伊東の動きを山崎に探らせている歳三だったが、策士である彼が容易に尻尾を出す筈がなく、総司の事もあって歳三は少し苛立っていた。
「副長、失礼致します。」
副長室に入ってきた千尋は、いつになく歳三が苛立っているのが解った。
「副長?」
「千尋、ひとつ聞きたい事がある。」
「何でしょう?」
「お前、桂の情人だったそうじゃねぇか? 今でもそれは変わらねぇのか?」
歳三の問いに、千尋は静かに首を横に振った。
「いいえ。彼とはもう別れました。」
「奴の子を身籠っていたのに、か?」
歳三がゆっくりと立ち上がり、千尋の方へと近づいたかと思うと、彼は千尋を畳の上に組み敷いた。
「副長、何を!」
「千尋、お前ぇは俺と契約を交わした時のことを、憶えているか? 俺はお前に、総司の命を救えと言った。だがあいつは日に日に弱ってきている。」
歳三は千尋の着物の襟を左右に開き、晒しを乱暴に解き始めた。
いつもは晒しで押さえつけられている豊満な乳房が、歳三の掌に収まった。
「お前ぇは一体何をした?」
「それは言えません・・」
「これでもか?」
歳三が千尋の乳房に爪を立てると、彼は悲鳴を上げた。
「千尋、黙って俺に抱かれろ。」
「一体どうしたというのですか、副長?」
「煩せぇ、黙ってろ!」
歳三は千尋の袴の紐を解き、それを畳の上に放り投げると、下帯を解いて陰部を露わにした。
白い足の隙間から見える金色の茂みの奥へと歳三が指を伸ばすと、千尋は歳三から逃げようと身を捩らせた。
だが、それは無駄な抵抗だった。
「逃がさねぇよ。」
「いや・・」
歳三の指が容赦なく千尋の中を激しく掻きまわしてゆき、彼は唇を噛み締めた。
そのまま千尋は歳三に抱かれた。
「桂とはどうやったんだ? 気持ち良かったのか?」
「それをあなたに答える必要が・・」
千尋が歳三から逃れようとすると、彼は再び千尋の中で動き始めた。
「どうなんだ?」
「解りませんでした。副長、お願いですからもう・・」
「駄目だ。お前ぇは約束を破った。だからお仕置きをちゃんとしねぇとな。」
歳三は一晩中千尋を激しく抱いた。
苦痛の呻き声しか最初は上げなかった千尋だったが、最後には善がり声を上げて歳三の背中に爪を立てるまでになっていた。
(土方さん、まだ起きてるかな?)
総司はゆっくりと布団から起き上がって部屋から出て副長室の前へと立つと、そっと襖を開こうとした。
その時、聞き覚えのある声が中からした。
(千尋君?)
千尋の声で、歳三と彼が何をしているのかが、総司には解った。
病に侵されて抱けなくなった自分の代わりに、歳三は千尋を抱いているのだ。
「あぁ、もう、やめ・・」
「気持いいって言えよ、そしたら許してやるよ。」
「んぁ・・気持ちいい・・」
総司は絶望感と屈辱に塗れ、部屋へと戻った。
(わたしの事を、もう忘れたいんだ・・土方さん。)
翌朝、山崎が総司の部屋へと入ると、彼の目元が腫れていることに気づいた。
「ねぇ山崎さん。」
「なんでしょうか?」
「わたしの事、抱いても良いですよ。」
総司の言葉に、山崎は思わず薬を落としそうになった。
「一体何を言って・・」
「わたしの事抱きたいんでしょう、山崎さん。」
総司はそう言うと、夜着を脱ぎ捨てた。
「お、沖田さ・・」
朝日に照らされた総司の白い裸身に、山崎は思わず生唾を呑み込んだ。
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