四郎は槍の鞘を抜き、エーリッヒに突進した。
だが槍の穂先は四郎の胸を突く前に、エーリッヒの刃によって受け止められた。
「今度はこちらから参るぞ。」
そう言ってエーリッヒは剣を片手に突進した。四郎はとっさに槍の柄で受け止め、地面を蹴って宙に舞った。
「せやっ!」
四郎は隙を突いてエーリッヒの腹を穂先で突いた。
「くっ!」
エーリッヒの刃が、四郎の着物を裂いた。
「なかなかやるな。」
「・・お主こそ。」
エーリッヒと四郎は互いにニヤリと笑いあった。
夏の陽光の下、2人は汗を流して激しい戦いを繰り広げた。
剣戟の音色が、夏の稽古場に響いた。
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Last updated
2012.03.07 16:11:12
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