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カテゴリ:鈴木藤三郎
4 両得農業法を案出し、会社も農民も共に利益となることが、会社の方針。 「甘蔗栽培については、農民を誘導して品種の改良、肥培耕作方法の改善を講じようとして、並々ならぬ苦心を払ったが、旧来の習慣を墨守する頑迷固陋な彼等は容易に之を実行せず、従って土地を所有しても、その効果は直ちに顕れ難かった。
ここに於て鈴木社長は、農民にも利益を与へ、同時に当社も利益を挙げつつ甘蔗農業を進歩せしめようとする所謂「両得農業法」なるものを案出した。即ち明治三十四年十二月付の「両得農業法草案」にはこれを叙して後、次の如き語を以て結んでゐる。 「此方法ヲ実行スレバ会社及農民ノ両者間ニ於テ弐万六千円ノ実利ヲ生ス若シ夫レ此方法ヲ以テ会社ハ他日買収ノ土地ニ遍ク施ストキハ其利益ハ益々大ナランニ二宮先師訓ニ曰ク天地相和シテ万物生ズ男女相和シテ子孫生ス貧富相和シテ財宝生ストト宜ナル哉言原来会社ハ此主旨ニ法リ人民ト共ニ天地間ニ充満セル未ダ所有者ナキ財宝ノ開発ヲ勉メ会社ノ為メ国家ノ為メ鋭意専心実行アランコトヲ希望スト爾云」 (この方法を実行すれば、会社及び農民の両者間において2万6千円の実利を生ずる。もしそれこの方法を会社は今後買収した土地にあまねく施すときは、その利益はますます大きくなるであろう。二宮先師訓に曰く、『天地が和して万物が生ずる、男女が和して子孫が生ずる、貧富が和して財宝が生ずる』と、まことにこの言葉の通りである。元来会社はこの趣旨にのっとって、人民と共に天地の間に充満する、いまだに所有者がない財宝の開発に勉めて、会社のため、国家のために鋭意専心実行していくことを希望するとここに言っておく。)
かくの如く、当社は創業の初めから農民との共存共栄を図りつつ、土地所有を社是として進んで来たが、現在では約五万甲に垂んとする広大なものとなり、愈々その真価を発揮せんとしている。創立当初に樹立せられた大方針を顧みれば、今更ながら当路者の先見卓識に敬服せざるを得ない。」(台湾製糖株式会社史) この両得農業法もまた二宮先生の「天地が和して万物が生じる」の趣旨から、藤三郎が近代企業経営に初めて理念として取り入れたものです。これは藤三郎が遠州の報徳運動から受け継いだものにほかなりません。
一 二宮先生の報徳の大意は、天地相和して万物が生じ、男女相和して子孫が生ずるように、貧富が相和して財宝を産みだす。第一に天道・人道の別を理解して、身を労して心を労せず、よく分を守って、分度外の米財を施し譲り、無頼の者を教えさとして人とし、あるいは人糞・馬糞などの不浄を引き請けて田の肥料とし、借財を引き請けて無借にかえ、相互に譲り合って国恩を報ずるという大道であるから、よくよく発奮して身を守る事が大切である。だからこのように定めるものである。(略)
報徳社員の心得 遠江 新村里三郎(「報徳」第31号明37年9月) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年02月18日 01時53分48秒
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