チャーリー・ラウズは職人である。
タッド・ダメロン、ジェリー・マリガン、ジョン・ルイス、
クインシー・ジョーンズといった作編曲家が絡んだ大型バンドの一員としての
仕事をソツなくこなし、セロニアス・モンクの、跳躍の多いメロディラインを
ピアノとユニゾンで一分のスキもなくあわせる。
よほどのテクニックと協調性があるとしか考えられない。
だからおいらは、彼を巷で言われているような“イモ”だとは思わない。
ただ、アドリブがヴァリエーションに乏しく、やたらと“タッティラッタラ♪”と言う
マンネリ・フレーズが出てくるのは勘弁ねがいたいが。
リーダー作の数は多くないけれどバラード中心の『ヤー!』、メロディを軽くフェイクするだけの
ブルーノート盤『ボサ・ノヴァ・バッカナル』が人気を二分していると言うのも納得できる。
メロディ演奏にかけてはチャーリー・ラウズはまごうことなき名人なのだ。
ところがこのジャズランド盤は、チャーリー・ラウズが血ヘドを吐くまで、アドリブを
インプロヴァイズをやりまくると言う白熱の内容だ。
しかし彼は、手癖フレーズを避け、慎重にして大胆なプレイで演奏を引っ張っていく。
ソニー・ロリンズですら顔面蒼白に違いない。
テイキン・ケア・オブ・ビジネス
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