ソニー・ロリンズ を迎えた『新生』ブラウン=ローチ・
クインテットの第1作にしてラスト・アルバム。
翌月には同じメンバーでソニー・ロリンズ名義の作品を
(ソニー・ロリンズ・プラス・フォー)
プレスティッジに残しているが、ややジャム・セッション
的な内容であり本作のようなユニット性は感じられない。
良くも悪くも凝った編曲がブラウン=ローチ・クインテットの
特徴のひとつであったような気がおいらはするけれど
それはここでも変わらない。
「恋とは何でしょう」と「4月の思い出」はラテン風の長っちょろい
イントロがあって、やがて早めの4ビートで盛り上がっていくと言う構成。
個人的には何度聴いても紛らわしく、どっちかを収録すれば良かったんじゃないか
と思ってしまうが(友達からの借り物だから特にそう思うのか? )そんな気持ちも
クリフォード・ブラウンのソロ・パートに入ると、かき消される。
加えてこのアルバムではリッチー・パウエル(※)がピアノに作曲に
これまでにないほどフィーチャーされていて、評価しようにも録音が
あまりにも少ないだけに、才能の片鱗がうかがえるのは本当にありがたい。
タッド・ダメロン作の新曲「ザ・シーン・イズ・クリーン」では
作者自身がアレンジを施している。
ブラウン=ローチ・クインテット・アット・ベイズン・ストリート
(※) 少年時代のマッコイ・タイナーにピアノを手ほどきした人物。
クリフォード・ブラウン と同じ事故で他界。
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