(あん時、俺と踊った奴じゃねぇか!)
昨夜ワルツを踊った相手が目の前にいることにステファニーは驚き、目をパチクリとさせた。
「突然のご訪問、失礼を。私はエドガー=セルフシュタイン。以後お見知りおきを、レディー。」
そう言ってエドガーはステファニーの手の甲に口づけた。
「わ、わたくしはステファニー=セルフォードと申します、ミスター・セルフシュタイン。こちらこそよろしく。」
自己紹介と挨拶を述べたステファニーは、エドガーを見た。
昨夜シャンデリアの下に照らされていたエドガーは、まるで童話の中に登場する王子様そのものだったが、今の彼は昨夜の時よりも高貴さと優雅な雰囲気を内側から醸し出していた。
「エドガーとお呼び下さい、フロイライン。」
エドガーはそう言うと、ステファニーを抱きしめた。
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