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2014年08月25日
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【11】業を立つるものの自奉綿衣飯汁の3に在るを論ず

問うていわく、
先生の道は国弊を矯(た)め、衰廃を挙げ、厚く仁術を施し、上下の永安を得せしめるの大道なり。
君命を奉じて斯道(しどう)を行うものあに大業にあらずや。
けだし大業に任ずるもの、その身正しければ道行われ、正しからざれば行われざるは勿論なりといえども、また外に何を要として可ならんや。
いわく、
いやしくも斯道を行うものは、必ず自ら下民に先んじ、艱苦をなめ、節倹を尽くし、余財を譲り、仁愛をもってするを要とす。
いわく、
かくのごときのみか。
いわく、
自ら民に先んずれば、民その労を忘る。
艱苦を甘んじて節倹を尽くせば財余りあり。
よく譲れば民服し、よく愛(いつく)しめば感戴せざるものなし。
かくのごとくんば蛮夷の国といえども治まらん。
いわんや衰国をや。
いわく、古人の行いこれに似たるものなきにあらず。
然して業をなすもの、往々その終わりを遂ぐるあたわざるは、何ぞや。
いわく、
心節倹にありといえども、自奉の節いまだ尽くさざるがゆえなり。
いわく、自奉の節、いかにせば可ならん。
いわく、
それ人として一日五合の食なければ飢えを免れず。
五合の食あれば身を養い命を保つに足れり。
何ぞ味の多きを貪らん。たとえ山海の珍味を備うるも、一日数升を食らうあたわず。
然れば珍味は悉く奢侈にして、生養を期するものにあらず。
ただ汁は飯を導くをもって、体を養うの要物なり。
衣は寒暑をしのぐのためのみ。
綿衣にして足れり。
その他は皆奢侈の具と謂うべし。
ゆえに我が身に奉ずるものは必ず綿衣飯汁の3つをもって限るべし。
人身もとより羽毛の寒暑を防ぐべきものなし。
ゆえに綿衣もってこれを防ぎ、また食なければ飢渇を免るあたわず。
ゆえに飯汁もってその生を養い、自ら足るを知って終身自奉の度となし、余財もって下民恵恤の資本に加うるときは、誰かあえて服せざらんや。
もし衣は錦繍をまとい、食は珍味を貪り、その業を遂げんと欲せば、道盛行の時は、害なきに似たりといえども、変動の時に当たれば衆人の誹謗起こり、佞奸その業を破るの具となり、積功一時に崩潰す。
これ他より破るがごとくにして、実は自ら破るなり。
このゆえに事を成すもの、浮かまず沈まず、中庸の行いをもって要とす。
それ水車は半輪水を出で半輪は水に入る。
これをもって循環して止まず、廃せず。
もし全車水を離るれば運転の用をなさず、全車水中に沈めばまた然り。
ゆえに人身衣食を離るれば身滅し、衣食を貪れば事成らずして害を生ず。
飯汁綿衣のその中を得るもの水車の中を得て全きがごとし。
古歌に坐禅する祖師の姿は加茂川にころび流るる瓜か茄子(なすび)か。
これ100人誹(そし)るものあれば100人これを称するものあり、100人信ぜざれば100人信ずるあり。
世と共に仏道行われて朽ちざるや、なお流水の瓜、半ばは浮かみ半ば沈み、水を離るるにあらず、また沈むにあらず、大海に達すがごときをいえり。
君子の業を成すや、それ必ずここにおいてす。
美衣美食珍器重宝、平常の時は、我が身を助くるものに似たりといえども、その動揺変化の時に当たれば、皆ことごとく讒者誹謗の具にして、我を責むるの敵となる。
古えより事を成すもの往々これがために破る、歎ぜざるべけんや。
然ればすなわち自奉必ず綿衣飯汁の3つに限り、分を節して有余を譲り、百姓の窮苦を除き、誠心もってこれを撫恤すれば、たとえいかなる変動逆浪起こるといえども、動かすあたわず。
讒奸出づるといえどもその邪説を飾るを得ず。
徒誹徒謗のみにしてまた称誉するもの多し。
何をもって破るを得んや。
このごとくにしてその業を遂げざるものいまだこれ有らざるなり。





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最終更新日  2014年08月26日 03時15分33秒



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