフォンを急速充電することができない。・「AC充電モード」・・・急速充電可能。充電器に接続して充電する場合 これは500mA以上で充電できるため、急速充電が可能である。 ACアダプターで充電するときはこのモードになる。 今回の自動車用充電器、最大1000mAで充電できるが、その性能を生かすためには 「AC充電モード」にする必要がある。 それが上記で書いた、2番と3番のショートにすることである。そういったことも加味して回路図を描いた。■Androidスマートフォンはほとんど使える以上のように、ダイソーの自動車用充電器を内部の回路構成から調べていったところ、microUSB端子で充電できるスマートフォンはほとんど使用可能と思われる。対応表にあるドコモのGalaxy S2(SC-02C)はもちろん可能で、対応表にないGalaxy S3(SC-06D)でも可能だった。使われているICの出力容量もあるが、microUSB端子で充電するdtabやNexus 7などのようなタブレットでも時間はかかるものの充電は可能であろう。以前に100円ショップ用の同じICを使ったUSB出力の自動車充電器でも可能だった。