「なんですって!? エドガー様から婚約を破棄されたですって!?」
ミッチェルはウィーンに帰り、母にエドガーから突然別れ話を切り出されたことを話すと、母は目を丸くして叫んだ。
「そうなんですの、お母様。なんでも、彼はわたくしの他に好きな人ができたんですって。」
「なんてこと! 許しておけないわ!」
「お母様、わたくしどうすればいいの? 彼以外の方とは結婚したくないの。」
そう言ってミッチェルは母の胸で泣いた。
「大丈夫よ、ミッチェル。お母様がなんとかしてあげますからね。」
「ありがとう、お母様。」
ミッチェルは母の肩越しで、笑みを浮かべた。
その頃、ロンドンのセルフォード邸では、スティーブと彼の親友であるレナードが、リビングでブランデーを飲んでいた。
「で、話ってなんだ?」
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