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テーマ:私の図書(49)
カテゴリ:本
Predator Nation チャールズ・ファーガソン 2012年
強欲の帝国 ドキュメンタリー映画でアカデミー賞をとったインサイド・ジョブの監督だそうだ。 この本の狙いは、著者曰く 悪事を行った者が一人も罰せられず、不正蓄財も没収されていないので、金融犯罪を訴追したい。 略奪的金融の台頭は、アメリカでの寡占勢力の台頭の中核をなしていて、この道徳心のない寡占勢力がアメリカの教育・技能・インフラ・産業を低下させ、アメリカを出来レースの国にしてしまったことを明らかにしたいそうだ。 二大政党制も複占政治体制で、どちらの政党もロビー活動、便宜供与、特権、選挙資金などで巨額の金を受け取り、ともに、金融、有力産業、富裕層に魂を売り渡していると。ブッシュもオバマも金に依存していて同じだそうだ。価値観の対立はしているが、金の面では両方とも協働可能にしているそうだ。 レーガンもクリントンも金融規制緩和でブッシュも踏襲、オバマも背信で皆愛想がつきたそうだ。財務長官も回転ドア人事の典型でぼろもうけしているそうだ。ルービンは、ゴールドマンサックス、財務長官、シティーと渡り蓄財、サマーズも財務長官後ハーバード学長になるが、企業の顧問で巨万を得、学内から問責で辞任。 FRB議長のアラン・グリーンスパンもバブルの時には、住宅ローン商品の利用を推奨していたそうで加担していたと。 サブプライム問題の真実は、クズ証券での詐欺を銀行、保険、格付け会社が先を争って行った犯罪だと。住宅ローンの返済能力のない者に値上がり益で返済とだまし、貸付を促進し、資金を供給し、債権を証券化して、でたらめの目論見書と格付けで販売して、リスクを転嫁し、資金を回収し、執行役も取締役もクズを承知でトレーダーを狂奔させ、執行役も取締役も、巨額のインセンティブ報酬を得て、倒産前に転職し、倒産しても痛みなく、逃げおおせたそうだ。 本書で暴露されている悪事にはうんざりしてしまい、目をそらしたくなるほど。本の題名の意味がよくわかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 14, 2015 02:58:05 PM
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