「紫日（前田知恵出演）」

先日、たまたまCCTV6（映画チャンネル）をつけたら、NHK中国語会話出演中の前田知恵さんがヒロインで出演している映画「紫日」が放映されていました。

最初は単なる抗日映画かなと思って観てたのですが、他の抗日ドラマや映画と違ってセットやロケにお金がかかってそうだし、ストーリーも単純な勧善懲悪モノではなさそうでした。

大抵中国のドラマや映画に出てくる日本人役は中国人が演じている場合が多く、日本語も下手です。この「紫日」に出演している女子高生役の女の子を観観て「かわいいし、日本人ぽいなあ」と思っていたら、その子が前田知恵さんでした。

当時前田知恵さんは北京電影学院の表演系の1年生で19歳だったようで、今よりもふっくらして幼い感じです。

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左が「紫日」出演の頃の前田知恵さん
右が現在の前田知恵さん

映画の時代背景は第二次世界大戦末期の中国。
不可侵条約を破り中国に侵攻したソ連軍と日本軍の間で激烈な戦闘が起こります。この戦闘で生き残ったソ連軍女医、日本人少女（前田知恵）、元日本軍捕虜の中国人（富大龍）の3人。生き残った3人で旅をすることになりますが、言葉も通じないこの3人にいつしか奇妙な友情が芽生え始めます。

中国人俳優富大龍の熱演と前田知恵さんのかわいらしさが印象的な作品でした。

前田知恵さんについて：　

多くの中国語学習者の皆さんにとっては前田知恵さんは「NHK中国語会話の出演者」という印象しか無いと思います。しかし、以下の経歴をご覧いただければわかるように、前田知恵さんは中国で女優としてのキャリアを積んでいるのです。

前田知恵主要出演作品：
映画：
《葵花劫》中日合作役：看護士
《哥イ門儿》台湾電影役：朋子
《紫日》役：秋叶子
《秋雨》孫鉄監督役：橋本

ドラマ：
《永恒恋人》役：理惠

声優：
《宝蓬灯》日本語版

ドキュメント：
《異国的女孩》

平面广告：
“華堂商場”イメージキャラクター

通訳：
「無極（PROMISE）」の撮影時、真田広之の通訳を担当。

「華堂商場」のイメージキャラクターを務めたとありますが、「華堂商場」とはイトーヨーカドーのことです。北京にも何軒かあります。

「無極（PROMISE）」は昨年ヒットした映画なので、ご存知の方も多いと思います。前田知恵さんが真田広之の通訳を担当していたことまで知っている方は少ないのではないでしょうか。トリビア的知識ですね。

中国で日本人の俳優さん、女優さんが活躍することは嬉しいことです。ただ、いまだに現代劇が少なく戦争モノが多いことが日本人俳優さんたちの活躍の場を狭めているようで残念です。トレンディドラマに日本人俳優・女優の起用が進むことを願っています。