ThinkPad X61はバッテリーが死んでいるとBIOSアップデート不可
■ThinPad X61をWindows 7へ。その前にBIOSアップデートThinPad X61を使っている者がいたが、それはサポート切れ間近のWindows XP搭載モデル。使っているCPUなどスペックを見ると、Core 2 Duoとそう古くはない。さらにOSをWindows 7へ入れ替えの可能(64ビット版もOKで、Windows 8.1へも可能)のモデルだったので、OSの入れ替えをしてあげることにした。搭載されているHDDの容量アップ、さらにはメモリー増設もするとして、前段階としてBIOSを確認。起動時に「F1」キーを押すとBIOS画面になる。その時のバージョンを見ると「2.07」で2008年のものと古い。lenoboのサポートページに行くと、2011年4月にリリースされた「2.22」のバージョンがある。アップデートには2種類の方法が選べる。1)Windowsからアップデートするファイル2)CDブートのDOS起動するものからアップデートするファイル(ISOファイル)■WindowsからBIOSアップデート・・・バッテリーが死んでると不可最初は、一番楽にBIOS更新できそうな1)のWindowsからアップデートするファイルをダウンロード、そして起動してみた。「ThinkPad BIOSの更新」を選んで「次へ」をクリック。しばらくすると次のようなメッセージをはき出した。バッテリー画十分に充電されていない・・・といっても、このPCのバッテリーは死んでいるようで、ACアダプターに何時間つないでも充電されない。このとき、液晶ディスプレイの下にあるインジケーター、HDDを示すところがオレンジで点滅していた。これは通常は緑なのだが、オレンジの点灯はバッテリー交換を意味する。何度試しても、BIOS更新時に電源が切れることを防ぐための安全策として、1)のWindowsからのBIOSアップデートソフトは起動することができなかった。■CDブートでDOS起動のアップデートを試す・・・対応ドライブがIBM/lenoboのみそれならと2)のCDブートのDOS起動するアップデートを試した。ダウンロードしたものはISOファイルとなっており、ISOファイルからCD-Rに書き込む。IBM/lenoboでは「CD BIOS」と呼ぶそうな。そしてパナソニックの光学ドライブをUSBに接続して起動。ところがDOSが起動したところで、DOS用ドライバーが接続した光学ドライブを認識しないので、BIOSフラッシュプログラムやBIOSデータの領域がマウントされず読めない。別のUSB光学ドライブでも不可。ドキュメントをよく見ると、IBM/lenoboのドッキュングステージョンの光学ドライブしか読めないようだ。残念。■USBフラッシュメモリーをDOS起動ドライブにして試す・・・やっぱりバッテリーの状態を見ていて爆沈CDブート用のBIOSアップデート用ISOファイルを、ISO編集ソフト(私の場合、UltraISOというシェアウェア)で見ると、DOSのブート領域は見えないが、CDとしてマウントされつ部分にあるBIOSアップデートファイルやBIOSアップデートツールが見える。USBフラッシュメモリーをDOSがブートできるようにして、そこにBIOSアップデート用ISOに含まれている必要なファイルとプログラムを入れてやれば・・・と思った。用意したのは、・古い256MBのUSBフラッシュメモリー。・JamesOnline「DOS-on-USB」。USBメモリーをDOS起動可能にするツール。「DOS-on-USB」はZIP形式なので適当なフォルダに解凍すればインストールが完了。解凍したフォルダで、「James' Format Tool.exe」を起動。64ビット版の場合右クリックで「管理者として実行」実行すると次のような画面が現れる。ここで「Device」がUSBフラッシュメモリーの名称やドライブレターであるか確認。「File System」は「FAT32」を指定(「FAT」では起動できなかった)。「Create a DOS startup disk」にチェック。このとき「Using dos system files located at:」は、DOS-on-USBのフォルダの中にある「boot」フォルダを指定。そして開始した状態。開始時にUSBメモリーが消去されるとの警告が出るが続ける。少々時間がかかるが最終的に完了。その中に3つのファイルが出来ていればDOSが起動できるUSBフラッシュメモリーの作成が完了している。・IO.SYS・MSDOS.SYS・COMMAND.COMISOファイル編集ツールで、X61のCDブートDOS起動BIOSアップデートISOの英語版を開く。日本語版のBIOSアップデートISOは日本語表示のデバイスツールが必要だが、英語版なら最小限で動くために使用した。UltraISOの例だが、右上の窓のファイルすべてをどこかのフォルダーに展開して、先ほどのDOS起動できるUSBフラッシュメモリーにコピーする。ただし、COMMAND.COMはDOSのバージョンが違うのでこれのみコピーしない。これでUSBメモリーからDOS起動でき、BIOSアップデートファイルやツールがはいったものができたので、Think Pad X61のUSBポートに接続して起動。起動時に「F12」キーを押して起動デバイスをUSBフラッシュメモリーを選択。MS-DOS V7.1が起動した。このMS-DOS V7.1の時代はWindowsに移行していたので、初めて見る新しいMS-DOSには妙に感動。「dir」とタイプして、ファイル一覧を表示させると、どうやら「lcreflsh.bat」がBIOSアップデート用のバッチファイルなので実行。ところが・・・「Battery charge is low」とつれない返事。DOS用のソフトでもバッテリーチェックをしているのはさすが元IBM(^^;)。バッテリーチェックをやめてくれ!!今回の方法は、バッテリーが生きている場合で、IBM/lenobo以外の光学ドライブが使えない場合には良い方法だったのに・・・■ThinkPad X61はバッテリーがなかったり死んでいるとBIOSアップデート不可ということで、Windows用のアップデートでも、DOS用のアップデートでも、バッテリーの状態を見ているので、充電ができないバッテリー(またはバッテリーなし)ではBIOSアップデートは不可と言うことがわかった。おそらくThinkPadシリーズ全般がこのような仕様になっているのだろう。持ち主には再生や互換のバッテリーが2000円台から入手可能なので、何とか手にしてもらうようにしてもらおう。なお、ThinkPad X61のWindows 7へのOS入れ替えだが、HDDの換装およびメモリーの増設で現在進行形。今のところBIOSをアップデートしなくても特に問題は生じていない。■今回の記事はUSBフラッシュメモリーからDOS起動作成方法になってしまった(笑)今回は、USBフラッシュメモリーを使ってDOS起動を可能にするものの作成方法だったかもしれない。今回のUSBフラッシュメモリーは、相当以前に同様なDOS起動用に作成した痕跡が残っていた。そのときは、手順が非常に面倒だったが、今回の「DOS-on-USB」は非常に楽に作成できたので、私の備忘禄として記す。