マックス・ローチのコンボに加わったのが1958年6月。
そして他界するのが61年10月とわずかに3年4ヶ月の
活動期間しかなかったブッカー・リトルだが、その間の
プレイは短期間のうちに燃焼しきったかに見えるほど
想像性豊かで新鮮な演奏を繰り広げている。
いわば天才肌のジャズマンなのだが、その事を端的な形で
表しているのが本作だ
さらりとまとめすぎていると思えるほどしつこさを感じない、簡潔な演奏なのだが
その中で極めて斬新なソロを展開している。
オリジナルの「マイナー・スイート」での、イントロからテーマへの移行は
なかなか他のジャズマンにはマネできないカッコよさだ。
また、スタンダード曲「フー・キャン・アイ・ターン・トゥ」での曲の解釈は
ブッカー・リトルがいかにモダニズムに彩られたプレイヤーであるかがわかる
難解な手法を、いともクールにこなすブッカー・リトルは、クラシック音楽にも
造詣が深かったと言われるが重厚なサウンドの『アウト・フロント』に
併せて聴くと、そうしたことが実感できるはずだ。
それにしても、クリフォード・ブラウンといい、マックス・ローチと組んだ
トランペッターは、なぜこんなに早く他界してしまうの?
ブッカー・リトル/ブッカー・リトル
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