一部性描写有り。苦手な方はご注意ください。
環とルドルフを乗せた馬車は、滞在先の屋敷の前に停まった。
『タマキ、今夜はお前に優しく出来そうにない。』
ルドルフは寝室に入るなりそう環に言うと、彼を寝台の上に押し倒した。
『ルドルフ様、早く・・』
環のドレスをルドルフが脱がすと、環もルドルフの服を脱がし始めた。
コルセットの紐を解くのがもどかしくなったルドルフは、環を自分の膝の上に乗せ、そのまま彼を貫いた。
『あぁ~!』
か細く甘い環の嬌声が、天蓋の中に響いた。
『済まない、我慢できなかった。』
『いえ、いいんです。』
『動くぞ。』
ルドルフはそう言うと、激しく下から環を突き上げ始めた。
『あぁ、苦しい!』
『こんなにわたしを締め付けているのに?』
ルドルフは意地の悪い笑みを浮かべると、コルセットの裾を捲り、屹立した環のものを上下に扱いた。
すると、それに呼応するかのように環の蕾が収縮し、ルドルフのものを締め付けた。
『いやぁ~!』
環は悲鳴を上げ、そのまま意識を失った。
寝室の扉から漏れ出る光に気づいた環がガウンを着て寝台から降りると、ルドルフが暖炉の前で何か物思いに耽っていた。
『ルドルフ様、どうなさったのですか?』
『いや、何でもない。それよりも、身体は大丈夫か?』
『はい・・』
『今、これからの事を考えていた。わたしが成人した以上、父上はわたしを何が何でも結婚させようとするだろう。』
ルドルフはそう言って溜息を吐くと、グラスの中に注がれたウィスキーを呷った。
『お前は、わたしが結婚したらどうする気だ?』
『わたしは、貴方のお傍に居ます。それは、貴方が結婚しても変わりません。』
『そうか。てっきりお前は、わたしから離れてしまうのではないかと思っていたが、お前の口からそんな言葉を聞いたら、安心した。』
環を抱き寄せたルドルフは、彼に優しく微笑むと彼の額に唇を落とした。
『ルドルフ様・・』
『たとえ結婚しても、わたしの心はお前だけのものだ。それを忘れるな。』
『はい・・』
暖炉の火を消し、ルドルフは環と寝室で抱き合うようにして眠った。
翌朝、滞在最終日にルドルフは環を水晶宮(クリスタル・パレス)へと連れて行った。
水晶のような美しい建物の内部には、古代エジプトの宝物や、熱帯の花々など、世界中から集められた芸術品などが展示されていた。
『何だか、ここは別世界のようですね。』
『あぁ、そうだろう?一度、お前を連れて行きたいと思っていた。』
ルドルフはそう言うと、環の唇を塞いだ。
『こんな人目のつくところで、何を・・』
『良いだろう、別に。減るものでもないし。』
『全く、貴方という方は・・』
環がそう言って苦笑すると、ルドルフは安堵の表情を浮かべた。
『やっぱり、お前には笑顔が一番似合うな。』
ルドルフは環に手を差し出すと、環はその手を握って彼と共に水晶宮を後にした。
ドーヴァー海峡を渡る船のデッキで、環は次第に遠くなりつつある英国を見つめた。
(兄上、師匠、わたしはもう大丈夫です。)
環が天国に居る涼介と優駿にそう話しかけると、曇っていた雲の隙間から美しい青空が顔を覗かせた。
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