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じゃんす的北京好日子 東京編

じゃんす的北京好日子 東京編

第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要

  
第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要


  大手外資系企業のPR活動は、一線都市(北京、上海、広州)で主に行われています。しかし、最近はそれ以外の二番手、三番手の都市も勃興し始めており、例えば成都・重慶、蘇州・杭州・南京、武漢、ハルビン・大連・瀋陽、天津、青島、西安、アモイ・福州などの都市においてもPR活動が盛んに行われ始めています。500万人を超える人口を要するこれらの都市でも人々の所得が高まってきているためです。

  いくつか例を挙げて説明しますと、ある医薬メーカーは、まず二線都市からPR活動を始め、それから次第に北京や上海や広州などの一線都市に攻め上がるという戦略をとりました。また、農村部からPR活動を始める企業の事例もでてきました。その企業は地方都市のほうがブランド知名度を上げやすいと考えたためです。

  以上のような事例も出てきてはいますが、北京や上海が今後暫くの間、中国の発展を牽引する中心的都市であり続けることは変わらないでしょう。北京は、政治およびメディアの中心であり、上海は、経済、商業の中心だからです。

  また、上海はファッションの中心でもあるため、ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールなどの有名ブランドが新製品を発表するとき、イベントやプロモーション活動を上海から始めるという動きがこのところ目立っています。

  上海は現在アジアの中心都市としてプレゼンスを高めつつあります。多くのグローバル企業が中国及びアジア太平洋地域の総本部を上海に設置しているかあるいは移転していくことは注目すべきことです。米国GM、ハネウェル、グッドイヤーなどの多国籍企業は従来香港やシンガポールにあったアジア太平洋本部を上海に移しています。

  中国においては市場の相違を見極めた上でのPR戦略の立案が重要といえます。


<全15回>
第1回:広報担当者必読の中国広報事情
第2回:広報活動にともなうチャイナリスク
第3回:チャイナリスクの対応方法
第4回:社会貢献活動をPRすべし
第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ
第6回:中国でプレスリリースを発送する
第7回:中国メディア、記者対応の注意点は
第8回:大きい中国、市場はたくさん
第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要
第10回:W杯報道に見る中国メディア事情
第11回:広告合戦勃発!外資vs中国
第12回:新聞雑誌、中国人はどこで買う?
第13回:中国のネット人口1億2300万人に
第14回:広報とホステスの深い関係
第15回:靖国参拝への中国メディアの反応


中国広報担当者向けのおすすめ書籍:
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