ルー・ドナルドソンはチャーリー・パーカーの影響を色濃く受けているが
その音色は個性的で、独特の色気を持っている。
60年代からオルガンを導入し、R&B風演奏を行うようになり、ガチガチの
ジャズ・ファンからは“イロモノ扱い”される等、評価を分けているが
52~54年の3セッションを収めた本作を聴くと、フレージングやタイム感覚
緊張感に満ちたアドリブ等、まさに
超一流の才能と実力を備えたミュージシャン である事を
実感できるのだ。
とりわけ、初リーダー録音からの「チーク・トゥ・チーク」は“うるさ方”のファンを
ビリビリと痺れさせる演奏だ。
バリバリのバッパー、ミルト・ジャクソンやセロニアス・モンクとの共演盤や
アート・ブレイキーの『バードランドの夜』(ブルーノート)でも堪能できるけれど
とりわけワンホーンの演奏が、初期のルー・ドナルドソンをじっくりと楽しむにはもってこいの仕上がりのよさ!
また、ブルースなどで見せる、なんともいえないややルーズなサウンドが
その後のルー・ドナルドソンの歩む道筋を垣間見せているようで興味深い
『ウェイリング・ウィズ・ルー』や『ルー・テイクス・オフ』などと並ぶ
ハードバッパー、ルー・ドナルドソンの傑作だ。
ルー・ドナルドソン・カルテット・クインテット・セクステット
ジャズアルバム紹介 ルー・ドナルドソン・カルテット・クインテット・セクステット
上記に加筆・修正を加え転載。
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