12342831 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

GAIA

GAIA

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
全て | 報徳記&二宮翁夜話 | 二宮尊徳先生故地&観音巡礼 | イマジン | ネイチャー | マザー・テレサとマハトマ・ガンジーの世界 | 宮澤賢治の世界 | 五日市剛・今野華都子さんの世界 | 和歌・俳句&道歌選 | パワーか、フォースか | 木谷ポルソッタ倶楽部ほか | 尊徳先生の世界 | 鈴木藤三郎 | 井口丑二 | クロムウェル カーライル著&天路歴程 | 広井勇&八田與一 | イギリス史、ニューイングランド史 | 遠州の報徳運動 | 日本社会の病巣 | 世界人類に真正の文明の実現せんことを | 三國隆志先生の世界 | 満州棄民・シベリア抑留 | 技師鳥居信平著述集 | 資料で読む 技師鳥居信平著述集  | 徳島県技師鳥居信平 | ドラッカー | 結跏趺坐 | 鎌倉殿の13人 | ウクライナ | 徳川家康
2013年02月18日
XML
カテゴリ:鈴木藤三郎
 

4 両得農業法を案出し、会社も農民も共に利益となることが、会社の方針。

「甘蔗栽培については、農民を誘導して品種の改良、肥培耕作方法の改善を講じようとして、並々ならぬ苦心を払ったが、旧来の習慣を墨守する頑迷固陋な彼等は容易に之を実行せず、従って土地を所有しても、その効果は直ちに顕れ難かった。

 原料運搬

ここに於て鈴木社長は、農民にも利益を与へ、同時に当社も利益を挙げつつ甘蔗農業を進歩せしめようとする所謂「両得農業法」なるものを案出した。即ち明治三十四年十二月付の「両得農業法草案」にはこれを叙して後、次の如き語を以て結んでゐる。

甘蔗

「此方法ヲ実行スレバ会社及農民ノ両者間ニ於テ弐万六千円ノ実利ヲ生ス若シ夫レ此方法ヲ以テ会社ハ他日買収ノ土地ニ遍ク施ストキハ其利益ハ益々大ナランニ二宮先師訓ニ曰ク天地相和シテ万物生ズ男女相和シテ子孫生ス貧富相和シテ財宝生ストト宜ナル哉言原来会社ハ此主旨ニ法リ人民ト共ニ天地間ニ充満セル未ダ所有者ナキ財宝ノ開発ヲ勉メ会社ノ為メ国家ノ為メ鋭意専心実行アランコトヲ希望スト爾云」

(この方法を実行すれば、会社及び農民の両者間において2万6千円の実利を生ずる。もしそれこの方法を会社は今後買収した土地にあまねく施すときは、その利益はますます大きくなるであろう。二宮先師訓に曰く、『天地が和して万物が生ずる、男女が和して子孫が生ずる、貧富が和して財宝が生ずる』と、まことにこの言葉の通りである。元来会社はこの趣旨にのっとって、人民と共に天地の間に充満する、いまだに所有者がない財宝の開発に勉めて、会社のため、国家のために鋭意専心実行していくことを希望するとここに言っておく。)

 

 かくの如く、当社は創業の初めから農民との共存共栄を図りつつ、土地所有を社是として進んで来たが、現在では約五万甲に垂んとする広大なものとなり、愈々その真価を発揮せんとしている。創立当初に樹立せられた大方針を顧みれば、今更ながら当路者の先見卓識に敬服せざるを得ない。」(台湾製糖株式会社史)

この両得農業法もまた二宮先生の「天地が和して万物が生じる」の趣旨から、藤三郎が近代企業経営に初めて理念として取り入れたものです。これは藤三郎が遠州の報徳運動から受け継いだものにほかなりません。

 


146 下石田村報徳連中議定下書

一 二宮先生の報徳の大意は、天地相和して万物が生じ、男女相和して子孫が生ずるように、貧富が相和して財宝を産みだす。第一に天道・人道の別を理解して、身を労して心を労せず、よく分を守って、分度外の米財を施し譲り、無頼の者を教えさとして人とし、あるいは人糞・馬糞などの不浄を引き請けて田の肥料とし、借財を引き請けて無借にかえ、相互に譲り合って国恩を報ずるという大道であるから、よくよく発奮して身を守る事が大切である。だからこのように定めるものである。(略)
右の条々今回みなが会合した所で、日月に誓い、親子兄弟と同様の因を結んで議定書をとりかわし、それぞれの所に預かっておいて、子々孫々まで違乱が有ってはならない。以上
安政三年(1856)九月 与平次(外十名連署)

 

報徳社員の心得 遠江 新村里三郎(「報徳」第31号明37年9月)
「総則 夫天地之化育を賛くれば、則ち天地と人との三つなり。又天地相和して万物生じ、貧富相和して財宝生ずと、先師二宮翁の教訓なり。其是に則り、人道の誠を以て、貧を助け救ふ故に、三才報徳元恕金と号けられしよし。又曰く、天地の間に生ぜし財宝は、元一己のものに生じ、奪う時は天理に背き、譲るときは天理に叶う。恐れ慎むべき事なりとあり。
 人の万物の霊長となるは、天地の化育を賛くるにあり。その実業なきときは、人ともなれず、又万物の霊長ともならず、いわゆる禽獣にひとし。凡そ人道は、万物の霊長となるべき、則ち化育の道を賛るにあり。人たるもの、務めて怠るべからず。
 天地相和して万物生じ、貧富相和して財宝生ず、とは即ち右述ぶるが如し。その天地相和すの道は、天性自然に行はれて、間違いを生ずべきことなし。然るに貧富相和し、財宝生ずるの和する方に於ては、人皆間違いを生ずる事あり。とにかく貧者は富者の財を平均にするを和すと思い、不平を生ずることあり。都て天地相和して財宝生ずるの道理を能く弁知して、貧富相和するの所以に違う事なかれ」






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013年02月18日 01時53分48秒



© Rakuten Group, Inc.