一部性描写が含まれますので、苦手な方は閲覧なさらないでください。
「あ・・んやぁ、そんな激し・・」
土方が突然下から激しく突き上げられ、千尋は悲鳴を上げた。
「どうした、動いてみせろよ?」
「そんな・・」
土方は容赦なく千尋を突き上げ、その度に彼女の華奢な身体が揺れる。
彼女の内部が自分のものを締め付ける感覚がして、土方は堪らず呻いた。
「千尋、もう少し力抜け。」
「そんな・・無理。」
千尋が甘く喘ぐと、土方は彼女の唇を貪った。
「あ・・旦那様ぁ・・」
頭が次第にぼうっとしてゆく。
(何だか変・・)
「気持ちいいのか?」
「はい・・」
気がつけば、千尋はいつの間にか腰を振っていた。
「いやぁ~!」
脳髄に今まで味わったことのない快感が襲い、千尋は悲鳴を上げた。
「苛め過ぎたか・・」
布団の上に突っ伏したまま動かない千尋を見ながら、土方は彼女の髪を撫でた。
今まで星の数ほど女を抱いてきたが、いつも自分は淡々とした様子で女が絶頂に達するのを見ているだけだった。
しかし千尋を抱いた時、今まで感じたことがない快感が脳髄を満たし、達した後は暫くぼうっと天井を眺めていた。
喉が渇いたので仲居に水を貰いに行こうと部屋を出て廊下を歩いて居た時、不意に視線に気づき、土方は背後を振り向いた。
「伊東さん、いつからそこに?」
「さぁ、いつでしたかね。湯船から上がって部屋へと戻ろうとしたら、乙女の艶っぽい喘ぎ声が聞こえたので・・」
「ふぅん、そうかい。」
今まで自分達の情事を盗み聞きしていたのかと、土方は怒りを顔に出さぬようそう言って伊東を見た。
「土方さん、奥様が妊娠中でいらっしゃるのに浮気とは・・大胆ですね。」
「俺の妻は懐が深い奴でね。体調不良で入院する事になっちまって、旅行が取りやめになるのが嫌だから、あいつを自分の代わりに寄越したんですよ。」
「そうですか。帝国ホテルのクリスマスパーティーでもお会いしましたね、彼女。名前は確か・・千尋さんでしたっけ?」
「ええ。それがどうかしたんですか?」
「いいえ。ではわたしはこれで。」
伊東はそう言うと、土方に背を向けて去っていった。
(ふん、いけすかねぇ野郎だぜ。)
部屋に戻りながら、土方は伊東が何か企んでいるのではないかと疑い始めた。
「遅かったな、伊東。」
「すいません。芹沢さん、先ほど土方さんを見かけましたよ。」
部屋に戻った伊東は、そう言うと1人の男を見た。
「そうか。金髪の愛人を連れていたな。西洋の女は皆あれ程美しいのか・・」
「さぁ、解りかねますね。それよりもあの千尋とかいう娘、異人との混血らしいですよ。噂に聞いたところによると、彼女が居た孤児院が数ヶ月前に何者かに放火されたとか。」
「ほう・・それは面白いな。」
男―芹沢はそう言って葡萄酒を一気に飲み干した。
「ん・・」
朝の光が窓から射し込み、その眩しさに土方が目を開けると、隣には千尋が寝ていた。
「起きろ、千尋。そんな格好じゃぁ風邪ひくぜ。」
「あ、すいません・・」
一糸纏わぬ姿であることに気づき、千尋は慌てて畳の上に投げ捨てられた浴衣を纏った。
「千尋、伊東には気をつけろよ。」
「伊東様が、何か?」
「俺よりいい男だからって惚れるなよって言いたかったんだ。」
「旦那様・・」
土方の言葉に、千尋は頬を赤く染め、彼からの接吻を受けた。
「朝食をお持ちいたしました。」
仲居が部屋に朝食を運んできたのは、数分後のことだった。
伊東さんと芹沢の企みは一体何なのか。
それよりも土方さんが徐々にデレてきているような。
にほんブログ村