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カテゴリ:木谷ポルソッタ倶楽部ほか
由布院の小さな奇跡(「ちょっと一息」より)
東京に勤務していた時、北海道のT、大分県の木谷文弘と友人となり、その後も交友は続いた。 木谷は文筆が達者で、新潮新書から「由布院の小さな奇跡」を出版した。 その本に由布院の中谷健太郎・溝口薫平らがドイツの温泉町バーデン・バイラーを視察した時、ホテルの主人グラウテルさんから、あなた方は町をよくするため何をしているかと一人一人指差されて問い詰められ、何も答えられず、それがきっかけで由布院の街作りを決意する場面が載っている。グラウテルさんはこうも言った。
「街作りには三人以上仲間がいる。世界中の同じ志をもった仲間と手を握ることが大事だ」と。
「南ドイツの、ドイツ、フランス、スイスと三つの国が重なるあたりの黒い森の麓にあるバーデン・ヴァイラーという小さな温泉地を、三人が訪れた時のことだ。 バーデン・ヴァイラーは人口約四千人と、由布院に似た小さな温泉地だった。 小さなホテルのオーナーであったグラテヴォルさんの話に、三人は感動した。 その感動が、いまの由布院をつくったと言っても過言ではない。 中谷が熱い想いで綴っている。
「私たち三人が、ドイツのバーデン・ヴァイラーという町で受けたあの衝撃を、なんとか由布院の町の人たちにも伝えようと、わけのわからぬ、子供らしいあがきをはじめたのは事実だった。 それは今でも続いている。 あの日、グラウヴォルさんは私たちに熱く語ってくれた。
『町にとって最も大切なものは、緑と、空間、そして静けさだ。その大切なものを創り、育て、守るために、君たちはどれほどの努力をしているのか? 君は? 君は? 君は?』
グラテヴォルさんは、私たち三人を、ひとりずつ指さして詰問するように言った。 私たち三人は顔が真っ赤になってしまった」
グラウヴォルさんについて溝口もよく話する。
「まちづくりは、ひとりでやっていては孤立する。 最低でも、三人は必要だ。 まちづくりは、大勢の仲間で進めることが大切だと、私たちはグラテヴォルさんから教わった」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年06月13日 01時27分06秒
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