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カテゴリ:広井勇&八田與一
「築港」巻の一 広井勇(原文はカタカナ。読みやすくするため、現代語表記とする)
緒言 それ港湾の修築は通商貿易の発達し航運事業の進歩するに随い、その必要を感ずるものにして、往時貿易なお幼稚なりし時にありては、僅かに天然の地形を利用し、もしくはこれに多少の人工を加えて物資積み卸しの用にあて、もって足れりとせしも、輓近通商貿易の発達すると共に、航運事業に著しき進歩を来たし、随って海陸運輸の接続に関し、諸般の設備を全うすべき必要を感ずること、ますます切なるに至れり。 およそ物資の運輸及び積み卸しの便否は費用の上に至大の関係を有するものにして、その影響する所、単(ひと)り一地方の盛衰に止まらず、延べて一国貿易の隆替に関するものなり。これ欧米諸国の先を争い巨万の資を投じて港湾の修築を為し、大船巨舶の出入を自由になさしめ、かつ一度港内に入れるや天候のいかんにかかわらず安全に碇繋して敏速に物資の積み卸しを全うし、旅客の昇降に便ならしむることに汲々たるゆえんなり。 しかるにわが邦(くに)の現状を顧みれば四十万トンの船舶ト三千マイルの鉄路は絶えず旅客貨物の運送をなすも、これが接続の要地たる港湾の多くは、完全なる設備を欠き、徒らに旧慣を固守し、専ら人力により、稀には器械を用いて物資の積み卸しをなすに過ぎざるをもって、勢い多くの時間と費用とを浪費せざるべからず。これを欧米著名の諸港にありて常に大船巨舶を陸地もしくは桟橋に繋ぎ、完全なる設備により、物資の積み卸しに従事し、僅かに十分の一に足らざる費用とほとんど五分の一の時間とをもってするに比すれば、その得失あに同日の談ならんや。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年03月30日 06時37分37秒
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