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カテゴリ:クロムウェル カーライル著&天路歴程
1 内村鑑三不敬事件と「クロムウェル伝」
内村はメッタにこの事件を口にしなかったが、稀に青年に「君達に話しておこう」と語る事があった。 「恐ろしい時だった。面倒になりそうだという事は前から分っていたので、クリスチャンの同僚は当日ワザと休んでしまった。僕も休もうかと思ったが、出来なかった。いよいよ僕の番が来た時、ずいぶんためらった。余程オジキしようかと思った。しかし当時すでに僕に頼っていた学生が十数名いて、ジット僕を見ているのだ。それを思った時、ドーしてもオジキは出来なかった。僕はチョット頭を下げた。それからアンナさわぎになった。何しろ僕も若かったし、それにちょうどカーライルの『クロムウェル伝』を夢中で読んでいた時だったからね。」 「旧友内村鑑三氏を偲ぶ」に新渡戸が米欧留学を終え、帰朝後内村宅を訪問した様子が描かれている。「我輩の訪ねた時は小さい室に発熱して寝ておった。(略)『近頃は僕のことを反逆といって、文部省やら同僚やらがしきりに排斥し、世間も非常な反感を抱いて、毎日のように脅迫状やら暴力者みたいな者が来たり、家の中に石を投げる者があったり、実に世間というものは物の解らぬものだ』といいながら、彼は上、陛下に対して飽くまでも忠良な臣民であることを延べながら、いかにご真影とはいいながら、肖像を神のごとくに礼拝することはできないと加えた。話が終って、我輩彼の枕元にあった書物を取り上げてみた所が、カーライルのクロムウェルの伝記であった。そこで我輩は『君がカーライルを読むのか』というたら『ウム、こんな本読んでいるから、心にもない敬礼などはできない、陛下御自身の為なら命も捨てるが、上っ面の礼式などはできないネ』と笑ったことがある。」(第二集p.278) 内村鑑三不敬事件を知るには、カーライルの『クロムウェル伝』を知り、ピューリタニズムの精神を知らなければならない。畔上訳上巻を現代語表記で本集資料編に収録した。また参考までに一部英文も掲げた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年07月21日 21時34分39秒
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