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2009年11月23日 楽天プロフィール Add to Google XML

 遠州森町報徳日めくり 23日 福山先生はまた孝悌の心が深かった。
[ 報徳記&二宮翁夜話 ]    

遠州森町報徳日めくり 23日


福山先生は自らには極めて薄くされた。食事は粗末な食事を甘んじ、衣服は粗服をまとい寒いときにも足袋(たび)をはかれず、厳しい暑さにもただ「ござ」を用いられた。その質素・倹約は想像以上であった。

福山先生は報徳各社を巡回されるとき、暇があれば各社の帳面の雛形を作られたが、その用紙は必ず使い古しの紙を用いられた。もし黒くなって使用できないときは朱筆で書かれた。このようにして不用になった古紙があれば引き裂いてコヨリを作られ、巻いてマリとし、去るにあたって宿泊された家に残し、急にコヨリが必要なときにのために供せられた。

福山先生は極めて同情の念に富まれていた。
報徳各社は年の暮れに貸付の参会を行う。人情としていずれの社でも貸付が一口でも多い事を望む。しかし資金には限りがあって少し資金不足のために一口に満たないものがある。このような時は先生は必ず他から私に使用を委託された金がある。増補金として1年間使用しなさいといって一口に満たされることを常とした。

福山先生はまた孝悌の心が深かった。先生は一足の白足袋を秘めて持たれていた。「これは私が16歳の時、母から賜わったもので、私は記念のためにいつも持っているのだ」
この白足袋は福山先生の遺物を点検した時、なお存していた。福山先生が母君に対する情を知るべきである。



「福山先生一代記」金井利太郎著(明治38年12月28日発行)報徳遠譲社抜粋
(読みやすくするため、ひらがなを多用し、旧仮名遣いを改めるなどした)

 

 29 先生自奉極めて薄しかりし事
 先生は自奉極めて薄くおわしき。食は粗糲(それい:粗末な食事)を甘んじ、衣は粗服をまとい寒中に足袋をはかず厳暑ただ「ござ」を用いたまう。その質素倹約想像の外にあり。社員某かつてその母の丹精をこめたる衣服を参らせたるに、先生立派に過ぐとて服さず。又社員某わざわざ先生の紋を付けたる綿入をすゝむ。先生また立派に過ぐとて服さず。逝去したまいし後、社員先生の遺物を検せしに一駄の書物の外は小田原町海蔵寺の血脈と臍の緒と衣服数点のみ。しかも衣服に一つのあわせ物なくみた単衣(ひとえ)なりき。以てその平素の様いかなりしかを想見すべきにこそ。

 30 先生用を節し物を愛し給いし事
 先生のかく自から奉ずる事薄きは物を愛したまう天性より出ずるなり。これに付き瑣事ながら記し参らす事あり。先生各社を巡回したまうとき暇あれば各社の帳面の雛形を作り給いしが、その用紙は必ず反故(ほご)を用い給いぬ。もし黒くして弁ずべからざるときは朱を以て書したまう。かくて不用になりたる反故あれば引き裂きてコヨリを作り巻きてマリとなし、去るに臨みて宿せし家に残し、不時の用に供せしめたまいき。またある年社員某先生に徒して小田原より遠江に帰りけるに先生箱根にて中食したまう時、割箸を割り用いたまいしを紙に包み、後、休泊ともとり出して用い新たなるを割きたまわざりき。これいささかの物にても無益にせざらんとの思召しに出てたりなり。古人は大河の水をも倹約して無益にせざりしと聞く。先生の用意すべてかくこそおはしき。

 31 先生同情の念に富みたまいし事
 先生は極めて同情の念に富みたまいき。これに付きまた一事の記すべき事あり。
各社年の暮れには貸付の参会を行う。先生喜びてこれに臨席したまう。人情何れの社にても貸付の一口も多からん事を望む。されど資金には限りありて少々の不足のために一口に満たざるものあり。かかる時は先生必ず我に他より使用を託されたる金あり。増補金として1年間使用せられよとて一口に満たしめたまうを常とせり。これ先生のこの道に篤きより出ずること勿論なれども、一つには貸付の一口も多からん事を望む人情に同じたまいけるなり。(かくありしかば何れの社にても先生の増補金を用いざるはなき程なりき)

 33 先生孝悌の心深くおわせし事 
 先生はまた孝悌の心深くおわしき。母君は名を民子と申されて慶応元年2月4日76歳にてかくれさせ賜いしが、先生かつて慶我が母一日家の前の溝渠に米粒の多く流れ来るを見てかく米を粗末にするものあるは、飢饉の来る兆しにやあらんと云いけるが、後4,5年果たして飢饉ありき」と語りたまいき。女性にてかかる微妙の理を解したまう。その賢婦人たる。知るべし。先生河川を渡り給う時、仏名を記したる紙片の寸余なるを2,3片づつ流し給いき。吾人問い参らすれば、「我が母晩年仏を信じ念仏をとなう。されど唱うるのみにては正業にあらずとて紙片に書す。その数幾万なるを知らず。我れその後生のためにこれを流す」と云い給いき。また先生一足の白足袋を秘め給う。吾人問い参らせければ、「これ我が16歳の時、母の賜う所、我れ記念のために身に従う」と云い給いき。この白足袋社員先生の遺物を検せし時、なお存しき。されば先生の母君に対するの情知るべきなり」



「ツキを呼ぶ魔法の言葉ゴールドラッシュ」マスオさん朗読CDほかを聞くこと543回 

今野華都子先生の講演会のCDを聴くこと863回


最終更新日  2009年11月24日 06時13分23秒




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