経過

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「経過」


知っている限り、膿瘍の経過の説明をさせて頂きますと・・・

はじめはチーズのように固い膿瘍も
お薬によって液状のヨーグルトのようになっていきます。

でも、その柔らかい膿瘍も、傷口などから出てきた時には、
乾燥して、皮膚や毛の周りに貼り付き、固まってきます。
ですから、外に出さずに、体の中で溶かしてしまえば良いということで、
お薬を飲むことによって、その効果を待ちます。

膿の量が多い場合には、もちろん、溶けるまで待たずに、
膿が液状化してきた時を見計らって注射器などで出してしまえばいいのですが、
その際にも、注射器ですべてを取れるわけではありません。
ほとんどが、まだ 溶けずに中にあることが多いので、
それらが溶けてきた時に、また通院し注射器で吸い出すということになりますが
一番柔らかい時・・・という、その時期を判断することが、
多分、この処置では一番難しいことではないかと思っています。

その後、膿が落ち着いてきましたら、膿が完全に無くなるまで投薬を続けますが
傷口があった場合には、その場所からまた新たな膿が作られたりしますので、
傷口を作らないことが、一番早く膿瘍を無くしていくように思います。
ですから切開などは、緊急の手段としてだけで、あまりお薦めしません。

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それから、膿が固い時というのは、化膿している最中ということで、
その時には、生理食塩水を入れたりして無理に出そうとすることは、
うさぎさんに痛みと負担をかけるだけで、あまり効果がありませんし、
手術などの、外科的な方法でも膿瘍を治すことは無理だと思いますので、
見た目では、なんの処置もせずにちょっとかわいそうに思えるかもしれませんが
うさぎさんの生活に支障をきたすような場所に膿瘍があった場合以外は、
膿を無理に出したりすることはせず、皮膚や毛に貼り付いた膿があった時に、
少し暖かめのお湯で流してあげたり、拭き取ってあげるだけにします。

化膿が終わって膿が柔らかくなった時には、
多分、ほとんどのうさぎさんは患部を触らせてくれるはずです。
触られるのを嫌がっている時には、まだ化膿の最中ということですので
その時には、無理に触らずに、見守っていてあげてください。

また、固かった膿が液状化することによって膿瘍の体積が増えますので、
その時は、投薬をはじめたのに患部が大きくなっている、と
感じられると思います。けれど、それは、
お薬の効果があったということだと考えて頂ければと思います。

はじめはお薬の効果がないのでは・・と、驚かれるかもしれませんが、
そうして細菌が膿になっていきますので
うさぎさんが元気で、食欲も落ちないようでしたら、
うさぎさんにとってはそれほど邪魔なものではないと思いますので
そのまま少し、様子を見てあげて下さいね。

膿瘍の細菌が無くなってしまえば、
腫れは、もう起こることはありません。でも、
まだ細菌があるようでしたら、腫れはまた起こります。
その時までに自然に破裂するか、
または、注射器で出してあげた方がうさぎさんは快適です。

そして、いつまでも、膿瘍が小さくならない時には、
お薬の量が足りないということも考えられますので
その時は、お薬の増量をしてあげる必要もあります。

ただ、うさぎさんの様子が、あまりにも違っていたり、
元気がなかった場合だけは
どうか、気を付けてよくみてあげて下さいね。

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固くなっている膿が、お薬によって柔らかくなっても、
また、化膿がはじまることで、固くなっていきます。
それを何度か繰り返すようなのですが、
長く闘病していたうさぎさんなどは
(すぐにお薬をはじめられたうさぎさんに比べて・・・)
柔らかくならず、皮膚の中で丸い塊のようになることがあるようです。
でも、こちらも時間の問題で無くなってくるようです。

ただ、しっかり膜のなかに入ったままということも、本当に稀にはあるそうです。
ただ、それが大きくなったりするということは、
前述のような、膜の中にある状態とは違いますので
いずれ、お薬の効果で小さくなっていくようです。

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また、切開をしたり、通院、無理な処置などのストレスは、
免疫力の低下にもなるので、それらに、うさぎたちの体力を使うことはないし、
主治医には、切開という処置は、神経にも傷をつけるので、
数年間もうさぎたちを神経痛で苦しませる必要はない、と言われましたので
我が家では、切るという処置をして頂いたことはありません。

また、膿瘍による熱を下げる為なのか、水分もかなり摂りたがりますし、
ビタミン類を補給できるように、
新鮮な野菜や手作りジュースを多めにあげたりしましたが、
他には、普段そのうさぎさんにしてあげていることだけでいいと思います。

我が家のうさぎたちは、お腹を壊したことはありませんでしたので,
まだどの子も、乳酸菌製剤などは処方して頂いていませんが、
普段からお腹の心配なうさぎさんは、
様子を見て処方していただくと良いかと思います。

ただ、その場合は、お薬とは一緒にあげないでください。
糖分の入っているものをお薬と一緒にあげることで
多糖体分解酵素である塩化リゾチームが、そちらに働いてしまって
効果が薄れる可能性もあるからです。


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どうか、おそばのうさぎさんの様子を良くご覧になって
膿瘍がいまどんな状態かを理解してあげてください

どんなに小さな膿瘍であっても、大変な時もありますし、
どんなに大きな膿瘍であっても、大丈夫な時があります。
それは、話をできないうさぎさんから、飼い主さんが感じとってあげてください。
うさぎさんの様子だけが、どんな病気でもすべてだと思っています。


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