ジョン・ハンディと言えば
『ライブ・アット・モンタレー・ジャズ・フェスティバル』の
「スパニッシュ・レディ」と答えるってなくらいで、ちょいとキワモノ系
まっしぐらのミュージシャン(ちなみに猫まっしぐらはカルカン)だが
こういう人のストレート・アヘッドな演奏は、なかなか聴かせるものが
多いのも事実だ。
まず1曲目の「アイル・クローズ・マイ・アイズ」を聴こう。
この曲はそもそもトランペット向きの曲だ。
思い出すだろう。 ブルー・ミッチェルの『ブルーズ・ムーズ』を。
ディジー・リースの『スター・ブライト』を。
しかしここではリチャード・ウィリアムスは参加しておらず
ジョン・ハンディがワン・ホーンでプレイしている。
しかし、このややくずれた音色で朗々と吹くジョン・ハンディが
いい味を出している。 このあたりが作品の“キモ”だろう。
一方、ジョン・ハンディのオリジナルではリチャード・ウィリアムスも
大きくフィーチャーされる。
彼は『ニュー・ホーン・イン・タウン』以外にリーダー作を持たない、過小評価を
絵に描いたようなトランペッターだが、とにかく脇に周って最高のプレイを見せる。
彼のようなミュージシャンに手の込んだ事を求めるのは間違い。
ただただストレートで活きのいいプレイを楽しめばいい。
イン・ザ・ヴァーナキュラー
イン・ザ・ヴァーナキュラー ジャズアルバム紹介 に加筆・修正を加え転載。
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