暴力表現がありますので、苦手な方は閲覧なさらないでください。
土方は牢の中に入ると、ロゼの横っ面を張った。
「てめぇはまだ自分の立場が解っていねぇようだなぁ? 徹底的に痛めつけてやる!」
スペイン語が解らぬ土方であったが、目の前の青年が妻を罵ったことには気づいていた。
自分の事なら何を言われてもいいが、最愛の妻に対しての悪口を、土方は決して許さなかった。
「二度とその生意気な口が利けねぇよう、舌を引っこ抜いてやる!」
そう怒鳴った時、土方は完全に頭に血が上っていた。
「おやめください、旦那様!」
牢の鉄格子越しに千尋は叫びながら、必死に土方を止めようとした。
だが彼は力任せにロゼを何度も拳で殴った。
彼の拳がロゼの肉にぶつかる音が地下牢に響き、千尋は両耳を塞いで目を閉じ、冷たい床に座り込んだ。
「千尋、来い。」
気が済んだのか、土方が拳をロゼの返り血で染めながら牢から出てきた。
「あ・・」
恐怖に顔を引き攣らせながら、千尋は憤怒の光を宿している土方を見た。
その背後には、顔を殴られて呻くロゼの姿があった。
「立て。」
千尋は立とうとしたが、恐怖で足が震えて動けなかった。
土方は苛立ったように舌打ちすると、彼女を無理矢理立ち上がらせると地下牢から出て行った。
「さっさと歩け!」
「お許しください、旦那様!」
千尋は何とか土方の手を振りほどこうとしたが、強く掴まれたそれはビクともしなかった。
為すすべもなく千尋は土方に連れられ寝室へと入った。
「旦那様、一体何を・・」
「黙れ。」
土方はそう言って彼女を寝台の上へと投げ出した。
彼が自分に何をしようとしているのか、千尋は解った。
「旦那様・・お願いです、止めてください!」
「黙れっつってんだろうが!」
鈍い音がして、口の中が切れる感覚がした。
土方の白い指先が千尋のエプロンを剥ぎ取り、ワンピースへと伸びたと思うと、それを乱暴に引き裂いた。
「旦那様、お願いですから・・」
釦が弾け飛び、甲高い音を立てながら床に転がった。
下着から千尋の真珠のような白い肌と、小ぶりな乳房が見えた。
土方はワンピースの裾を乱暴に腰まで捲り上げると、千尋の上に覆いかぶさった。
「旦那様、ここをお開け下さい!」
乱暴に寝室の扉がノックされるも、土方はそれを無視して行為に及ぼうとした。
だが業を煮やした斎藤と山崎が寝室の扉を蹴破り、土方と千尋を引き離した。
「離しやがれ!」
「落ち着いてください、旦那様!」
「煩せぇ、こいつは俺が金で買ったんだ! こいつを好きにしようが俺の勝手だろ!」
「旦那様!」
斎藤と山崎が土方を取り押さえている隙に、千尋は寝台から起き上がり、寝室を飛び出していった。
「てめぇ、待ちやがれ!」
土方の怒声が背中に響いたが、千尋はなりふり構わず邸を飛び出し、裏口へと向かって走っていった。
あと少しというところで、突然千尋は誰かに髪を掴まれ、そのまま固い地面に押し倒された。
「ううっ!」
「俺から逃げられると思ってんのか!」
そう叫んだ土方は、完全に理性を失っていた。
「やめてください! 誰か、助け・・」
千尋は土方にその場で無理矢理抱かれた。
絶望の中、彼女は涙すら流せないでいた。
「千尋さん、あなたもわたくしを裏切ったのね・・」
総美はそう呟くと、懐剣を握り締めて裏口へと向かった。
何だかとんでもない展開になってしまいました。
総美がとうとう闇化してしまいましたし。
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