「ステフから離れろ、この変態っ!」
スティーブは怒りで顔を真っ赤にしながら、弟の貞操を奪おうとする少年に銃を向けた。
「お兄様落ち着いて! わたしこの人にデートに誘われただけだからっ!」
怒りで興奮する兄を、ステファニーは慌ててなだめはじめた。
「おお、ステフ! あいつになんか変なことされなかったか! この僕が来たからには、すぐにあいつをやっつけて・・」
スティーブはステフに銃で狙いを付けながら言った。
「大丈夫、大丈夫だから! だから銃を下ろして、お兄様!」
スティーブは弟の身が安全だと知ると銃を下ろした。
ステファニーがホッと胸をなで下ろしているのに対し、銃口を向けられたエドガーは相変わらず涼しい顔をしている。
「賑やかなご家族をお持ちですね。」
「貴様、誰が賑やかだとぉ!」
エドガーの言葉を聞き、スティーブはまたしても彼に銃を向けた。
「お兄様、落ち着いてっ」
ステファニーはまた兄をなだめはじめた。
エドガーはそんな2人を尻目に、懐中時計を取り出した。
「もうこんな時間だ。私はもう行かなくては。ではフロイライン・シュティファニー、今晩7時にまたお会いいたしましょう。」
「ちょっ、まっ・・」
エドガーはステファニーの返事を待たずに勝手にデートの約束を取り付け、部屋から出ていった。
「デートだと? 一体どういうことか説明しろ、ステフ!」
怒り狂う兄を前に、ステファニーは深いため息を付いた。
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